【特集】秋の読書にもぴったり！『オチビサン』

2015年9月29日 (火)

「見えているけど、見えなくなっている」を教えてくれる作品

最後に道路脇の花を立ち止まって眺めたのがいつだったか覚えていますか？　空を見上げて、じっと鳥の羽ばたきを見つめていたのがいつだったか覚えていますか？

子供の頃、世界は不思議にあふれていて、いろんなことを新鮮に感じていて、でも、それは大人になっていく過程で少しずつ見えなくなってしまいます。

でも、私たちは日常生活を送る中で、実は、無意識に色々なものを感じていて、オチビサンは、四季の移ろいの中で、見えているけど、見えなくなってしまっている世界の不思議を思い出させてくれる作品です。

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エルパカBOOKSにて『オチビサン』の1巻～7巻、『笑う手伝いはできても流したなみだを消すことはできないんだ』のいずれか一冊をお買い上げいただいた方に先着で「オチビサン　A5クリアファイル」をプレゼント！
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■ オチビサンに登場する住民たち

■ オチビサン4巻より

「オチビサン」は、型紙を使って着色する“ポショワール”という版画技法をアレンジして描かれています。絶妙な配色や、版の重なりによってできる味わいも、「オチビサン」の魅力のひとつです。

■ オチビサン5巻より

このオチビサンの連載を始めたきっかけを作者の安野モヨコさんは下記のように言っています。

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オチビサンの連載を開始した頃は、『モーニング』で「働きマン」を連載中でした。
主人公の松方弘子は仕事をバリバリこなすタイプで、「働きマン」の読者から「仕事のモチベーションにしています！」「こんなふうに働いていました」という内容の手紙もたくさんいただきました。
でも中には病気をして休職中で「昔を懐かしく思いながら読んでいる」という方がいて、その方は「でも、辛くて読み進められない時がある」とのことでした。私も同時連載を並行して何日も徹夜で描くようなことがありましたので、働き過ぎてクタクタに疲れてしまった時の「何か読みたいけど、手に取れない」という感覚は理解できました。

だから、弱りきっている時でも手にとれて、気持ちが変わるきっかけになって、ほんの少しでも回復できるように、と思って始めたのが「オチビサン」です。私が悩んで描いてしまうとその試行錯誤の後が表に出てしまうので、「オチビサン」を描く時は、悩まないことを心がけ、毎週の一枚絵をふわっと読んでもらって、その色彩を楽しく描いていきたいと思いました。
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どの巻からも読めて、ゆったりとした気分になれるオチビサン。この機会にぜひ手にとって見てください。

安野モヨコ MOYOCO ANNO

漫画家。『働きマン』『さくらん』『ハッピー・マニア』などの作品がある。
『シュガシュガルーン』で第29回講談社漫画賞を受賞。「FEEL YOUNG」で『鼻下長紳士回顧録』を連載中。

オチビサンは、2007年～2014年3月まで7年間朝日新聞で連載し、現在は「AERA」（朝日新聞出版社）で連載中。

安野モヨコ公式HP http://annomoyoco.com/