Pop Group『Y』Rhino発リマスター!
2007年4月16日 (月)

パンクとレゲエとフリージャズが衝突した歴史的名盤!Pop Groupが1979年に発表した『Y』のリマスター盤がRhinoから発売決定!
96年のリマスター/初CD化から早10年、今回のリマスタリングによってどのような変化がもたらされているか楽しみですね!
ボーナス・トラックとしてシングル“She is Beyond Good and Evil”のB面に収められていた“3:38”を収録!
Pop Group『Y』
Pop Group『Y』
1970年後半に起こったポスト・パンク・ムーヴメントの中でも最も重要とされ、Massive Attackをはじめとする90年代のブリストル・シーンへの先駆者とも言われる伝説のバンドPop Groupの1979年に発表された『Y』(最後の警告)。
Pop Groupは、1976年ごろのイギリス、ブリストルで当時高校生だったMark Stewart(Vo)、Gareth Sager(G)、Bruce Smith(Dr)のほとんど楽器など手にしたことのない3人を中心に結成された。そこにJohn Waddington(G)、Simon Underwood(B)が加わり77年に5人組のPop Groupが誕生した。その翌年の78年にはStranglersのライヴでサポートを務めたというが、演奏経験、ましてやライヴ経験などほとんど行ったことがなかった彼らの演奏は未知数のエネルギーに満ち溢れ、いわゆるパンク・ロックのスタイルからも遥か遠く逸脱したものだったという。
このステージ・パフォーマンスを見た当時のStranglersのマネージャー、Dick O'Dellが彼らに興味を持ち、マネージャーを買って出たことからPop Groupはブリストルからロンドンへ進出し、活動の幅を広げていった。
ロンドンへの進出後にElvis Costelloのオープニング・アクトを務めたことがきっかけとなり結成からわずか2年、1979年に「スティッフ・レコード」の創始者であるジェイク・リヴィエラが「ワーナー」と組み立ち上げた「レーダー・レコード」からデビューすることとなった。
まずはシングル“She Is Beyond Good And Evil”をリリース(この曲は90年代に入りリマスターされたアルバムに追加収録された)。続けてファースト・アルバム『Y』(最後の警告)を発表した。
『Y』(最後の警告)はとにかく聴く人に鮮烈な印象を残すアルバムだ。
レゲエ・バンドのMatumbiのDennis Bovellがプロデュースを担当し、ダブ、レゲエ、アフリカン・ミュージックというブリストルという土地柄(この土地にはジャマイカなどからの移民が多く、古くからこの手の音楽が根付いている)を反映した音をベースに、パンクやフリー・ジャズ、現代音楽などが絡み合い、過剰なほどのエコーやダブの処理が混ざり合い混沌としたサウンド。そしてヴォーカルのMark Stewartの政治性の強いメッセージを盛り込んだ詞や異様なまでのテンションの高さで過激にシャウトするヴォーカルが怒りに満ちている。こんなアルバムはこれまでに存在しなかったし、これをやってのけたのが二十歳にも満たない若者だったのだから、いやはや恐るべき才能である。
このアルバムリリース後、セカンド・アルバム『For How Much Longer Do We Tolerate Mass Murder?』をリリースした時点で、Simon Underwoodが脱退(後にPigbagを結成)、80年代後半にバンドは解散を遂げる。複雑な権利問題などが絡んだこのアルバム『『Y』(最後の警告)はなかなかCD化されず、テクノやブリストルサウンドに影響を受けた若いリスナーの間で再評価された90年代初頭の一時期に入手困難で、ブートCDなどが高値で出回っていたこともあった。
しかし、1996年にMark Stewartの手によりリマスターが施されめでたく初CD化となった。
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