『ボラット』が大爆発！聴き逃し厳禁

2007年4月3日 (火)

最先端のＤＪ達もビビらせる！
これがバルカン・ビーツの頂点だ！

オクラ入りのピンチから急転、5月に日本公開が決定！物議を醸した映画『ボラット-栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』でも注目を浴びるルーマニアの高速バルカン・ジプシーブラスの人気バンド、Fanfare Ciocarliaの2007年作の5枚目の新譜Queens & Kingsが登場。これがスゴイ傑作です。

マケドニアの女性シンガーEsma Redzepova、ハンガリーのジブシー・バンドAndo DromのヴォーカルMitsou、ボスニアのLjiljana Butler、Taraf De HaidouksのNicolae Neacsuの孫娘Florentina Sandu、南セリビアのSaban Bajramovic、ルーマニアのゴッドファーザーDan Armeanca、フランス・ジタンのKaloomeなどバルカン・ジブシー・シーンの豪華ゲストを迎え、アルバムタイトルからも察するように、”俺たちが本物のジブシー・キング、ジブシー・クイーンだ！”と言わんばかり内容。

ファンファーレ＆バルカン・ジブシー・オール・スターズともいうべき、ジブシー音楽史に残る名饗宴！リリースは4月8日、こんな強烈なグルーヴ、他にナシ！是非聴いてみてください。

話題の映画　5月日本公開！
『ボラット栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』

全米興行収入1億2千万ドル突破！アカデミー賞脚色賞ノミネート、ゴールデングローブ賞最優秀主演男優賞受賞作！全米で後悔されるや否や告訴の応酬！

ということで話題の映画『ボラット-栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』が5月に日本公開決定、ということで話題を呼んでいる本作。

イギリスの人気コメディアン“サシャ・バロン・コーエン”がカザフスタンのジャーナリスト、ボラットに扮し、米国内で滅茶苦茶な取材を繰り返すコメディ作品なのですが、スコアにもご注目。

Fanfare Ciocarliaファンファーレ・チォカリーアがなんと’Born To Be Wild＝ワイルドで行こう’のカヴァーを披露！超高速で強烈にドンチャンドンチャンとカヴァーしてくれております。原型をとどめずしてロックの精神をドカンッとぶっどく貫く、こんなカヴァーは聴いたコトがない！

このカヴァー、上記でご紹介した彼らの新作Queens & Kingsにも勿論収録、そして劇中をコミカルに、そしてパワフルに彩ったバルカン～ジプシーもののトラックを満載したサントラにも収録されております。このサントラも、アトム・ハート絡みのOmfoらが使われていたり、と、かなり質高し！

今年はバルカン～ジプシー・ブラス再熱か？！ファンファーレ・チォカリーア＆『ボラット』、ぜひともチェックを。

【プロフィール】

Costica Trifan（tp./vo.）
Radulescu Lazar （tp./vo.）
Paul Marian Bulgaru（tp.）
Oprica Ivancea（cralinet/A.sax）
Ioan Ivancea（cralinet）
Daniel Ivancia（A.sax）
Constantin Cantea（tuba）
Monel Trifan（tuba）
Constantin Calin（tenor horn/vo.
Laurentiu Ivancea（B.horon）
Costel Ursu（perc.）
Nicolae Ionita（perc.）
Aurelia Sandu（dance）

映画『白猫、黒猫』（1999）、『アンダーグラウンド』（1995年カンヌ映画祭グランプリ）で注目され、いまだにファンを増やし続けるジプシー・ブラス・サウンド。19世紀のはじめ、バルカンがトルコの支配下にある頃にバルカンを北上してきたオスマン・トルコの軍楽がこの音楽のルーツ。

トルコの軍楽は太鼓と大量の笛で構成されており、それがバルカンのジプシーたちによりトルコの笛からヨーロッパのブラスへと切り替えられ、音楽の意味も軍楽から冠婚葬祭という日常性の中へと変化していった。そこにバルカンの様々な民族の伝統音楽のメロディ、リズムがこのブラス・サウンドに混ざりあったのである。

ファンファーレ・チォカリーアはルーマニア東部、旧ソ連との国境近いモルドバ地方の小村ゼチェ・プラジーニ出身。一年のほとんどをツアーに費やし、ヨーロッパを中心に世界中を回っている。世界の伝統音楽からポピュラー音楽まで、彼らがラジオで聴き、好きになった音楽は何でも、自分たちのスタイルで演奏してしまう。

一度聴いた忘れられない強烈な個性と壮快感に満ちている彼らの音楽は、行く先々で熱狂的に歓迎されている。

2004年、彼らのドキュメンタリー映画「炎のジプシーブラス～地図にない村から」が公開され、2度目の来日公演を成功させ、2005年、最新作「ギリガラブディ」を携え、再来日。2007年は、映画『ボラット』の音楽として起用された’Born To Be Wild’のカヴァーが大ブレイク、世界的にセンセーショナルを巻き起こしている。

■地図にない村からの秘密兵器､もう日本でお馴染になってきたルーマニアのこの強烈なジプシー・ブラス・バンドはまた恐ろしくタイトなダンス・グルーヴを放ちます。ますます磨きがかかってファンキーです！　
　　　　　　　　　　　　　　　　－　ピーター･バラカン／ブロードキャスター

■彼らの音楽を聴いた時ふとなにかに似ているなと思った。よく考えてみるとそれは飲み屋の風景だった。毎晩飲みにいく飲み屋。そこには同じく毎晩来ている常連達。仕事も育ちも違う常連達。同じなのは日本人ということだけなのに話は途切れない。あるひとが話し出せば皆でその話に花を咲かす。たまには言い合いもする。そんな普通の会話を彼らは演奏でする。楽器と共に育ってきた者だけができる会話だ。僕たちはその会話をしたくて毎日演奏する。いつの日か彼らのように会話できる日を夢見て。
　　　　　　　　　　　　　　　　－　Ohyama "B.M.W" Wataru／PE'Z