古楽器によるグルック：『オルフェオとエウリディーチェ』全曲

2015年8月6日 (木)

グルック：『オルフェオとエウリディーチェ』全曲＋ハイライト集（３ＣＤ）
ファジョーリ、ハルテリウス、エキルベイ＆インスラ・オーケストラ

オペラ改革の出発点となったグルックの『オルフェオとエウリディーチェ』は、前古典派オペラの傑作。この録音は1762年ウィーン初演版によるものです。
　主役のオルフェオには、３オクターブ半の音域を持つカウンターテナー、フランコ・ファジョーリを起用。強靭な声と細部まで神経の行き届いた歌い回しで、この役を演じきっています。ファジョーリが同曲のタイトル・ロールで録音するのはこれが初めて。
　人気合唱アンサンブル「アクサンチュス」の指揮者ロランス・エキルベイと、彼女が結成したピリオド楽器オーケストラ「インスラ・オーケストラ」により、パリのポワシー劇場でおこなわれた演奏会形式上演のライヴ録音です。
　セットは３枚構成で、ディスク１は、オルフェオのアリアを中心に綴られた抜粋盤。ディスク２と３は、本編全曲が収録されております。

【ロランス・エキルベイ】
フランスの女性指揮者、ロランス・エキルベイは、スウェーデンの合唱指揮者エリック・エリクソンと、フィンランドの指揮者ヨルマ・パヌラらに師事したのち、アルノルト・シェーンベルク合唱団とともにアーノンクールの薫陶を受けます。
　やがて彼女は、29歳のときに自らの合唱の理想を実現するため、アクサンチュス室内合唱団を創設し、数々の合唱コンクールで受賞、プロとしての活動をスタートします。以後、コンサートやレコーディングで大活躍する彼女らの演奏は大きな評判を呼ぶこととなります。
　そして2012年にはインスラ・オーケストラを設立。「insula（インスラ）」とは脳の一領域、島皮質（とうひしつ）を指し、感情や感覚的な体験に関連がある部分。古典派からロマン派までの作品を中心に、ピリオド楽器で演奏する団体です。（ＨＭＶ）

【収録情報】
● グルック：歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』全曲（1762年ウィーン初演版）

　フランコ・ファジョーリ（カウンターテナー：オルフェオ）
　マリン・ハルテリウス（ソプラノ：エウリディーチェ）
　エマヌエル・ド・ネグリ（ソプラノ：愛の神）
　アクサンチュス
　インスラ・オーケストラ
　ロランス・エキルベイ（指揮）

　録音時期：2015年4月5-7日
　録音場所：ポワシー劇場
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）