SIGH川嶋氏による2013年総括!
2013年12月29日 (日)
『〜非常に偏った2013年総括及び2014年展望〜』
また今年も同じような締めになってしまうが、もう2013年も終わりかと思うと本当に恐ろしい。この間2012年の締めについて書いたばかりだというのに。とりあえず有名所は他の方々にお任せし、エクストリームメタル限定の、相当偏った内容で今年を振り返ってみよう。
Carcass
今年は「2013年にこのバンドの新譜が出るか!」という驚きがいくつかあった。まずは Carcass。最近もライヴ活動は時々行っていたとは言え、新作アルバムとしては96年の "Swansong" 以来、実に17年ぶりとなる "Surgical Steel" をリリース。。Michael Amott 抜きでの作品ということで、意外と2ndあたりの作風になるのではという予想を裏切り、王道(?)のメロディック路線での見事な復活となった。10月にはラウドパークへの出演もあったが、Bill Steer のギタープレイが異常に進化していてびっくり。こんなうまいギタリストだったっけ?と多くの人を驚かせた。
同じイギリスから Satan もニューアルバム "Life Sentence" をリリース。こちらは何と四半世紀ぶりの作品だが、「今って21世紀じゃなかったっけ?」と疑問を抱かせてくれるような古き良きヘヴィメタル魂を見せつける、好アルバムとなった。(エクストリームメタルではないですけど、バンド名が十分エクストリームですので。)
アメリカからは Dream Death がまさかの新作"Somnium Excessum" 発表。誰だよそれと言うなかれ、スタジオアルバムとしては87年に "Journey into Mystery" をリリースした(しかも New Renaissance Records から!)のみ、遅いスラッシュという当時としては非常に斬新な作風で多くのスラッシュメタルファンを困惑させた。今となっては Doom、Sludge あたりの始祖としてカルト視されているバンドである。26年ぶりのスタジオ新作となったが、進化も退化も一切ない Dream Death としか言いようのない作品で、レトロファンを涙させた。
カナダのカルトスラッシュ、Soothsayer が新譜をリリースしたのもびっくりしたが、こちらは後程改めて。
一方で今年アルバムリリースが予告されていたものの、結局延期、中止になったものもいくつかある。アメリカの Whiplash の新作は昨年からリリースが延び延びになり、今年も出ず終い。Web上で新曲は公開されたものの、正直なところ今一つぱっとしない出来であった。もしかするとスラッシュ史上に燦然と輝く大名作のファースト "Power and Pain" 路線では?と淡い期待を抱いていたのだが。同じくアメリカの Viking の復活作も出た気配がない。この辺りのオールドスラッシュメタルの復活に、今年は期待をかけていただけに残念。ぜひとも立ち消えにならないで欲しいところ。
それにしても、今年はベストアルバムを選出するのが非常に難しい。上に挙げたアルバム以外にも、Voivod、Death Angel、Trivium、Ihsahn、Autopsy などなど、ベテラン勢によるクオリティの高い新譜も多かった反面、他を圧倒するほどの突出した作品には出会わなかった印象も。その中で一枚となると、かなり個人的思い入れもあるのは承知しているが、やはりイギリスの 、Hell のセカンド、"Curse and Chapter" を推したい。2011年リリースの名盤ファースト "Human Remains" に勝るとも劣らない素晴らしくドラマチックでイーヴルな作品であった。以前のコラム(前回のコラム/2013年11月)でも書いたのだが、Hell はとにかくライブが凄まじい。コスプレ、火、血、大掛かりなセットなど、徹底して魅せるステージ。日本盤に付属しているライブDVDを見れば、Hell の来日を願わずにはいられないだろう!
Death SS
2013年ワーストアルバムとなると、、Death SS の復活作 "Resurrection" あたりだろうか。今回こそはインダストリアルからの悪影響下から脱してくれているのではと密かな期待を抱いていたのだが、甘かった。インダストリアルだは曲はつまらないはで、せっかくの7年ぶりのスタジオアルバムも台無し。勝手に期待していた方が悪いのかもしれませんが。
それから上でもチラっと触れたカナダのカルトスラッシュ、Soothsayer。誰だよそれと思われるかもしれないが、89年にアルバムを1枚リリース(こちらも New Renaissance Records!)しただけで消えてしまったカルトバンドである。とは言ってもただ単に無名のバンドな訳ではない。そのデモは当時凄まじいスピードと疾走感でアンダーグラウンドにその名を轟かせており、後のグラインド等への影響は(それなりに)大きい。その Soothsayer、24年ぶりの新作 "Troops of Hate"。まあ正直なところ、グラインドへの影響と言ってもあくまで凄かったのはデモ限定であり、89年のアルバムの時点でかなりガッカリ、四半世紀を経ての復活ということで、それほどの期待を抱いていた訳でもないのだが、見事にそれを遥かに下回る何の印象にも残らない作品となってしまった。そもそも大して速くないんですよ。速くない Soothsayer って意味ないですから。なので Soothsayer を聞いたことがないという方は、この新作ではなく、86年のデモ "To Be a Real Terrorist" を聞いてみて欲しい。こちらは凄まじい疾走感で、21世紀の今聞いても色褪せない名作だ。
Soothsayer
2013年エクストリームメタル界一の衝撃と言えば、Slayer の Jeff Hanneman 急逝だろう。バンド活動からは離脱していたものの、まだ50前、まさか命に関わるほど健康を害していたとは想像だにせず、急な訃報には本当に驚かされた。
日本国内に目を向ければ、ラウドパークのヘッドライナー、King Diamond が直前のキャンセルという一騒動があった。主催者とバンドの主張が食い違う部分もあり、どちらに非があるのか公正に判断をするのは難しいかもしれないが、私個人の考えとして言わせてもらえば、仮にバンド側に100%非があったとしても、それをカバーしてヘッドライナーの出演を確保するのが主催者の義務だ。世界各国から多数のバンドが来日するフェスティバルという形式において、不測の事態は常に発生しうる。キャンセルや出演者変更は避けられない。だが、ヘッドライナーだけは何とかしなくてはいけない。何とか King Diamond にはぜひ来年リベンジで来日してもらいたいところ。King Diamond / Mercyful Fate、それから Candlemass はこのまま未来日で終わるにはあまりにももったいない。
Behemoth
間もなくやって来る2014年だが、来年初頭のリリースというと、まずラウドパークでも素晴らしいライブを見せたポーランドの Behemoth による "The Satanist" のリリースが控えている。この作品は凄い。間違いなく Behemoth 史上最高傑作、とにかく Evil なアルバムで、デスメタル・ブラックメタルどちらのファンにもアピールすること間違いなし。それからアメリカのベテランスラッシュメタルバンド、Hirax。名門 Steamhammer からのリリースということで、かなり気合いが入っているようだ。とにかくエピックな作品になるとのことだが、エピックな Hirax ってわかるようなわからないような。いずれにせよ楽しみだ。Alcest の新作も待ち遠しい。他にも Overkill、Cannibal Corpse あたりもニューアルバムを予定しているようだ。
Grave
多くのエクストリームメタルファンが感じていることだと思うが、来年年明け早々からの来日ラッシュは只事ではない。これ程までに、大量のエクストリームメタルバンド、しかも来日が想像だにできなかったようなバンドが次々とやってくるとは。うれしい悲鳴をあげている人も少なくないのでは。
その口火を切るのが Extreme the Dojo 番外編、このメンツは凄い。Brutal Truth の Kevin Sharp、Mastodonの Bill Kelliher 率いるPrimate、スウェディッシュ・デスメタルの大御所 Grave、そしてあの Wehrmacht! Grave と Wehrmacht ですよ、これを見逃すなんてあり得ないでしょう?とは言え Wehrmacht あたりは、誰だよそれと思う人も少なくないかもしれない。彼らは1987年に "Shark Attack"(これも New Renaissance Records!こうやって見ると、本当に New Renaissance Records は時代の先を行っていたという感じですね。)でデビューしたアメリカのスラッシュメタル/クロスオーバーバンドである。スラッシュメタルとは言っても、そのスピードは桁外れ。80年代スラッシュメタルという括りにおいては、確実に一番速いバンドであった。わずかアルバム2枚で解散、決して商業的に成功したバンドではなかったが、そのずば抜けたスピード故、Napalm Death を始めその後のグラインドコア/デスメタルへの影響は計り知れない。その Wehrmacht が数年前から活動を再開、そしてまさかの来日を果たすというのだから、興奮せずにはいられないだろう!Wehrmacht を聞いたことないという方は、是非デビューアルバム "Shark Attack" をチェックしてみて欲しい。実際のスピードもさることながら、手数の多いギターリフが作り出す疾走感に、「これが26年も前の作品なのか!」と驚くはず。それからスウェーデンの重鎮 Grave!スウェディッシュ・デスメタルは90年代の頭にブームになったのだが、メロデスなどに比べると、コテコテのデスメタルバンドというのは意外と来日していないという印象。一体どんなステージを見せるのか、非常に楽しみだ。2014年メタル初めはこれしかない。
Wehrmacht
2014/1/7 (Tue) 大阪 Live House Pangea
2014/1/8 (Wed) 東京 代官山UNIT
その他1月だけでも Mayhem、Dark Tranquillity、Rotting Christ、Vreid、Havok、Destruction が来日するのだ。お金がいくらあっても足りないと思うかもしれないが、やはり無理をしてでもライブは見ておくべき。これが最後の来日となるバンドもいるだろうし、急に解散してしまうバンドも出てくるかもしれない。そうなってから後悔しても遅いのだ。2月以降も来日ラッシュは続き、Septic Flesh、Dew-Scented、Fleshgod Apocalypse、Black Dharia Murder、Testament、Exodus、Voivod、Sanctuary、Orphaned Land などが続々とやって来る。さらに4月にはついに Kabuto Metal の開催が決定、あの Venom が来日する!!あらゆるエクストリームメタルの産みの親でありながら、前回の来日は1987年にまで遡るほど日本とは疎遠であった Venom。2006年に一度来日予定があったのだが、メンバー急病によりキャンセル、実に27年ぶりの日本公演となる。Venom 以外のメンツがどうなるのか、今から非常に楽しみだ。
Venom
とういうことで今年もご愛読どうもありがとうございました。来年も引き続き、よろしくお願い致します。
川嶋未来/SIGH
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カナダのカルトスラッシュの復活作!コチラも残念作品認定・・
輸入盤
Troops Of Hate: Die Hard Edition (+dvd-r)
Soothsayer
価格(税込) :
¥3,619
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販売終了
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2014年リリースの期待作!
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