激ロック×HMV&BOOKS online vol.126

GENRE：LOUDROCK
涙も笑いも抱えて、全力でコロナ禍をサヴァイヴし突き抜けていった
最強で最幸の4thフル・アルバム
フロアと一体となって盛り上がるオメでたい頭でなによりのライヴが戻ってきたなかで完成した4作目。1曲目「鼓舞激励」からステージへと誘い、すでにライヴで仕上げてきた「着火繚乱ビンビンビン」で高まる熱をかき回す。作品を重ねながら貪欲に多ジャンルを飲み込んでサウンドの枠を広げてきたが、それをオメでた節としてユーモラスにテクニカルに、そして予測不能な曲の展開へと、蓄えた力を全開放したラウド・チューンが並んだ。喜怒哀楽もしっかりとその音に練り込まれた重みだ。“後悔しない生き様を”と「ADVANCE TiME」で高らかに歌い、やりたいことを全力で形にした5人の気概と、初期衝動的な無鉄砲さも掛け算され、辿り着いたのは地球の裏側のブラジル！？ という、アルバム全体の物語も楽しんでほしい。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
自分の半径1メートルを描き続けた軌跡がロックとなった
2024年は結成20周年となり、5年ぶりの47都道府県ツアーはじめ様々な企画を準備しているという打首獄門同好会。アニバーサリーを幕開ける本作は、今回のツアーの最高のSEになりそうなTrack.1で始まり、そして“生活密着型ラウドロック”という独自のスタイルを築いたがゆえに音楽シーンで孤高の存在となっている20年を歌うTrack.2、またTrack.3はこれから楽器やバンドを始めるキッズにぜひ聴いてもらいたい先輩からの愛と哀愁のアフォリズムが叫ばれる。自虐や諧謔でシビアな現実を乗りこなし、相当にテクニカルで難解な3人のアンサンブルであるのに、子供でも口ずさめるキャッチーさも両立する、その妙技が極まった作品だ。Track.7のハイパー・ミクスチャー・サウンドや、アルバムのラストがこの曲なのかというTrack.12のシュールさも必聴。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：HEAVY ROCK
四半世紀の時を超えて、洗練され磨き抜かれた名曲たちが三つ揃い
1999年1月20日に短冊形8cmシングルを3枚同時リリースし、すべてをオリコンのトップ10にランクインさせたうえでメジャー・デビューを果たしたDir en greyが、DIR EN GREYとして当時の表題曲を1枚にまとめたデビュー25周年記念シングルを発表。いわゆるオリジナル原理主義の方々からすれば、物思うところが多少なりあるのかもしれないが、四半世紀前のスキル、表現力、録音技術で創られたものと今現在のそれで創られたものでは、比べようがないほどに違いがあるのも事実。より繊細な響きと、奥深い情景描写がなされるようになった「ゆらめき」。ヘヴィ・メタルとしての強い存在感を獲得した「残」。稀代の“丘ソング”として、味わい深いマスターピースに変貌した「アクロの丘」。進化を重ねてきた道程の最先端で、これらが再録された事実は感慨深すぎる。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：HEAVY ROCK
MUCCの不朽の魅力を表す、結成25周年イヤーを締めくくる1枚
結成25周年を記念して開催された、過去作品を再現する全4本のツアー“Timeless”の名を冠した、周年イヤーを締めくくる1枚。各ツアーで掲げられたアルバムの空気感を今のMUCCが再表現した会場限定シングル6曲と、そのアルバムたちから厳選して再録された4曲では、彼らの歴史を辿りながら現在の彼らのサウンドも同時に体感でき、新作とベスト盤両方の要素を併せ持った仕上がりに。さらに22年ぶりの共演が実現したdeadmanとのスプリット・シングルより「死の産声」、そして愁（girugamesh／Ba）、団長（NoGoD／Vo）、海（vistlip／Gt）など、25年の活動の中でできた仲間たちがコーラスで参加した表題曲も収録。MUCCというバンドと、彼らが作り出す楽曲たちがまさに“Timeless（不朽）”であることを表している。
内堀 文佳【ライター推薦】

GENRE：METAL
活動休止からの復活公演にしてfami（Ba）迎えた新体制初ライヴ
“WE ARE THE RESURRECTION”2日目の模様が迫力のサウンドでパッケージ！
2023年3月に2日間にわたって行われた、活動休止からの復活公演にしてfami（Ba）を迎えた新体制最初のライヴ“WE ARE THE RESURRECTION”。すでにリリース済みの初日公演に続いて、2日目の模様を収めたライヴ作品が発売となった。2日目のライヴでは初日からセットリストを大幅に変更したうえ、初日には演奏されなかった曲が5曲披露されており、新体制とは思えないほどの息の合った熱演と、活動再開の時を待っていたファンの熱狂ぶりが迫力のサウンドでパッケージされている。ライヴ映像のほうでは会場全体の雰囲気からステージ上の些細なやりとりまで克明に捉えられていて、ファンならずとも必見だ。ストーリーの連なりを感じさせるアートワークも含めて、ぜひ2作並べておきたい。
菅谷 透【ライター推薦】