ジェフ・スコット・ソート インタビュー!
2015年2月3日 (火)
近年はW.E.T.やソロ・アルバム等の作品を通じて、メロディアス・ハード系シンガーとして定着しているジェフ・スコット・ソートが自己のバンドSOTOを率いてアルバム『INSIDE THE VERTIGO』を発表した。この作品ではかつてないほどヘヴィなスタイルを打ち出しており、ジェフのシンガーとしてパワフルな側面が楽しめる内容になっているが、ガス・Gをはじめ、多彩なゲストが参加した作品としても注目を集めている。今回、何故バンド・スタイルでアルバムを制作することになったのか、ジェフに語ってもらった。
- --- 近年はソロ・アルバムを『DAMAGE CONTROL』(2012年)をリリースする以外に、W.E.T.やTRANS-SIBERIAN ORCHESTRAで活動されていましたが、『DAMAGE CONTROL』のツアーはいかがでしたか?
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ジェフ・スコット・ソート(以下 J) :ほとんどがヨーロッパと南米だけど、イングランドからブルガリアまで、長いツアーをやったよ。最後はギリシャ、ブルガリア、スペイン、イタリアでヨーロッパ・ツアーを締め括って、南米にも行ってたくさんショウをやった。ブラジルやアルゼンチンでね。残念ながらアメリカではレーベルがないから、アメリカでは全くプレイしなかった。だからこそ、SOTOというバンドとして新しいレーベルでやることになった今回は、これまで行けなかった他の地域でも俺の新たな面を見てもらえるんじゃないかと期待しているんだ。
- --- そもそも、どういう経緯でSOTOというバンド名義でアルバム『INSIDE THE VERTIGO』を作成するになったのですか?
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J :最初は次のソロ・アルバムを作るつもりで始めたんだ。『DAMAGE CONTROL』でもかなりへヴィになっていたけど、当時のレーベルは俺にもっとメロディックなロックをやってもらいたい、俺がこれまでやってきたような音楽をやってもらいたいと思っていたから、俺は成長出来ない状況に陥っていた。自分が望むように自分を表現することが出来なくなっていたんだ。そして、このアルバムを、俺がそれまでにも仕事をしていた様々なライターや外部のミュージシャン達と一緒に書き始めてみると、『DAMAGE CONTROL』より、さらにヘヴィになりつつあった。前のレーベルは、それを聴いて、「これは自分達の求めているものとは違う、このアルバムを出したいなら他のレーベルを見つけてくれ」と言ったよ。俺にとっても、これは新しいバンドであり、新しいサウンドと新しい方向性だったから、このアルバムを俺と一緒に出す新しいレーベルが必要になったんだ。
- --- 今作ではこれまでになかったようなロー・ヴォイスで歌った曲もありますが、歌唱という部分ではチャレンジングだった曲はありますか?
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J :かなりの曲がそうだったという答えになるよ。自分自身をこれまで踏み込んだことがなかった新しい領域に進ませようとしたからね。それに、曲作りの過程で、俺のドラマーのエドゥ・コミナートが大きな助けになってくれたんだ。彼は俺が過去にやったことを繰り返さないように指摘してくれた、古臭く聞こえないようにも気を付けてくれたんだ。あまりにも80年代や90年代っぽく聞こえないようにね。俺達2人でこのアルバムを共同プロデュースしたんだよ。彼は時々、「これは、あの時代のこのスタイルっぽく聞こえるよ」とか、「それはこの時代のサウンドっぽい」とか、そういう風に言ってくれたんだ。彼は新しい音楽をたくさん聴いているから、時代遅れのサウンドではなく、今のサウンド、今のマーケットに相応しく、かつ俺らしく聞こえるものになるように俺を誘導してくれたんだ。
- --- アルバムを通して、歌詞に関してはどういったことを主に歌っているのですか?
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J :テーマは幾つかあるんだけど、この8年間、俺は自分の人生でも特に辛い時期を過ごしていたんだ。2006年から最近までと言えるかな。勿論、JOURNEYをクビになったことから、SOUL CIRKUSが分裂してしまったこと、そして、俺のベスト・フレンドでTALISMANのマルセル・ヤコブが自殺してしまったことも含まれる。離婚して、文字どおり一文無しになって生活を建て直さなくてはいけなくもなった。さらに、俺が友人や仲間だと思っていた人々に落胆させられたりもした。とにかく様々なことが沢山起こって、俺は…失望してしまっていたんだ。勿論多くのことに対して怒ってもいたし、多くのことに…がっかりしていた。世界中で起こっていることに対してもだし、世界の政治に対してもね。だから、それがタイトルの『INSIDE THE VERTIGO』が反映していることでもあるんだけど……Vertigo(目眩/精神的な混乱状態)に陥る人達の多くは、恐らくドラッグのせいもあったりするかもしれないし、それはこの世界の現実から逃れようとしているからかもしれない……、俺としては、『INSIDE THE VERTIGO』というのは、全てのネガティヴなことから逃れてポジティヴな場所へ行くことだと捉えているんだ。
- --- ガス・G(オジー・オズボーン、FIREWIND)、マイク・オーランド(ADRENALIN MOB)、SAIGON KICKやSHAMANのメンバーなど、たくさんのゲスト・ミュージシャンが曲作りや演奏で参加していますね。その中でも注目がガスですが、彼をどう評価していますか?
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J :彼は凄いよ。彼は本当に驚異的だ。驚くほどの才能の持ち主だ。人間としても最高だし、ギター・プレイヤー/ミュージシャン/ソングライターとしての才能はとてつもなく凄い。彼は「Wrath」を作ってくれたけど、俺のアルバムにジェフ・スコット・ソートの伝統的な曲とは違うものを提供してくれたんだ。
- --- SHAMANのレオ・マンシーニとヒューゴ・マリアッティはいかがですか?
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J :レオはブラジルのTEMPESTTというバンドのメンバーでもあって、それが、俺のバンドのドラマーのエドゥとキーボード・プレイヤーのBJの、もう1つのバンドなんだよ。彼は「DAMAGE CONTROL」でも2曲を一緒に書いたし、このアルバムでも2曲書き、ソロも幾つか弾いてくれている。彼は凄く才能のあるライターであり、凄く才能のあるギター・プレイヤーだよ。俺は彼のスタイルも物凄く好きなんだ。このアルバムにも再び彼が関わってくれたことを、俺は本当に嬉しく思っている。ヒューゴとは最近もブラジルで一緒に仕事をしたんだよ。彼は、ドラマーのエドゥと一緒に“Trance”を提供してくれたけど、ほぼアルバムを完成させていた段階で「完成だと宣言する前に、聴いてもらいたい曲がある」と言われて、彼らからこの曲が送られてきた。その瞬間、これはどうしてもアルバムに入れなきゃいけないから、どれか1曲外さないといけないと思ったよ。(笑)
- --- エドゥやBJなど、基本的なレコーディング・メンバーはソロでのライヴ活動を行なう時とほぼ同じですが、彼らもこうしたヘヴィな音楽をプレイすることを楽しんでいましたか?
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J :ああ、物凄くね。それが彼らと一緒にやっている理由の1つだよ。これは俺にとってパーフェクトなバンドなんだ。このバンドのメンバーは全員が、俺と同じように、音楽の好みの幅がとても広いからね。全く同じ音楽の趣味の奴なんて1人もいないよ。そういう連中が集まって、グループとして、互いにそれぞれが聴いているものにインスパイアされるし、俺はそういったものを全部聴くんだ。だからユニットとして凄く上手く行くんだよ。彼らは俺が何をやろうと言ってもやれるからね。例えば、ディスコのフィーリングがあるものをやろうと言っても、ジャズをやろうと言っても、ブルーズをやろうと言っても大丈夫なんだ。俺はこの連中が大好きなんだよ。だからこそ、彼らにこれをSOTOというバンドとしてやる最初の機会を提供したんだ。彼らに単に俺のバックアップ・バンドではない、このバンドの一員になるチャンスをあげたかったんだよ。
- --- 今後、SOTO以外に何かプロジェクトを予定していますか?
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J :いや、100%SOTOに専念するつもりだ。スケジュールも空けてある。フェスティヴァル出演やサポートとしてのオファーが来た時のために、それを妨げるような予定は入れておきたくないんだ。それに、SOTOが活動に影響を与えてしまうような他のプロジェクトやバンドもやりたくない。そんなことをやっても、自分自身で競合するだけだ。このプロジェクトをやっていない間に、あっちのプロジェクトが上手くいくかもしれない、なんていう考え方はしたくない。SOTOは俺が1000%を注いでいるものだということを皆に知っておいてもらいたいんだ。SOTOと『INSIDE THE VERTIGO』が、今の俺の人生の中心だよ。これが本物だということを人々に理解してもらうために必要なことは何でもやるつもりさ。
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