100人の偉大なアーティスト - No.77

2003年4月6日 (日)

70歳を迎え今尚現役で活躍する天才盲目ミュージシャン、レイ・チャールズサザン・オールスターズの「いとしのエリー」を英語カヴァーした事で若い音楽ファンにも彼の名は広く浸透している。

1930年9月23日、ジョージア州アルバニーで生まれたレイは、地元のピアニスト、ワイリー・ピットマンの元、3歳の頃からピアノを弾き始める。しかし、6歳の時に失明、フロリダの盲学校で音楽を学び、その大きく開いた耳と冒険心旺盛なスピリットでジャズ、スウィング、ゴスペル、ブルース、カントリー等あらゆる音楽を吸収していった。何と10代に入る前には地元の祭典でも演奏していたという。しかし、不幸は続き’45年、最愛の母がこの世を去り、これを期にレイはプロのミュージシャンを目指す事となる。

地元のコンボの一員として演奏していたレイは、ある日、ギタリストのゴサティ・マッギーと出会い、彼とトリオを結成、ライヴ・ハウスを中心とした活動の傍ら、念願のレコーディングもスタート。正式デビューは’49年、The Maxin Trio名義の"Confession Blues"で、この曲はR&Bシングル・チャートで最高2位といビッグ・ヒットとなり、一躍レイ・チャールズの名を世に知らしめる事となった。

同スウィング・タイム・レーベルから"Kissa Me Baby"のヒットを最後にアトランティック・レーベルに移籍したレイは、’54年、あの歴史的傑作"I've Got A Woman"を発表。R&B/ブルースに始めてゴスペルを取り入れたエポック・メイキングなこの曲はあのエルヴィスをも心揺るがし、これをきっかけにレイは世界的な地位を獲得するに至った。翌年、"I've Got〜"に続きR&BチャートNO.1となったブルース・ナンバー"A Fool For You"や、’56年のゴスペル・ナンバー"Hallelujah I Love Her So"等、クロスオーヴァーな活躍を続けるけるレイは、’59年、彼にとってもその代名詞的なナンバーとなる「What'd I Say」を発表。この曲で始めてポップ・チャートでもトップ10入りを果し、本曲もエルヴィスを始め、ジェリー・リー・ルイスロイ・オービソンボビー・ダーリン等、数多くのアーティスト達がこぞってカヴァーするスタンダード・ナンバーとして確固たる人気を誇った。同年発表のアルバム「The Genius Of Ray Charles」でグラミーを受賞したレイは、翌年、あの不朽の名曲"Georgia On My Mind"を発表、ポップ・チャートで遂にNo.1を獲得。物思いに耽るようなバイオリンの音色がレイの蜂蜜のように甘く滑らかな声を包み、荘厳な雰囲気のコーラスに導かれる感動的なこのナンバーは、日本でも最も人気の高い楽曲である。

そして’61年、今にも爆発しそうなハモンドB3オルガンに身を任せたレイの演奏が印象深いインスト・ナンバー"One Mint Julep"を発表。続けざまに"Hit The Road Jack"、"Unchain My Heart"とヒットを連発。翌年も"I Can't Stop Loving You"、"You Are My Sunshine"とまさにこの時代を代表するトップ・スターとして君臨。その後もジャズ、カントリーといったフィールドでも幅広い活躍を続けるレイは’66年、 アシュフォード&シンプソン とのコラボレイトによるブルージーなナンバー「Let's Go Get Stone」(オルガンにビリー・プレストンを起用)で4年振りにR&Bチャートを制覇。70年代こそ、これといったヒットには恵まれなかったが、’89年にクィンシー・ジョーンズのアルバム「Back On The Block」に参加、チャカ・カーンとのデュエット「I'll Be Good To You」でR&BチャートNo.1を獲得、見事な復活を遂げた。

90年代にはサザンのあの名曲「いとしのエリー」を英語カヴァーし、日本の若いファンにも大きくその存在をアピールした。アメリカで行なわれた70歳の誕生パーティには多くの有名ミュージシャンが祝いに駆けつけ、その偉大な功績を称えたという。

2002年、70を超える歳とは思えぬバイタリティで、精力的に新作「Thanks For Bringing Love」をリリース。また、日本でも某カップ麺のCMソングにレイの曲が使われたりするなどし注目されている。まるで何十年も熟成されたブランデーのように、音楽の歴史を刻んできたレイだからこそ出せる重厚な味わいと深みのある歌。現役バリバリの彼が、後続のアーティストたちに与える影響はまだまだ大きい。
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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