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在庫特価 レーグナーのブラームス交響曲全集

2016年5月24日 (火)

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ブラームス:交響曲全集+シェーンベルク:管弦楽作品集
ハインツ・レーグナー&ベルリン放送響、ライプツィヒ放送響
全てステレオ録音!


ハインツ・レーグナー(1929−2001)は読売日本交響楽団の常任指揮者も務めた我が国にも御馴染みの存在でした。実演では、即興的とも言える変化に富んだ音楽、楽曲によってスタイルを別人のように変化させる順応性とプロ意識で聴衆を魅了しました。
 合唱指揮者からキャリアをスタートさせた点はケーゲルと同じですが、ケーゲルが元来は剛直無骨な音楽作りを基礎としているのに対し、レーグナーは戦後ドイツ人の典型的な様式である作品に対して常にクールな視点を保ち、柔軟で軽めのサウンドで神経質なまでに頻々とした変化で駒を進めるタイプです。
 有りそうでなかったブラームス全集では、こんなに速くて大丈夫かと心配になるシューリヒト、クライバー並みの快速(特に第3,4番)で押切り、シェーンベルクの『浄夜』、『ペレアス』では不健康で退廃的な味わいが心を打ち、室内交響曲のセンシティヴな表現は、正に不安の時代を生きる名指揮者の面目躍如です。まとまった名演の少ないこれら作品の中でも出色の演奏といえる仕上がりです。

【レーグナー】
ライプツィヒ生まれのドイツの指揮者、ハインツ・レーグナー[1929〜2001]は、ベルリン放送交響楽団の首席指揮者(1973〜93)として多くのレコーディングをおこない、その個性的なアプローチが宇野功芳氏らに絶賛されて脚光を浴びていました。
 1984年から1989年には読売日響の常任指揮者を務め、その後は名誉指揮者となって数々の優れた演奏により話題を提供、日本でもお馴染みの名匠として広く親しまれました。
 レーグナーの芸風は個性的なもので、作品の造形的な要素よりは、音楽の表情豊かな移り変わりや音色の濃淡といった要素を重視しており、サラリとした進行と濃厚な味わいという両極端の要素が混然一体となったような演奏は実にユニーク。その独自の魅力は今聴いても新鮮で、ときにみせる局所的な巨大スケールや、楽想の変換と経過句での凝った処理、さらには美しい旋律的表現が多用されるなど、まさに予断を許さぬ展開がレーグナーの面白さでもあります。(HMV)

【収録情報】
● ブラームス:交響曲第1番
 ベルリン放送響
 1980年6月、スタジオ録音

● ブラームス:交響曲第2番
 ベルリン放送響
 1987年5月5日、カーディフ・ライヴ

● ブラームス:交響曲第3番
 ベルリン放送響
 1978年1月29日、ベルリン・ライヴ

● ブラームス:交響曲第4番
 ベルリン放送響
 1984年11月4日、ベルリン・ライヴ

● シェーンベルク:変奏曲
 ライプツィヒ放送響
 1989年4月4日、ライプツィヒ・ライヴ

● シェーンベルク:室内交響曲第1番
 ベルリン放送響
 1989年3月3日、ベルリン・ライヴ

● シェーンベルク:浄夜
 ベルリン放送響
 1991年11月10日、ベルリン・ライヴ

● シェーンベルク:五つの管弦楽曲
 ベルリン放送響
 1980年1月14日、ベルリン・ライヴ

● シェーンベルク:室内交響曲第2番
 ライプツィヒ放送響
 1984年5月29日、ライプツィヒ・ライヴ

● シェーンベルク:交響詩『ペレアスとメリザンド』
 ライプツィヒ放送響
 1981年2月10日、ライプツィヒ・ライヴ

連載 許光俊の言いたい放題 第42回
「秋の甘味、レーグナーのセットを聴く」

 この秋は聴ききれないほど、あれこれ新譜が発売されている。しかも、いちいち文章にしている暇がないほど、よいものが多いのである。まったく驚いている。各社がライヴの宝探しを熱心にやっているからか。
 さて、ハインツ・レーグナーのブラームス+シェーンベルク・セットが登場した。レーグナーの音楽は、いかにもドイツ風といった重々しさからは一線を画している。リズムはやや軽めでくっきり。ヴァイオリンが強く出るため、響きが明るめで繊細。微妙に音色が移りゆく。強弱の幅はそれほど広くなく、響きの変化で聴かせるのがモダン感覚。
 ブラームスの第3番は適度に歯切れよく、適度に湿り気があり、淀まずよく流れる。神経質でない程度に表情も細かく、一般的に喜ばれる演奏であろう。全体にヴァイオリンの艶っぽい歌が好ましい。第3楽章は粘らず、拍節感がくっきりとしているが、ちゃんと柔らかい匂いを放っていて、レーグナーらしい美しさだ。弱音も趣がある。
 こういう演奏を聴くと、音楽の美しさとは、単に巧い下手では言えないことがよくわかるはずだ。なるほど、このオーケストラはベルリン・フィルような名手揃いではない。が、はるかに繊細で、はるかに味わいがある。フィナーレは軽快で、鈍重な暑苦しさがない。軽快と軽薄が違うのはもちろんのことだ。音の見通しがよい、あえてたとえるならメンデルスゾーンのようなフィナーレである。
 当然第1番も、もたれない。スイスイ進む。これでもかとリズムを打ち込み、刻み込む演奏が多いが、和音をぐじゃーんとやらないでぱっと切るので、押しつけがましくない。これまた細部の音がよく聞こえる。この点ではフィナーレが特におもしろい。こんな風にそれぞれのパートが動いているのか!と、情報量の多さに驚くはずだ。
 第2楽章は、穏やかで、音色の変化がとてもきれいだ。これまた最近のベルリン・フィルなど、まるでシンセサイザーのように均一化された音を出して平然としているが、レーグナーは違う。和音によって音色が変わり、楽器の音域によって変わり、音の強さによって変わる。こうでなくちゃ。
 第4交響曲は他と違って、思う存分、粘っこいほどに歌う。こういうふうに曲によって大きくやり方を変えてくるのがレーグナーのおもしろいところだ。ロマンティックな豊かな歌、重なり合う弦楽器、これぞブラームス、これぞドイツ音楽、これぞクラシックと、満喫する人も多いだろう。
 シェーンベルクはの「浄夜」がまたいい。甘い、陶酔的な演奏で、ブラームスの交響曲のゆっくりした楽章みたいな雰囲気だ。妊娠問題が解決した後半は、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」も顔負けなほどにトロリとしている。のびのびとした開放感がある。当然、「ペレアス」もこの傾向が顕著。いかにも世紀末的な音響の渦に浸れる。シェーンベルクがリヒャルト・シュトラウスと同時代の、それもウィーンの人だとあらためて教えてくれる。
 レーグナーの達者な腕を再確認できるセットだ。と同時に、この人も録音と生で演奏態度が若干変わっていたのだとわかる。録音向けにはきっちりと楷書風、生では流れ重視ということだ。「ペレアス」やブラームスの第3番など、特にそれが長所になっている。

(きょみつとし 音楽評論家、慶応大学教授)

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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ブラームス:交響曲全集、シェーンベルク:管弦楽作品集 ハインツ・レーグナー&ベルリン放送交響楽団、ライプツィヒ放送交響楽団(4CD)

CD 輸入盤

ブラームス:交響曲全集、シェーンベルク:管弦楽作品集 ハインツ・レーグナー&ベルリン放送交響楽団、ライプツィヒ放送交響楽団(4CD)

ブラームス(1833-1897)

ユーザー評価 : 4.5点 (3件のレビュー) ★★★★★

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発売日:2005年02月26日
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