HMVインタビュー: Opiate

2007年6月19日 (火)

  インタビュー
  Opiate
Bjorkを始めとする多くのアーティストがフェイバリットに挙げながらも廃盤となっていた、Opiateにより1999年にリリースされた『objects for an ideal home』がなんと再発決定!本作を聴いたBjorkが、アルバム『Vespertine』への参加を熱望したという逸話が残っているほどの作品であり、そこに参加したことによってOpiateの活躍は一緒に参加したHerbertやMatomosらと共にエレクトロニカへの注目を一気に集めることにもなりました。そしてその再発にあわせ、OpiateことThomas Knak に本作品に関して等をお話頂きました!

Opiate
  Opiate
―― まず、音楽との出会いについて教えていただけますか?


Opiate: 僕は音楽が大好きな両親に育てられたんだ。父親は実際60年代半ばのソウルやビート・ミュージックをかけるDJをしていたしね。僕が生まれた頃には家にはテープやレコードのコレクションがそこらじゅうにあって、自分が聴きたいと思った音楽を父親がすぐにかけてくれ、母親は音楽を流している間僕と踊るのが好きだったんだよ。自分が住んでいたコペンハーゲンの郊外には、すばらしいコレクションを備えた地元のライブラリーがあって、学校の後とか仕事の後とか、多いときだと週に2、3回そこに行っては音楽を聴いていたよ。その頃はあらゆるスタイルの音楽に接していて、特にはレゲエだったり、シュトックハウゼンやライヒなどのミニマル・ミュージック、そして多くのヒップホップを聴いたね。


―― 音楽活動のスタートはDJだったのでしょうか?


Opiate: 10歳の頃からレコードを買い始めて、特に放課後にバイトをし始めてからコレクションがホントに増えてしまって、12"とかスペシャル・ミックスものとかそういう類を買う余裕ができちゃったからね。一番最初のDJとしての仕事はアンビエントDJだったんだけど、1993年だったなあ。その後すぐに、テクノとかハウス、レイヴ・パーティーのバックルームDJとして定期的に呼ばれていたよ。それから間もなくしてドラムンベースのミックスをし始めて、それだから自分自身のスタイルも両方の世界のアブストラクトな部分で出来上がっていたんだ。1995年には、国営放送(TV、ラジオ両方)で新しいエレクトロニック・ミュージックのプレゼンターとしての仕事についたんだ。


―― EnsoniqのサンプラーASR-10は、あなたの音楽制作において重要な機材だと思いますが、このサンプラーとの出会い、そして魅力について語っていただけますか。


Opiate: 曲作りをしたいって思ったときに、これだっていうサンプラーを探していたんだ。そしたらすぐにこれを見つけたんだ。Akaiや Rolandに比べて、インターフェイスやエフェクトが好きなんだ。ユニークであり、他にはない暖かみがあった。またキーボード、サンプラー、エフェクターがいっしょになった使い勝手のいいワークステーションでもあったからね。


―― 『objects for an ideal home』の制作で、いまも記憶に残っている出来事はありますか?


Opiate: 『objects....』は97年の秋から98年の夏までかけて作り上げて、98年の7月、8月でマスタリングを終え、リリースされたのは99年の2月の中旬だったんだ。その頃は何か全てが静かにリラックスした感じだった。ちょうど僕はコンピュータの使い方を学んでいて、だから基本的に『objects....』はコンピュータの使い方を学びながら作られたものなんだ。その頃は国営ラジオのライブラリーで働き始めてて、しかもそこはヨーロッパの中、いやもしかしたら世界でも一番のレコード・コレクションを持つ場所の1つなんだけど、そこに僕はアクセスできたため、そこにある膨大な量の様々なスタイルの音楽のサンプリングをし始めちゃって、4秒間のサンプルを探すのに、一日に10時間とか12時間もそこで掘り起こししていたりしたよ。


―― 日本ではあなたを知らない人にあなたを紹介する時、必ずと言っていいほどBjorkの名前があがると思うのですがその事をあなたはどう思いますか?


Opiate: 多くの人に彼女の違う一面を印象付けできたことはすごくよかったと思うよ。実際、そこでプロデュースして作業できたことは自分の中でも大きな出来事だったし。彼女にできるだけ近づいて作業しなければならかったね。そしてホントにユニーク形となったアルバム『Vespertine』に収録 の"Coccoon"と"Undo"ができたんだ。彼女はこのアルバム『objects....』がきっかけで僕にコンタクトをとってきたわけだし、だから自分自身の音楽を聴こうとしている人達への紹介として彼女の名前があがるのはいいと思うよ。


―― 先日発表されたそのBjorkの新譜はお聴きになりましたか?


Opiate: うん、聴いたよ。いろんな理由で好きだね。いまだにポップ・ミュージックがどんなサウンドでありうるかという境界線を押し広げているし、コラボレーションの仕方を示しているし、だけど彼女がすべて作曲し、作詞し、プロデュースした純粋なソロ・アルバムを聴きたいなって思うよ。ただそれは、TimbalandやAnthony Hegartyが絡んでできたもののようなハイプなものにはならないだろうね。だけれど、彼女が全部自分でやったのならとても素敵なアルバムになることは100%間違いないよ。Timbalandは、Bjorkのために特別に普段とは違うことをしてるわけじゃないしね。


―― 現在日本ではジャンルを問わず過去のアルバムが様々な形で次々と再発されています。<disques corde>による今回のあなたの作品の再発はその作品群の中にあって確かな名作と言えると思いますが、この再発の風潮をどう思いますか?


Opiate: 今の音楽状況を考えるとすごく自然なことだと思うよ。インパクトを与えるような新しいスタイルはほとんどないし、ただ僕はDubstepは好きだよ。Dubstepも90年代初期のエレクトロニカに多く影響受けているけど。エレクトロニック・ミュージックは自身を見直す時期なんだと思うよ。新しい世代も入って来るわけだし。新しい世代の子達は、彼らと同じ世代のヒーローを見つけたいって思う一方で、90年代の名盤や定盤も聴いてみたいと思うだろうしね。もし自分がその中に入るのならば、それは本当にすごく幸せなことで、そういう風に思われることは光栄だね。


―― 最近個人的に好んで聴かれているCD、または今作を制作中に良く聴かれたCDを3枚ほど挙げていただくことは出来ますか?


Opiate: Dubstep以外にはあんまり自分の世界を変えたようなものは最近ないかもね。なので、Burial、Kode9かな、自分の耳を大きくさせたアルバムは。Digital MystikzやLofah、Kromestar、Pinchなんかは12"によりけりだね。他の人達同様、J Dillaの死はすごく大きくて、でも目を覚まさせられた感じだったよ。そこからSci-Fiなヒップホップを作っているプロデューサーを探し始めたり。デトロイトには才能ある連中が多いね。Dabryeとか、J Dillaに勝るとも劣らないことやってるよ。歌ものだと、Hot Chip、Architecture in HelsinkiといったバンドとかBroadcastがやることはいまだに全部聴いてるね。


―― これからの活動予定について教えてください。特にソロ・アルバムの制作予定はありますか?


Opiate: より歌もの中心に構成されたPeople Press Playに1年も時間を費やした後だから、自分とサンプラーとで作業をまたやりたいってすごく思ってるんだ。なので、来年あたりアルバムができればいいなあって思ってるよ。


―― ありがとうございました!

(取材協力: disques corde)
 
 
 
  リスニング系エレクトロニカ・サウンドの金字塔的作品が遂に再発!  
 
Objects For An Ideal Home

CD Objects For An Ideal Home
Opiate

Bjorkを始めとする多くのアーティストがフェイバリットに挙げながらも廃盤となっていたため入手困難な状態が続いていた、デンマーク出身のThomas Knakによるソロ・プロジェクトOpiateのデビューアルバム『objects for an ideal home』が再発!名器Ensoniqのヴィンテージ・サンプラーASR-10だけを使って作られた、ヴィンテージ楽器特有の優雅な暖かみと膨らみのある低音と、丸みを帯びたテキスチャー。後にシーンへと広がっていく、リスニング志向なエレクトロニカサウンドの先駆けと言えるような作品です。1999年作品。 
 
 

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