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【連載コラム】Akira Kosemura 『細い糸に縋るように』 第52回 細い糸に縋るように Akira Kosemuraへ戻る

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2014年1月10日 (金)

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[小瀬村 晶 / AKIRA KOSEMURA]

1985年生まれ、東京出身の作曲家・音楽プロデューサー。
作曲家として国内外の音楽レーベルからコンスタントに作品を発表する一方、企業広告や、アパレルブランド、公共施設、舞台、映画、TV、ウェブコンテンツなど、特定の分野に限定されることなく様々なコラボレーションを行っている。
近年では、シンガーソングライター・やなぎなぎのアルバム「エウアル」への楽曲提供や、キミホ・ハルバート演出/振付によるコンテンポラリーバレエ公演「MANON」の劇伴音楽、東京スカイツリータウン(一部施設)の音楽や、ドキュメンタリー映画「はじまりの島」エンディングテーマ、「ANA LOUNGE」の音楽監修などを担当。
コンサート活動にも定評があり、これまでに「音霊 OTODAMA SEA STUDIO」、「中州ジャズフェスティバル」への出演や、自身のピアノ演奏による全国ツアー / 中国ツアーも成功させている。
また、作曲家のみならず、2007年にSCHOLE INC.を設立、プロデューサーとして音楽レーベル「schole」を運営、数多くの作品に携わっている。




あけましておめでとうございます。
新年初コラム、今年もよろしくおねがいします。

今年の年末は鹿児島県で過ごしました。
薩摩の湯と幸をたくさん味わってとても充実した年納めでした。

そしてもちろん、紅白も観ましたよ。
昨年は「あまちゃん」あっての生活だったので、紅白がどうなっているのか楽しみでした。
それにしても紅白を始めから終わりまで観るなんて、いったいいつぶりでしょうか。
中学生に上がった頃には、大晦日の夜は毎年友人と待ち合わせして初詣に行っていたのでおそらく小学生まで。
小学生の頃はそんなに遅くまで起きていられない身分だったので、たしか大晦日だけ許されていた気がします。そのせいで大晦日の夜はわくわくしていた憶えが。
そんなわけでとっても久しぶりに紅白を始めから終わりまでまじまじと観たわけですが、今年はやはり「あまちゃん」祭りでしたね。
これ、「あまちゃん」観てない人は??になるくらいの力の入れ込み具合だったと思うのですが、そこはNHK、おかまいなし。
紅白で同じ曲「潮騒のメモリー」を歌手と編曲を違えて続けて二回も演奏するなんてことはきっと後にも先にもそうそうあることではないと思われます。知らない人からしたら不思議極まりない演出だと思うのですが、僕は大満足でした。潮騒のメモリーズも天野春子も鈴鹿ひろ美も、どのバージョンも本当に良かった。
大晦日に歌う「暦の上ではディセンバー」も良かったし、なによりユイちゃんがようやく東京に出てきて「潮騒のメモリーズ」が紅白出場を果たすという「あまちゃん」を締めくくるような演出、凄かったなぁ。
録画していなかったのが無念でなりません。

という感じでこのコラムも「あまちゃん」観てなかった人には??な感じになっているのでこの辺にして。

年始はというと、案の定?風邪を引いてしまい、寝ていたらあっという間にお正月が終わっていました。
そんなわけでようやく体調が戻ってきたところですが、あまちゃん話からだいぶ趣き変わってクエンティン・サージャックのジャパンツアーがいよいよ来月開催になります。
今月の24日に発売になる彼の最新ピアノアルバム「Piano Memories」は、2012年の暮れ、初来日の際に東京で録音したアルバムです。
録音から丸々一年、東京とパリでのやり取りのなかでようやく完成したアルバム。
2011年の彼との出会いからツアー、そしてこうして東京で彼のセカンドアルバムを一緒に作り上げることができて、思い入れも一入、本当に素晴らしい体験でした。
今回の作品は、数あるピアノアルバムのなかでも一際、偉才を放つ作品に仕上がっていると僕は考えていて、こういった特別な力のある作品が出来上がる過程を間近で体験できたことは本当に幸運なことだったと思います。
彼が東京に来て感じた異文化の価値観や空気、それらがごく短い滞在のなかで彼の音楽と絶妙に合わさり、そして録音という形に凝縮できたからこそ生まれた作品です。
ぜひこの素晴らしい作品に出会い、そして目撃者になって欲しい、そう切に願っています。

あまちゃんとはまた違った種類の感動をお約束します・・・

というわけで、2014年。僕のなかではすでに走り始めた年ですが、今年はどんな面白いこと、楽しいこと、心を動かしてくれるものに出会えるのか、期待して、また届けていけるように、僕も頑張っていきたいと思います。



【Akira Kosemura 虹の彼方・ボーカリストオーディション&リミックスコンテスト】
1月31日 - 必着締切
  http://www.scholecultures.net/special/sch032

【Quentin Sirjacq Japan Tour & SCHOLE SHOWCASE 2014】
2月21日 – 2月28日
  http://schole.shop-pro.jp/?mode=f2

  http://www.akirakosemura.com/
  http://www.scholecultures.net/





Akira Kosemura 今月のオススメ

Quentin Sirjacq 『Piano Memories』  [2014年01月24日 発売]

フランス人作曲家・ピアニスト、Quentin Sirjacq 傑作ピアノアルバム。
2012 年に来日した際に、東京でレコーディングされた彼のセカンドアルバムが SCHOLE よりリリース。デビュー作「La Chambre Claire」を発表以降、ピアニストとして単独来日ツアーを成功させ、様々なミュージシャンとのコラボレーションや楽曲制作、さらにはラジオ、ドキュメンタリーなどの音楽を手掛け、2013年にはフランス映画「BRIGHT DAYS AHEAD(LES BEAUX JOURS)」(サウンドトラックをSCHOLEよりリリース)の音楽を担当するなど作曲家としても精力的に活動しているQuentin Sirjacq(クエンティン・サージャック)。
自身の諸作品で魅せるフランス印象派や、ルーツでもあるクラシックの要素を融合した情緒豊かで研ぎすまされたピアノに、アメリカ留学時代に影響をうけた現代音楽やミニマリズムの要素が見事に重なる、Quentin Sirajacq のピアノと共に歩んできた歴史が確かに表現された傑作。パリ在中のジャズドラマー、現代音楽家、音楽プロデューサーなど多岐に渡り活動しているsteve arguelles の加える電子音が楽曲の持つ深みをさらに引き出している。
共同プロデュースに小瀬村 晶、レコーディングエンジニアに井口 寛を迎え録音。ピアノの録音データより菊地 慎がアートワークを制作。
作曲する際には特にモチーフやイメージを決める事無く、己の内面から湧き出るものを音にしている、と本人が語る様に、言葉になる前の情緒豊かな心情風景が次から次に描かれる。それを可能にしている独創的で確かな演奏力も特筆に値する。

ピアノが奏でる調べに身をゆだね、心の奥底に眠る美意識へと終着していく旅の思いで。



Akira Kosemura 最新作

Akira Kosemura 『虹の彼方』  [2013年11月13日 発売]

小瀬村晶のニューアルバムから先行カットとなるシングル企画盤「虹の彼方 - seven colors variations -」を発表します。
本作は、小瀬村晶が“歌”に焦点を当て、作詞・作曲・編曲・プロデュースの全てを手掛けた初めての日本語歌曲をボーカリストのlasahが可憐に歌い上げたミドルテンポナンバー。

終わりゆく季節の儚さ。
重なり合うように呼応する脆く淡い恋心。
心の片隅に置き去りにしたままのあの日の記憶、想い。

忘れかけていた風景、匂い、感情を呼び起こすような、透明感に満ち溢れた小瀬村晶の“純音楽”とでも形容すべき楽曲が生まれました。
また、オリジナルバージョンに加えて、I Am Robot And Proud、Metome、安田寿之、Madegg、Lawrence English、[.que] による多彩なリミックスバージョンを収録。

アートワークには作家・辻村深月の諸作を始めたとした小説の装丁に定評のあるイラストレーターの佐伯佳美を起用。佐伯佳美が音楽作品のアートワークを担当するのは本作が初めてであり、貴重な書き下ろし作品となります。



次回へ続く…(2/10更新予定)。






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