HMVインタビュー: Ambrozia

2007年3月13日 (火)

☆『lifetime』発売記念インタビュー!



前作『real 4 life』から、僅か4ヶ月という期間で早くも新作の登場となったAmbrozia

前作は世界的なチルアウトコンピレーション『Real Ibiza』や『Cafe Ibiza』などにライセンスされた有名曲をまとめたものでしたが、今作『lifetime』はハウス/ダンスミュージックとしての側面が色濃い作品となりました。

その収録楽曲はというとJafrosaxをフィーチャーした、元EaglesGlenn Freyによる「You Belong To The City」(『マイアミ・バイス』で有名)等のカヴァー楽曲や、結婚式をテーマにした「You Say I Do, I Say I Love You」のようなスウィートなレゲエトラックなどがあり、作風のレンジを広げると同時に、新たな試みもふんだんに盛り込んだバラエティ豊かなラインナップとなっています。

そんな作品リリースのタイミングで、Ambroziaの頭脳、DJ 19さんにお話をお聞きすることが出来ました!

 


Interview with Ambrozia


既に色んな所で紹介されてはいますが、このインタビューをご覧になって下さっているHMVユーザーの方々に、改めてこのAmbroziaというユニットを紹介して頂けますか?

DJ 19: はい。DJ 19、Edison、Julianneという3人で、聴いて和めるサウンドを奏でています(笑)。もともとヨーロッパでは普通にチルアウトというスタイルが日常に浸透していて、それを日本の人にも知って欲しいってところからスタートしたのが2001年のことですね。クラブスタイルなんだけど、ホームリスニングに適していて、しかも音楽的であるところが面白いです。今風にAmbroziaの音を表現するとすれば、エレクトロニック・ハウス・ラウンジですかね。


Ambroziaの楽曲制作の流れや、メンバーそれぞれの具体的な役割はどのようになっているのでしょうか?

DJ 19: 今回はこれまでの制作の仕方とは少し違っていて、まずテーマやシーンを先に決め込んで、そこからそれに適したデモを作りました。そのあとJulianneの書いた歌詞を吟味して歌入れし、そのあと僕とEdisonさんで完成させるという感じですかね。前は出来上がったデモの雰囲気で「こういう歌詞にして」ってJulianneに投げていたんですが、今回は、土台となるコンセプト立てから全部決めてかかっているので、Ambroziaの骨格が軽鉄骨から鉄筋コンクリートになった感じです、例えが良く分かりませんが(笑)。




Ambrozia  『lifetime』
01.Shattered Dreams
02.Fork In The Road Of Your Life
03.Incognito
04.Definition Of Love
05.Where She Wants To Go
06.Baby Baby Baby
07.Nocturnal Journey
08.The Beauty And The Mystery
09.You Belong To The City
10.A Voice Sings
11.You Say I Do, I Say I Love You
12.Life Goes On
13.Baby Baby Baby (Electric Candy Remix) (Bonus Track)





前作『real 4 life』から、僅か4ヶ月というタームで早くも新作の登場ですね。これには驚きました。

DJ 19: そうですね。しかも全曲新録な上、このアルバムで初お披露目となります。過去2枚のアルバムは、いろんなコンピレーション用に先行して曲を作り、それがまとまってきたんでアルバムというノリだったんですが、今回はゼロからスタートでした。逆にその分、短期間で集中して制作できましたが。  


今作は、『real 4 life』と比較し、よりメロディーに重きを置いている感を覚えると同時に、音楽的なレンジの広がりを感じました。日本語で歌われる作品や、DJ 19、Edisonがヴォーカルを執る作品もお目見えですね。まさに、新たな試みがてんこ盛りの内容と言えるのではないでしょうか?

DJ 19: 基本的に同じことを繰り返すことが退屈な性格なんです、僕もEdisonさんも。しかも、普段3人が活動しているフィールドが全く異なるので、それぞれの良い部分をうまくAmbroziaにフィードバックしています。DJ 19名義のアナログやMix CDを普段聴いている人からすれば逆なベクトルに感じるだろうし、Edisonさんは秋川雅史さんの「千の風になって」を手掛けている人なので、そこから考えると全く別物だろうし、Julianneのソロアルバムを聴いた人にはアコースティックな要素がなくてビックリだろうし。でも、僕がこれまでにリリースしてきたチルアウトコンピーションを聴いてきた人には自然な流れだし、Edisonさんが初期のDJ Krushさんのコンポーザーだったことなどを知れば、Ambroziaのジャンルレスな感覚は理解してもらえると思います。 






関連作品 左から 1. Ambrozia 『Velvet & Velvet Mode Collection』(2005年) / 2. Ambrozia 『Real 4 Life』(2006年) / 3. DJ 19 『Resident 003: Phuture Funk』(2006年)  



リードトラックを挙げるとすれば何でしょうか?個人的にはリードトラックではないでしょうが、m-10「A Voice Sings」の展開の切り返し方が開放感に溢れていて好きですね。同時に、アルバムの全体像も教えて頂けますか?

DJ 19: 全曲といいたいところですが、個人的には「Where She Wants To Go」がとてもAmbroziaらしいと思っています。仕掛けが多い曲という意味では、今おっしゃった「A Voice Sings」と「You Say I Do, I Say I Love You」ですかね。アルバム的には、人生に於いて起こりうる事象の断片を切り取って表現しています。それで『lifetime』(人生)なんです。 


Ambroziaの作品は、都会的な洒脱さの中にリゾート的な爽快さが同居しているかの様な、何とも不思議な位置付けの無国籍サウンド、という印象が強いのですが、意識しているアーティストとかは居たりするのでしょうか?

DJ 19: 僕らの中にある雑多な嗜好性が無国籍さを感じさせると思うのですが、外国の人からは「すごく日本的な部分を感じる」って言われるんですよ、特別日本の和的な部分を打ち出しているわけではないのに。僕とEdisonさんはプロデューサー的な観点で制作することが多いので、そういう意味ではTrevor Hornの影響は大きいですね。


相変わらず、ヴォーカルのJulianneの歌声は魅力的ですね。艶かしさを持ちながらもカラッとしていて個性的。聴き心地がとてもいいですよね。

DJ 19: ネイチャー志向の人なので、すごくフォーキーでありワールドミュージック的なサウンドのヴォーカリストなんですよ、普段は。でも、海外のクラブ系ヒットトラックには、敢えてそういったタイプの声質の人を起用することって多いですからね。例えばSarah McLachlanTracey ThornElizabeth Fraserとか。


逆にJulianneが参加していない楽曲も見受けられますが、これらはまた一味違うクールな雰囲気を醸し出していますね。

DJ 19: Julianneはオーストラリア人なので日本語で歌えないという物理的な理由もあるんですが、特に今回やった「You Say I Do, I Say I Love You」は、結婚をテーマにした楽曲なので、意味合いをわかってもらうためにも日本語でやりたかったんですよ。


「日常生活に密着した好感度クラブ系ライフミュージック」という形容を掲げているAmbroziaですが、まさに言い当てていますね。聴いていて風景が浮かびやすいというか、日常生活の中に於ける様々な局面や感情を見事に切り取っている作品が粒を揃えているように思います。

DJ 19: “高感度”ではなく“好感度”ってところがミソですかね(笑)。もちろん音楽は常に高感度を心がけていますが。でも、風景が浮かびやすいっていうのは嬉しいお言葉ですね。前作ではその風景が世界各地のリゾート地だったりしたんですが、今回はもっと日常的な感じで、聴く人によってそれぞれ違った風景を思い浮かべてもらえると嬉しいです。


前作のタイトルが『real 4 life』で、今作が『lifetime』。「life」という単語には、やはりこだわりがあるのでしょうか?

DJ 19: クラブというと非日常という観念がありますが、日常の延長で聴けるサウンドもあるわけです。Ambroziaは、聴く時間や場所を選ばないサウンドを標榜しているので、そこでライフミュージックという言い方をして、「life」に焦点を当てているんです。


今後の予定等々、Ambroziaに限らず、自由にお聞かせ頂けますか?

DJ 19: Ambroziaのあとは、19BOXの『Party 4 The Weekend』というコンピレーションシリーズがスタートし、4/25にリリースされます。こちらはハウスにスポットを当てていて、新曲も多数収録しています。またこのAmbroziaの『lifetime』と同時発売のJafrosaxの『Jafrosax4』で1曲プロデュースを手掛けています。そのほかにもいろいろ進行中のものもありますが、それは改めて。




Jafrosax  『Jafrosax: 4』
01.Speak your Tongue
02.Grow
03.Shooting Star
04.Peaceful Glance
05.Long Night
06.Mbsaxophone
07.Breathe
08.LN
09.Sunny Day
10.Fantasia
11.Limit Of The Sky
12.This Is...





最後に、日常生活を活性化してくれるAmbroziaリスナーの方々に向けてメッセージをお願いします。

DJ 19: クラブとかチルアウトとかラウンジとかハウスとか、ジャンルを抜きにして一回聴いてみて下さい。洋服を着替えるように、いろんな音楽に接してもらって、その中に常にお気に入りとしてAmbroziaがいてくれたら嬉しいです。


お忙しい中、どうもありがとうございました。

DJ 19: こちらこそ有り難うございました。


協力: Konami






関連作品 左から 1. DJ 19 『Addictive Asia Gate 3』(2005年) / 2. DJ 19 『Addictive Asia Gate 2』(2004年) / 3. DJ 19 『Addictive Asia』(2004年) / 4. DJ 19 『Aosis Resort』(2006年)  




関連作品 左から 1. DJ 19 『Ageha Vol.02 Mixed By Dj 19 - Park Edition 』(2003年) / 2. DJ 19 『Essence Phase Three - Fusion Of Beauty & Dirty』(2004年) / 3. DJ 19 『Essence Phase 2 Twisted & Sexy Grooves』(2004年) / 4. DJ 19 『Dj 19 Plays Jmo Perspective Service』(2000年)  




関連作品 左から 1. DJ 19 『Chill Out Essence』(2000年) / 2. DJ 19 『Trance Essence Edge 3』(2000年) / 3. DJ 19 『Trance Essence Edge 2』(2000年) / 4. DJ 19 『Warp Essence Edge #3』(1999年)  




関連作品 左から 1. DJ 19 『Trance Essence』(1999年) / 2. DJ 19 『Warp Essence Edge #2』(1999年) / 3. DJ 19 『Trance Essence Edge 2』(2000年) / 4. Trancentral Station 『『Tears3』(2001年)  


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