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100人の偉大なアーティスト - No. 100

2003年3月14日 (金)

独特の世界観でロック・パフォーマーという肩書きを持ちながら、劇的に方向性を変えたり、ジャンルの限界に挑戦した奇才Captain BeefheartFrank Zappaとは幼なじみで深いつながりを持つ彼が創りだす難解だがインパクトのあるサウンドはパンク以降のミュージシャン達に影響をあたえてきた。

Captain Beefheartこと本名Don Van Vlietは1941年カリフォルニアで生まれる。1954年に彫刻の勉強でヨーロッパ留学の申し出を受けたが家族に断られた。Don Van Vlietはこの頃モハーヴェ砂漠のランカスターに引越しのちにロック界きっての異才を放つ運命の男Frank Zappaと出会っている。幼少の頃から芸術的な才能を覗かせていてサックス、ピアノ、ハーモニカなどを自在に操っていたDon Van VlietはHowlin’WolfBo DiddleyなどのアーティストをFrank Zappaとともに聴きまくったという。特にブルースへの情熱は並々ならぬものがあったという。声域も信じられないほど広く、ハイスクール時代を一緒に過ごしたFrank Zappaとともにコラボレーションをした1958年頃から音楽活動を開始した。

その後Frank Zappaは活動の拠点をロサンゼルスに移しMothers Of Inventionを始めたためDon Van Vliteはモハーヴェに戻ることとなる。1964年に名前をCaptain Beefheartと変え自らのバンドMagic Bandを結成した。当初のメンバーはAlex St. Clair(g)、Dough moon(g)、Jerry Handley(b)、Paul Blakely(dr)。それぞれメジャー・デビューを果たすこととなるがFrank Zappaとの関係は続き、二人でセッションをしたりしていい関係を築いていった。

1967年、その後数々の伝説を残すこととなるデビュー・アルバムSafe As Milkをリリース。このアルバムには若干20歳の天才児、Ry Cooderを始めとした最高レベルのミュージシャンが参加している。更に、’70年代のアメリカ屈指の売れっ子プロデューサー、Richard Perryが最初にプロデュースした作品それこそがこのアルバムである。音楽は全体にブルース色が強く、催眠術にかかってしまうようなスライド・ギターにテンポやキーが頻繁に変わり、リズムもエキゾチックな雰囲気を漂わせる。が、しかし、やはり難しすぎたのかリリース当時の評価はあまり高くなく受け入れられなかった。

1969年、28曲をたった9時間で書き上げ周囲を驚かせたという最高傑作Trout Mask Replicaを発表する。プロデュースは盟友Frank Zappaだ。独特のソングライティング術で書かれたこのアルバムはとにかく不思議なアルバムだ。ギター、ベース、ドラム、ホーン・・・などすべてがばらばらに進行していき、アヴァンギャルド・アートの手つきでブルースや毒々しい感覚を鳴らしている。おそらくリハーサルを嫌う彼がレコーディングのその場の雰囲気、自分の世界で進めていったのだろう。一聴しただけでは何がなんだか分からない音楽だが、聴いていくうちにこの独特の世界観に浸っていくだろう。その圧倒的なインパクトを持つサウンドはパンク以降のミュージシャン達(例えばP.I.L.John Lydonなど)やTom Waitsなどに多大なるインスピレーションを与えた。この音は今でも古びていないし、もしかしたら未来永劫、人々に刺激を与え続けるのかもしれない。

Trout Mask Replicaの高い評価で勢いがつき1970年には似たような風変わりな作品「Lick My Decals Off,Baby」をリリース、’72年にはSpotlight Kid/Clear Kidとリリースが相次いだ。

1975年には旧友Zappa&Mothers連名作Bongo furyを発表する。この作品ではFrank Zappaに見出されたドラマー、テリー・ボジオの参加によりCaptain Beefheartがイニシアティヴを取った楽曲が躍動感溢れるものとなっているのが印象的な作品だ。強烈な個性を持つ二人だけにさまざまな確執があったと言われているがこの作品では二人の個性が渾然となって迫ってくるような、息も詰まるほどの緊張感を生み出している。

この競演がきっかけとなり絶好調となったCaptain Beefheartが’80年に発表したDoc At The Radar Stationは全体的な流れは変わらないものの、やや落ち着きがみられ丸くなったともいわれている。

’82年、Ice Cream For Crowを発表。この作品が現在のところ最後のオリジナル・アルバムとなっている。このアルバムでのCaptain Beefheartは以前に比べるとややパワーに欠けているとも思えるが、独特の感性はそのまま残っている。

ここ数年音沙汰を聞かなくなってしまったCaptain Beefheartだが、やはり音楽への意欲を失ってしまったようである。もともとアートなどの芸術への興味が大きかったのだからそれもしょうがないだろう。ただここ最近の音楽に影響を与えてきたCaptain Beefheartにはもう一度登場してもらい音楽とは頭で考えるものでなく個性を生かし自由にやるものだということを身をもって表現してもらいたい。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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