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100人の偉大なアーティスト - No. 78

2003年4月5日 (土)

ディープ・パープルの代表曲スモーク・オン・ザ・ウォーターのリフ。ハイウェイ・スターにおけるクラシカルな旋律を用いたソロ。教則本の類には必ず掲載されているこの2曲ほど、たくさんのギタリストにコピーされて、挑戦されたフレーズはない。そしてまた、ギターを弾くことの魅力を、こんな形で伝えてくれるギタリストはリッチー意外にいないのではないだろうか。リッチーの書く曲には、どこか親しみやい雰囲気がある。一方で、パープル稀代の名盤、ライブ・イン・ジャパンでの怒涛の演奏に見られるような”狂気のギタリスト”としての側面・・・いまだ衰えない絶大な人気の底には、テクニック面の素晴らしさだけでなく、リッチーサウンドにある良い意味でのとっつきやすい感覚、その一方で孤高のミュージシャン然とした佇まい、その両方がもたらすギャップにあるような気がします。

リッチー・ブラックモアは1945年4月14日、イギリス生まれ。11歳でギターを手にし、その後すぐに一年間ほどみっちりとクラシックギターのレッスンを受けている。(これが後の即興演奏において非常に生きることになる。)やがてギターに夢中になっていく中、18歳の時にドイツに渡り、プロとしてやっていくことを決意。ミュージシャンとしてドイツ、イギリスを行き来しながら、様々なバンド、セッションに参加して経験をつんだリッチーは、その頃知り合ったKeyジョン・ロードと共にラウンドアバウトを結成。Drにイアン・ペイス、Voにロッド・エヴァンスを加えたバンドは改名してディープ・パープルと名乗り、ここに第一期が誕生した。

ディープ・パープルは68年にデビュー、第一期としてShade Of Deep Purple詩人タリエシンの世界(The Book Of Taliesyn)Deep Purpleの3枚のアルバムを残している。この頃はまだ後のハードロック路線は垣間見られず、アートロックのような味わい深い作品。リッチーのギターよりも、どちらかと言えばジョン・ロードのオルガンがバンドに色をつけている。ただ、リッチーがここで使用しているのがギブソンのES-355で、ストラト一本でグイグイ引き倒す70年のサウンドと聞き比べるのも興味深い。

この後、バンドはより一層ハードな音作りに向かうことを選択し大幅なメンバーチェンジを敢行。Voロッド、Baニックを解雇し、Voイアン・ギラン、Baロジャー・グローヴァーを迎え入れ、ここに黄金の第二期ラインナップが誕生した。そして後のハード・ロック路線、In Rockの雛型ともなる楽曲の数々をスタジオにこもって練り上げていく日々が続いていく。しかしここでマネージメントが持ってきたのが、ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラとの共演という仕事。結局、ジョン・ロード作曲の「グループとオーケストラのための協奏曲」が両者の競演という形で実現し、(Deep Purple And Royal Philharmonic Orchestra)これはこれで画期的なものになったが、”オーケストラと共演するバンド”というイメージが付いてしまい、バンドとしては一歩後退といった活動になる。特にリッチーの苛立ちは相当なものだったようで、「次作が失敗に終わったら俺は一生オーケストラと一緒に演奏するミュージシャンになってしまうだろう」という発言を残してもいる。

そんな状況の中、発表されたのがパープル渾身の一枚In Rock。先行シングルBlack Nightは全英チャートNo.1、アルバムIn Rockは連続26週間top10入りという快挙。リッチーはこの時、賭けに勝ったのだ。このアルバムからリッチーは、そのヘビィな音に魅了されてストラトを使用するようになる、そしてマーシャルのアンプ・・・ギターを前面に押し出したハードなサウンドは瞬く間に多くのファンの支持を得て、ここにハードロックバンド、ディープ・パープルが誕生した。続くアルバムFireballでは、遂に念願の全英No.1を獲得。バンドはまさに勢いに乗り、72年ロック史に残る名盤Machine Headをリリース。

Machine Headリッチーが確立したギタースタイルは実に独特だ。それまでのロックギターにあった即興的なソロ展開やコード進行の流れを意識しつつも、ここには練り上げられて構築された、俗に言う”様式美”が感じられる。モービル・ユニット・スタジオを使用してホテルで録音されたというサウンドも、洗練された印象を与える。余談だが初めて聴いた時、もうずいぶん昔のレコードなのに未来的な音だ、と感じたものである。ともあれバンドはこの一枚で世界的な成功を獲得、リッチーはロック界を代表するギタリストとなっていく。そして72年8月に伝説の来日公演、これをLive In Japanとしてリリース。ここでのリッチーを含めたメンバーの演奏は凄まじいものでパープル絶頂期の姿が鮮明に刻まれている。

73年、紫の肖像(Who Do We Think We Are)リリース。この頃からツアーによる疲弊、メンバー間のトラブルでバンドはもめるようになり、惜しくもVoイアン、Baロジャーが脱退。新たにVoデイヴィッド・カヴァーデイル、Baグレン・ヒューズを迎え入れ名作Burnをリリース。バンドとしては第二期の勢いをそのままに、最後の力で押し切ったという形。タイトル曲Burnでのリッチーのプレイはクラシカル・様式美のスタイルの到達点として最高の1曲。この第三期を知るのにうってつけなのが、映像作品1974 California Jam。テンションの高い演奏もさることながら、プロモーターともめた末に、リッチーが回っているカメラにストラトを投げつけて、マーシャルにガゾリンをかけて火を放つ、という凄絶な演奏(?)が収められている。だが74年Stormbringerの後、音楽的な不和からリッチーディープ・パープル脱退を表明、新たな活動の場を求めて、Ritchie Blackmore's Rainbowを結成。

リッチー主導の形でスタートを切ったこのバンド。75年に1st銀嶺の覇者(Ritchie Blackmores Rainbow)をリリースした後、バンド名をレインボウと変更。Drにコージー・パウエル、Voロニー・ジェイムス・ディオというラインナップを中心にしたバンドは、2ndアルバム虹を翔る覇者(Rainbow Rising)をリリース。リッチーはここで、ハードロックとクラシックの融合というスタイルを高い次元で達成し、またしてもハードロックの金字塔を打ち立てることに成功した。レインボウの特徴はなんといっても様式美の追求にあり、後期になるとややポップよりの作風に傾くことにあったものの、リッチーの資質を最大限に発揮したそのサウンドは多くのファンを獲得。レインボウはライブ盤On Stageバビロンの城門 (Long Live Rock'n'Roll) ダウン・トゥ・アース(Down To Earth)アイ・サレンダー(Difficult To Cure)闇からの一撃(Straight Between The Eyes)ストリート・オブ・ドリームス(Bent Out Of Shape)といった作品を残している。メンバーの移り変わりは激しく、Voジョー・リン・ターナー、Ba旧友ロジャー・グローヴァーなど数多くのミュージシャンが参加したグループだ。

83年にレインボウを活動停止させたリッチーは84年ディープ・パープル再結成に参加。往時のメンバーが揃ったことにファンは胸を膨らませた。そして、Perfect Strangersを発表。その後The House of Bule Light、ライブ盤Nobody's PerfectSlaves And Mastersと順調にリリースするも、93年の結成25周年作品The Battle Rages On...を最後にリッチーディープ・パープルを再び脱退。そしてレインボウを復活させてStranger In Us Allをリリース。こちらではやはりクラシカルスタイルのギタープレイが健在。

ディープ・パープルレインボウ、いずれもハードロックの代表として多くのファンを獲得した素晴らしいバンド。その中核にありながら、常に自分の思い描いたサウンドを追い求めた孤高のギタリストリッチー。そんな自らのスタンスに少し距離を取るかのように、近年では恋人であるキャンディス・ナイトとのプロジェクト、ブラックモアズ・ナイトでの活動を重視している様子。ストラトをアコースティック・ギターに持ち替え、ジプシーサウンド、伝統的な中世の音楽などを取り入れたその作品には、リッチーの趣味がまた一味違った形で聴くことが出来る。ブラックモアズ・ナイトはアルバムとして、Shadow Of The MoonUnder A Violet MoonFires At Midnightを発表している。昨年にはバラード・べスト吟遊詩人のバラード(Minstrels And Ballads)もリリースされ、ツアーでヨーロッパ各国を積極的に回るなどその活動は安定しているようだ。

ディープ・パープルの作品はとにかくライブ盤、各国のコンピレーション、リマスターもの、先頃話題となった25周年記念盤など数え切れないくらいの量がリリースされている。いまだに絶大な人気を誇る証拠である。そしてレインボウブラックモアズ・ナイト・・・リッチーが発表したこれらの音楽は、リッチー自身の悪戦苦闘の歴史のように映るときもあるが、やはりリッチーは常に前進し続けてきたのだと思う。そして、これだけの作品を聴くことが出来るファンは幸せなのかもしれない、などと感じてもしまうのです。

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