インタビュー:DJ Drez & M. Williams
2007年5月10日 (木)
☆『Complete Moon Bay Sessions』発売記念インタビュー今後もジャズとヒップホップのコラボはますます盛んになるだろう、いやコラボと言
うより、もはやジャズの一部、ヒップホップの一部となっていくのではないだろう
か。そうした未来を占う意味で、本作は一つのマイルストーンとなるべきアルバムで
ある。 小川充(DMR) | ドレッズ&マーティーさん(ミックステープの魔術師+天才鍵盤馬鹿一代)の"魔可
不思議コンビ(?)"がマタマタやってくれた!その手のフリークの皆が待ち望んだ"
月港共演作"その完全盤がいよいよ公開されるのだ......。ヒップホップとジャズの
最大公約数的なフュージョンを狙うのではなく、"何故、自分はこの音楽にこれほど
までに惹かれるのか"という問いに素直に答えた等身大のセッションだからこそ耳に
頭に体に気持ちイイ。"好き者"だけに独占させとくにはあまりにも惜しい"珠玉のア
ルバム"。潮風を感じながら、聴き浸って下さい。 二木崇(D-ST.ENT.) |
○Jazzとヒップホップの融合(ジョイント)とは、お2人にとってどういうものが理想的であったりしますか?
D: 俺の中ではMiles Davisだろ、Ron Carter、Guru(Jazzmatazz)、Marty Williams、Lambert, Hendricks & Ross、Terrence Blanchard、John Coltrane、Alice Coltrane、Digable Planets、Nikko、Kurt Elling、Haiku De Tat、Gil Scott Heron、そして俺がやっている音楽だね。
M:僕の個人的な意見だけど、理想のコラボレーションはやっぱり......『Complete Moon Bay Sessions』だよ!!
○今回のアルバムを聴いて、Gangstarr「Jazz Thing」、またはその頃のヒップホップがアタマを過ぎったリスナーはたくさんいると思います。Drezが最前線で体験してきたこの頃のシーンのヴァイヴスを一言(一言じゃなくてもよいです。。)でいうと?
D: ヒップホップ/ジャズ、アシッド・ジャズなんかは、90年代前半から半ば辺りは、めちゃくちゃ流行ってたな。たくさんの実験がされて、素晴らしいモノもあれば、そうでないモノもあったし。ヒップホップの奴等はジャズを取り入れたし、ジャズ・ミュージシャン達もヒップホップをやろうとしていたしね。でもその中で、それをモノに出来たのは極少数だったんじゃないかな。他はみんな本質を見失っていたと思うよ。俺はその頃に本気でジャズを吸収していたんだ。まるで、スポンジみたいだったよ。
○好きな(コラボしてみたい)ジャズ・ピアニスト・レジェンド(ピアニストでなくてもOK)を何人か挙げてください。
D:もし出来るなら、俺はHerbie HancockとRamsey LewisとAhmad Jamalだね。
M:たくさんいるけど、Quincy Jonesと是非やってみたいね。あとは、ピアニスト以上に、グラミー賞にもノミネートされたヴァイオリン奏者、Jeremy Cohenとコラボレーションしたいな。俺は弦楽器と一緒に演奏するのが大好きなんだ。
○1st、2ndアルバム、またはミックステープを聴いてもDrezのただならぬレゲエ愛というのが随所に伝わってきますが、(間違っていたらごめんなさい、)もしかしたら音楽への入り口ってレゲエだったりしますか?
D: レゲエは大好きだよ。でもヒップホップが入り口だったな。ヒップホップがレゲエから受けた影響はとても大きくて、俺はヒップホップにのめり込むと同時に、そのルーツでもあるレゲエにものめり込んでいったんだ。だからじゃないかな
○クラブでDJする時バッグに入っているレコードと、家などでプライベートに聴くレコード。それぞれ最近のお気に入りを教えてください。
D: こういう質問をされると、なんて答えればいいかよくわからなくなるんだ。俺の場合、ありすぎてとても選ぶ事なんか出来ないよ。とにかく俺は、山ほどのワールド・ミュージック、ジャズ、ソウルを聴きまくっているよ。
M:最近のお気に入りは、Hank Jonesの『Torch』やRamsey Lewisの『Ivory Pyramid』、Hampton Hawesの『Seance』、Junior Manceの『Sweet and Lovely』、Quincy Jonesの『Back on The Block』辺りだね。どれも素晴らしい作品だよ。
左から:Hank Jones『Torch』、Hampton Hawes『Seance』、Junior Mance『Sweet and Lovely』、Quincy Jones『Back on The Block』
○現在西海岸ローカルで、Drezが注目している最も勢いのある(メジャー・ディールをまだ結んでいない)グループ、MC、シンガーをこっそり教えて頂けませんか?
D: 今回のアルバムにも参加してるZaire Blackだね。あいつはヤバいぜ。今度日本に行く時は、ヤツも一緒に連れていこうと思ってるんだ。
○今後のお2人の予定を教えてください。
D:『Jahta Beat Vol.2』だろ、それにZaire Blackと一緒に『9.9』というアルバムを創っているとこなんだ。それに、MartyとNikkoと一緒に『Moon Bay Sessions vol.2』も創ろうって話をしてるんだ。今年の7月にはアジア・ツアーがあって、中国、台湾、タイ、日本に行く予定さ。遊びに来てくれよ。One Love!
M:僕は相変わらず、サンフランシスコ、ベイエリアの色んなクラブでプレイしてるよ。ツアーなんかはまだ決まってないけどね。それに今は、シンガー・ソングライターのDeb Silvaというアーティストのプロデュースもしているところさ。あとは夏の終わり頃から、またスタジオに戻って、俺のカルテットで新しいジャズのアルバムをレコーディングし始める予定だよ。
協力:Miclife
www.miclife.com/
*DJ Drez作品
左から:『Rare Sol 1』(05)、『Capture Of Sound』(03)
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