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2015年7月22日 (水)
---実は、高垣さんには、スフィアベスト盤の際にインタビューさせて頂いているのですが、豊崎さん、戸松さん、寿さんに続き、ソロでは待望の初インタビューとなります。よろしくお願いいたします。
高垣さん：ええ！そうでしたっけ？既に知った気でいました！（笑）。有難いです。よろしくお願いします！
---表題曲「Rebirth-day」は自らも雪音（ゆきね）クリス役を演じる第3期『戦姫絶唱シンフォギアＧＸ』（せんきぜっしょうシンフォギア ジーエックス）のエンディングテーマですね。
高垣さん：まず3期を発表したのが『シンフォギアＧ』最後のライブの時（※2013年12月14日（土）開催「シンフォギアライブ2013」）で、その時には、もちろん、次もエンディングを歌わせていただけるとは聞いていなかったんです。そろそろ3期が動き出すかなという頃に、「…お話来てますか？」みたいに恐る恐る（笑）。もしかしたら私じゃない可能性も全然あるので変わっちゃうのかなー、でも、できたら嬉しいんだけどなーって思っていたら、『シンフォギア』のプロデューサーさんが、もちろんオープニングは水樹奈々さんで、エンディングは高垣さんですよ！って言ってくださって。良かったぁって。実は正式にお話をいただくまでは、大丈夫かな…きっと新キャラも増えるだろうし…なんて不安でしたが今回も続けてお話をいただけて嬉しかったです。
Elements Gardenの藤田さんが曲を書いてくださって、歌詞はmavieさんのコンビがもう「Meteor Light」からの高垣彩陽×『シンフォギア』エンディングコンビという感じだったので、今回も、またシンフォギアらしい一曲になったと思います。
---『シンフォギア』という作品は、音楽、歌が大きな魅力の一つですしね。
高垣さん：オープニング、エンディング、劇中歌、キャラクターソングと全てが作品の一部なんですよね。音楽が根幹となっている作品だからこそですね。それはやはり『シンフォギア』の原作は上松範康さんと金子彰史さんなので、より音楽と作品のリンクが強いんだと思います。特殊なくらい深い関係ですね。
1作目の時からそうなんですけど、今回のＧＸも、金子さんの方から、これこれこういうテーマがあって最終的にはこういう展開になっていくから、エンディングの方はこういう歌詞がいいっていう、リリックイメージノートを頂いていたんです。私が歌詞を書くわけではありませんが、歌う時に、金子さんのメッセージをうけて、そういう心持ちで臨みました。もちろんmavieさんも金子さんのノートを元に歌詞を書いてくださっているので、そういった部分でも原作サイドと繋がりが強い1曲が生み出されるのがシンフォギアならではの連動だと思っています。今回頂いたテーマは“再生”ということだったので「Rebirth-day」となりました。
---今回も歌詞の中にアニメ本編に関するヒントみたいなものがありそうですね。
高垣さん：ホント、それも1作目からなんですけど、私自身もレコーディングの時は気付かなかったけれど…っていう。特に「Next Destination」の時に、あっここクリスのセリフとリンクしていたな、とか、ここは響と未来のことだな、とか。レコーディングの時もある程度の概要は分かった上で、収録しているんですが、アフレコを進めていく中で、このシーンもしかしてあの歌詞のところだ！とか、自分もアフレコをしながら歌詞にハッとさせられる部分があって。見終わってから歌詞を改めて見ると、これ結構ネタバレしてたなって（笑）。なので、「Rebirth-day」も、もしかしたら、後々、ストーリーの重要なヒントになるような歌詞の部分もあるかもしれません。
自分自身、クリスとして、アフレコの話数追っていくごとに、歌詞はもちろん、曲の理解が深まっていく面白さがあるなぁと思いました。
---まさに『シンフォギア』という、デジタルで疾走感溢れてエネルギーに満ちた楽曲ですが、歌唱のポイントなど意識していることはありますか。
高垣さん：とにかく自分はリズムが速い曲は苦手意識があって（笑）。最初の「Meteor Light」の時に、テンポが早くて、デジタルでカッコイイ、やったー！Elements Gardenさんだ！って（笑）。私にとって「Meteor Light」が本当に新たなチャレンジだったので、そこから成長してる部分があったらいいなとは思っているんですが、今回最初に曲のデモを聴いた時に、難しそう…っていう印象があって。リズムが刻んであって、疾走感ある中で歌詞を伝えていかなければならないので、そういう難しさというか。実際歌詞も出来上がってきて、じゃあ歌おうってときに、歌えるまで時間がかかりそう、とかちゃんとリズム取れるかな、とか色々不安だったんです。今回はDメロでラップっぽいのもあって。これどうなるんだろうって。実は、もっといっぱい練習してレコーディングを迎えたかったんですけど、スケジュールが立て込んでいたりして、自分の中で納得できるところまで充分に家で練習できなかったんです。それが凄い心配で、あぁどうしよう難しい曲だと思っていたのに、あんまり練習できないままレコーディングを迎えてちゃったーって、ナーバスな気持ちで当日を迎えたんです。
…そしたら、なぜか、物凄い調子が良くて（笑）。デビューの「君がいる場所」からお世話になっているディレクターさんも、今日どうした？凄いスムーズじゃない？って。いつも私、絶対悩んじゃうんですよ。「ちょっ…ちょっと…うーん」って。「高垣、5分休憩しようか」って流れ（笑）。それで時間がかかるっていうのがあるんですけど、今回、すっっごいスムーズだったんです！それが何故なんだろうって考えたんですけど、ディレクターさんと出した結論は、練習をし過ぎなかったのが良かったんじゃないかって（笑）。自分の中では準備不足だなって思ってきたんですけど、意外にレコーディング始まってみたら、ここ絶対私、こうやって歌おう、とか、ここ、こうしたいとか気負う部分がなかったからかスムーズでした。更に、OKテイクっていうのがレコーディング序盤のテイクだったんです。やっているうちに、こうしたいとかそういう欲が出てきちゃって、それが逆に小さくまとまっちゃったのかなぁって。終わった後に、あんまり考え過ぎないほうがいいんじゃないかっていうところに至りました（笑）。そういった部分でも「Rebirth」、新たな自分を発見出来ました。
---対照的に、カップリングの「If」はたっぷりと歌い上げるバラードですね。
高垣さん：バラードって難しいんだなぁ…と。どちらかというと「Rebirth-day」より苦戦しましたね。1曲目が疾走感あるので、2曲目は“THE バラード”っていう感じで表現しようとなったんです。何曲かバラード系の曲を聴かせていただいて、その中でバランスを考えて、選ばせていただきました。デモをいただいたときに仮の歌詞が入っていて、結構ラブソングみたいな歌詞でした。メロディアスなバラードなので、音だけ聴くと情感あって愛を歌うっていうバラード然していたのですが、敢えて、どっしりしたテーマの歌詞を持ってきたらどんな化学反応が起こるんだろうという興味がありました。
20代最後の高垣彩陽のシングルになると思うので、先だと思っていた未来とか将来が目の前にやってきて、明日何が起こるかわからないということも含めて色々なことを考えるようになりました。その時自分はどうしたらいいんだろう、とか、そういう不安を作詞のmavieさんにお話したら、じゃあ、例えば今日この世界が終わったら何をする？っていうところをテーマに構築していこうという話になりました。
「Rebirth-day」は壊れてしまうものがあって、でも生まれ変わって最終的に希望が見えてくるという歌詞の流れがあるのですが、「If」は白か黒か、○か×かみたいな正解を出すというよりは、ずっと悩んで終わるみたいな歌詞でもいいと思うんです、とお伝えしたら、結論に至らない、結論が出ないことに対して、「If」っていう言葉で問いかけるっていう1曲になりました。言葉の重さを音楽を包み込むような不思議な1曲になったと思います。
---こういった歌詞ですと、歌唱の面でも気持ちの込め方が難しそうですね。
高垣さん：あんまり情感入れすぎてもウェットで重くなるし、明るく歌ってももちろん違うので、どちらかというとニュートラルに大人っぽくがんばり過ぎず。バラードの言葉の伝え方って、ともすれば押し付けがましくなってしまいます。仰っていただいたように情感の込め方は誤魔化しが効かないというか、ゆったりな分、全部が出てしまうので難しかったです。
---「Rebirth-day」はこれでもかってくらい疾走感があるので、そのまま「If」を続けて聴くと、あぁ高垣さんの歌をじっくりゆっくり聴けるって思いました。
高垣さん：あはは！（笑）。ありがとうございます！いい意味で曲の振り幅があるってことで良かったです！
---おなじみのカバーシリーズはなんと「TRUE COLORS」となっています。シンディー・ローパーの楽曲でフィル・コリンズのカバーなども有名ですね。
高垣さん：そうですね！色んなカバーをされている方がたくさんいらっしゃいますし、私自身もこの曲が大好きです。実はずっとカバーをさせていただきたいって候補の中に入っていました。何年前か忘れてしまったんですけど、昔、次のカバーどうしようかって話になったときに、ディレクターさんにシンディー・ローパーさんの「TRUE COLORS」が歌いたいです。って言ったんです。そしたら、ディレクターさんにお前にシンディー・ローパーは早い！って言われまして（笑）。
---ええっ！（笑）。
高垣さん：でも、そっかーって。あれは難しいよって説得されて。じゃあ分かりましたって1回飲み込んだ過去がありました。多分、ディレクターさんは覚えていないと思うんですけど。今年、私、シンディー・ローパーさんの武道館ライブを観に行かせていただいて、改めていい歌だな、より歌いたいっていう気持ちが高まっていて、それで、今回カバーどうしようかって話になったときに、恐る恐る、また「TRUE COLORS」ってどうですかね？」って聴いたら、何年前かに「まだ早い」って言ったディレクターさんが「おう！いいね！」って（笑）。
---（笑）。それはディレクターさんもやはり忘れていたのでしょうね。
高垣さん：忘れていたと思うんですけど、何年か経って「高垣にはまだ早いよ」っていうところに引っかからなくなったという前向きな解釈をしています（笑）。
1月にシンディー・ローパーさんを観たときにレジェンドがここにいるみたいな、伝説を目の当たりにして、涙が止まらなくなって。私、海外アーティストのライブを観に行ったのが初めてだったんです。
---そうなんですね！意外です。
高垣さん：凄い感激しました。どういう年の重ね方したらこうなれるんだろうとか、若い頃から変わらず、でも深みがある歌を歌えるって。本当に本物の中の本物なんだなという感動がありました。今回カバーさせていただくのも恐縮なんですけど、改めて、なんていい曲なんだろう、なんでこんなに素敵な歌詞なんだろう。それをシンディー・ローパーさんのあの声で歌われたらそりゃ泣いちゃうよなって。
自分のバージョンでは、コーラスやハモリを積むのが好きなので、それを伝えたらアレンジャーさんがすごく素敵にアレンジしてくれました。間奏の部分も、ボイスパーカッションではないんですけど、色んな高さの自分の声を使ってのコーラスを作ってくださいました。コーラス譜が何声もあってコーラス録りも大変でしたが楽しかったです。オリジナルに近い部分もあるんですけど、ちょっとホーリーな感じのアレンジになりました。少し聖歌のような。優しく包むようなイメージが強くなったらいいなと思って歌わせていただきました。
---なるほど。改めてコーラスワークにも注目して聴いてみたいと思います！海外アーティストのライブが初とのことでしたが、高垣さんが初めて買ったCDって覚えていますか
高垣さん：初めて買ったCD…うーん私の中では諸説あって（笑）。初めて買ったというかどうしても欲しくて買ってもらったのが『ふしぎ遊戯』のキャラクターソング…柳宿（ぬりこ）と翼宿（たすき）のキャラクターソングです！
---高垣さんの『ふしぎ遊戯』好きはその頃からなんですね。
高垣さん：はい！それと、確かお父さんにすごいおねだりして買ってもらったのが、中島みゆきさんの『聖者の行進』の「糸」と「命の別名」が入ったシングルですね。
---貴重なお話ありがとうございます！それでは、最後にこのインタビューを御覧のファンの皆様に一言お願い致します。
高垣さん：7月29日に「Rebirth-day」をリリースさせていただきます。『戦姫絶唱シンフォギアＧＸ』のエンディングテーマにもなっています。聴いていただくと、アニメ本編をより楽しんでいただけるようなエンディングになっていると思います。収録されている、3曲が、悩んでいたり、モヤモヤしたりする誰かの心に寄り添える音楽になれば、幸いです。
---ありがとうございました！
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