激ロック×HMV&BOOKS online vol.127

GENRE：LOUDROCK
現体制初のフル・アルバムに刻み込まれた“MAD JAMIEの真実”
通算2枚目、感情線あくびのソロ・プロジェクトになってからは初となるフル・アルバム。「NONFICTION」、「FXXK YOU VERY MUCH」といった現体制になってから発表し、すでにフロアを沸かせまくっている楽曲群や、「BUREIKŌ」、「FUCK FOREVER」など、空気感はそのままに、より熱さを増した前体制で発表したキラーチューンのリテイク版などが収められ、“渋谷区宇田川発IDOL PUNK ROCK”というコンセプト通り、ハードでキュートでパワフルでエモーショナルに仕上がった。また、あくびの内面をさらに掘り下げた言葉が綴られた「baby star」や「幸せになるほど僕は不安になっていく」といった、広いステージが自ずと目に浮かぶミディアム・ナンバーも閉じ込められていて、未来への期待も膨らむ1枚。
山口 哲生【ライター推薦】

GENRE：DEATHCORE, METALCORE
DEVILOOFのロック・スピリッツを追求した“弱者のための歌”
DEVILOOF、超覚醒。昨春にEP『DAMNED』でメジャー・デビューした彼らの第2弾EPは、反骨精神とロック・スピリッツを背景にして描き出された“弱者のための歌”たちとなる。かっこいい音楽を好きに表現するという範疇にとどまらず、滾る野心を隠すことなく音に託し、“弱者だけが歌える力の歌”をここに生み出した彼らは、今ロック・バンドとしての使命を新たに自覚し、これまでよりもさらに高次元の自我を手に入れたようにも感じる。音楽的にも初のアプローチを見せているところが多々あり、いい意味でのキャッチーさを獲得しているところも特徴的だが、それでいてDEVILOOFならではの攻撃性はもちろん随所に顕在。なぜその生き方を選んでいるのか、DEVILOOFは今それを明確に知ることで超覚醒したのだろう。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：HARD ROCK, HEAVY METAL
始動10周年を迎えるRisky Melody、ついにメジャー・デビュー！
令和の歌謡ロックがここに爆誕。メタル系ヘヴィ・チューンから、EDM要素を含むアゲ曲、劇的なバラードまで、これまでも楽曲ごとに多角的な音楽性を示してきたRisky Melodyが、今回メジャー・デビューのタイミングでトライしてみせたのはなんと、あえての平成レトロな歌謡ロック的スタイルだ。表題曲ではかの相川七瀬が歌詞を手掛けているだけでなく、ヴォーカルのディレクションや楽曲としての方向性決定についても深く関わってくれたとのこと。今どきの流行りに抗うかのごとく提示される、この我が道を行くスタンスは実に大胆不敵。リスメロが元来持っている力強いバンド・サウンドはカップリングの「アイのカタチ」（※TYPE-Bのみ）で発揮されているあたりも含めて、今作における高度な戦法はなんとも巧妙である。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：METALCORE, LOUDROCK
とどまることを知らない快進撃を続けるラウド・シーンの雄
豪華ゲスト陣を迎えた約3年ぶりのEPをドロップ！
海外での大型フェス出演やレジェンド・バンドとの対バンも数多くこなし、シーンの最前線に立つPaleduskの約3年ぶりのEP。バンド史上初の全編歌モノとなるリード曲Track.1に始まり、CVLTEのaviel kaei（Vo）を迎えてパワーアップさせたTrack.2や、昨年開催の“NEX_FEST”で披露されたMasato（coldrain／Vo）との共演も記憶に新しいTrack.4、現代のポップ・カルチャーとラウドロックを掛け合わせる彼らの音楽性を象徴するようなTrack.5といっためまぐるしい展開を、CrossfaithのKoie（Vo）を加え、さらに超絶エモーショナルにリアレンジしたTrack.7で締め上げる。常に進化し続けるハイブリッドなミクスチャーぶりが存分に凝縮され、これまでのファンはもちろん、入門編としても最適な1枚。
横山 開【ライター推薦】

GENRE：ALTERNATIVE ROCK, POST-HARDCORE
デジタル・ネイティヴ世代を牽引する近未来的サウンド
漫画“ガチアクタ”の作者である裏那 圭、晏童秀吉が手掛けるアートワークとロゴが目を引くCVLTEのメジャー1stアルバムは、これまで以上にコンセプチュアルな作品に。“バイオハザード”のスタート画面を彷彿とさせるTrack.1を皮切りに、ポスト・ハードコアやエモ・ラップ、ポップ・パンクを昇華したサウンドに近未来を感じさせるEDMが加わり、オートチューンを介したaviel kaei（Vo）の儚げな歌声がダークでエモーショナルな雰囲気を纏って次から次へと展開していく。既発曲のサンプリングを随所に散りばめるなどの遊び心もあり、彼らのやりたい音楽がまるで闇鍋のように詰め込まれた聴き手を飽きさせない圧巻の仕上がりになっている。デジタル・ネイティヴ世代のミュージック・シーンを牽引し、新時代のアイコンとなる1枚だ。
横山 開【ライター推薦】

GENRE：MELODIC DEATH METAL
国産メロデス最高峰、THOUSAND EYESの初ライヴ・アルバム！
国産メロディック・デス・メタル最高峰、THOUSAND EYESの初となるライヴ・アルバ ム。結成10周年を記念した主催イベントのテイクを中心として、ツアー“BETRAYER TOUR 2022”における各公演のテイクも収録、ベスト的な選曲も含めてまさに集大成とも言える作品となっている。突出した演奏能力に裏打ちされたライヴ・パフォーマンスに定評のある彼らだが、スタジオ音源以上にバンドの本質的な魅力を味わえる圧巻の内容は彼らがいかに優れたミュージシャン集団であるのか、ということの証左であろう。一糸乱れぬ驚愕のアンサンブル、ブルータリティ一辺倒ではない陰影に富んだDOUGEN（Vo）による慟哭の叫びが織りなす“暴虐と絶望の”メロデスにぜひ酔いしれてほしい。
井上 光一【ライター推薦】

GENRE：MELODIC DEATH METAL, EXTREME METAL, FOLK METAL
GYZEからRYUJINへ昇格、日本人初の名門 Napalm Recordsとの契約――
新章の幕開けというべき最新作！
GYZEが2023年2月に現在のRYUJINへとバンド名を昇格、日本人として初となる名門 Napalm Recordsとの契約を経て放たれる、新章の幕開けというべき最新作だ。本作はTRIVIUMのMatthew Kiichi Heafy（Vo/Gt）がプロデュースを務め、国産メロデスという枠内を飛び越えてパワー・メタルやフォーク・メタル、J-POPから純邦楽に至るまで多様な要素がRYUJINの名のもとに集結した、まさに日本発の“サムライ・メタル”として世界基準の音へと進化。日本人、北海道出身というアイデンティティを押し出した唯一無二の音楽性はさらに研ぎ澄まされたといっても過言ではない。北海道から世界へと羽ばたく龍の如き、バンドの飛躍を間違いなく後押しする1枚である。
井上 光一【ライター推薦】

GENRE：MELODIC HARDCORE
名古屋を拠点に活動する4ピース・バンド Bounce out innocence
一聴して伝わる即効性、何度も味わいたくなる奥行きを兼ね備えた1stフル・アルバム
名古屋を拠点に活動する4ピース・バンドの1stフル・アルバム。叙情系ハードコアを軸に、メタリックな攻撃的アンサンブルと繊細でエモーショナルなメロディ、スクリームからクリーン／スポークン・ワードまで駆使した日本語詞のヴォーカルでドラマを紡ぐ全8曲を収録。メロデス・ライクのシャープなリフに哀愁のメロディが交錯するTrack.2、暴虐のブラストビートから強靭なビートダウンまで振り幅を見せつけるTrack.3など、様々な感情の機微を具現化したサウンドを展開。1st EP収録曲を再録したTrack.6では盟友のNARUMI（Ayui／Vo）をフィーチャーし、よりスケールアップした激情サウンドを奏でている。一聴して伝わる即効性、何度も味わいたくなる奥行きを兼ね備えた作品だ。
菅谷 透【ライター推薦】