作曲家ジェイムズ・ホーナーさん死去

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2015年6月25日 (木)

作曲家ジェイムズ・ホーナーさん死去

6月22日午前、カリフォルニア州サンタ・バーバラ近郊のロス・パドレス国立森林公園内河川敷で、映画音楽作曲家でクラシック作品も手がけていたジェイムズ・ホーナーさんが、自ら操縦する英国製自家用小型機「ショート・トゥカーノ」の墜落炎上事故により亡くなられました。61歳でした。心よりご冥福をお祈りいたします。

【プロフィール】
1953年8月14日、チェコ移民でハリウッドの舞台装置デザイナーの父とカナダ生まれの母の間にロサンジェルスに誕生。5歳でピアノを始めたホーナーは、ロンドンの王立音楽アカデミーと南カリフォルニア大学、UCLAの大学院で学び、その間、ハンブルクでジェルジ・リゲティの教えを受けたほか、アメリカでは、作曲家ポール・チハラに師事しています。チハラは現代作品のほか、映画とテレビの音楽も手がける人物でした。
　若きホーナーの才能を見出し、影響を与えた人物として有名なのが、かのロージャー・コーマンで、彼の『ジュラシック・ジョーズ』、『赤いドレスの女』、『モンスター・パニック』、『宇宙の7人』で作曲を手がけ、さらに、同じくコーマンのもとで働いていたジェイムズ・キャメロン監督とは、後年、『エイリアン2』、『タイタニック』、『アバター』で共に仕事をすることにもなります。
　ホーナーは、『タイタニック』でアカデミー賞を受賞したほか、数多くの作品で計10回にわたってアカデミー賞にノミネートされるほどの人気作曲家でした。
　その作風は、重厚で落ち着きのある音楽を土台に、民謡からジャズ・スタイルまで様々な様式の音楽を取り込んだもので、『タイタニック』ではその手法が高く評価されてもいました。
　また、最近では、クラシック作品も手がけるようになり、2015年5月にはデッカ・レーベルから『パ・ド・ドゥ』をリリース、

「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲を書くことが作曲家としての自分にとって重要な課題であると思ったのです。音楽を書くときに私は、映画のための音楽を書くようなライトな感覚を大切にしています。最も偉大なるブラームスの二重協奏曲を超す作品を書くのは難しいことですが、自分が考える現代の美しさをここで表現しています。サムエルセン兄妹のために作品を書けてとても嬉しかった」

と語るなど、その成果にも自信を示していただけに、突然の訃報は残念でなりません。（HMV）