HMVインタビュー:リル・エディ

2013年10月22日 (火)

リル・エディ インタビュー by Kana Muramatsu

-- 久しぶり!遂に新作発売だけど、まずは 『X ファクター』*1 でも大活躍してたわね!

Lil Eddie: ありがとう。番組のスタッフが、誰を起用しようか悩んでいた時に、たまたま僕の事を知っていてプロデューサーを紹介されたんだ。本当に5分間だけ会っただけで、後で電話するって言われてね。そしたら、僕の誕生日に起用の電話があった。ヴォーカル・コーチとしてだけでなく、彼らのライフ・コーチのようにインスピレーションを与えることが出来て、素人だった人が一生懸命頑張って、レコード契約を手にして、そんな夢を実現する過程を一緒に歩むことが出来たことは最高の経験だったよ。

*1
全世界で約3億5000万人もの視聴者数を誇るイギリス発リアリティ音楽オーディション番組。現在はアメリカを始め世界各国で制作され、輩出したアーティストはレオナ・ルイス、スーザン・ボイル、ワン・ダイレクション、シェリル・コール、リトル・ミックスなど。



-- そして、アルバム『Emotional』の発売が決まりましたね。今回まず驚いたのは、歌い方、デリヴァリーの仕方が少し変わったのを感じたんだけど、自分ではどう思う?

Lil Eddie:  そうだね。最近は幅広いタイプのアーティスト達と一緒に仕事をして曲を提供してたから、自分でも今まであまり聴かなかったような音楽も聴いたり、リサーチしたんだ。だから今まで作ってきたものとは違うテイストの音楽も作りたいと思うようになったのは事実だね。方向性を変えるわけではなく、自分の引き出しを増やすという意味でね。ジャンルは関係なく、リリックの面でも、メロディの面でも、自分が好きだ!と思った音楽にはやっぱり影響は受けるよね。


-- 前作に比べて、音楽的に本当に幅広く、様々なフレイヴァーがちりばめられたアルバムに仕上がっていて、一言でこう言うサウンドの作品だと明言出来ないのだけれど、やっぱり自分ではどういう立ち位置でいたいと思う?

Lil Eddie:
今の音楽ファンは、R&Bファンがダンス・ミュージックを聴いて、ダンス・ミュージック・ファンがロックを聴いて、ロック・ファンがR&Bを聴いて、みんなヒップホップやポップスとジャンルにこだわることなく聴くようになってきたと思うんだ。僕は幸いなことに本当に幅広いタイプのアーティスト達に曲を提供する機会を与えられてきた。チャーリー・ウィルソンピンクケイナーンローリング・ストーンズキース・リチャーズコーディー・シンプソン、もうここでは言いきれないほどたくさんの素晴らしいアーティスト達と一緒に仕事をさせてもらえたことは、僕に多大なインスピレーションを与えてくれただけでなく、アーティストとしてチャレンジを課されたようで燃えたんだよね。あらゆる音楽を吸収して、あらゆるサウンドで表現してみよう、って。


-- 今、名前が挙がっていたローリング・ストーンズのキース・リチャードだけど、ケイナーンの作品でのことよね?この組み合わせも凄いと思うんだけど、どのように実現したか教えてくれる?

Lil Eddie:
ケイナーンのアルバム(『Country, God or The Girl(2012)』)のために何曲も一緒に曲を書いててね。その中の「Sleep When We Die」は、プロデューサーのアレックス・ダ・キッドが、ビートにキース・リチャーズのギター・ループをサンプルしたことがきっかけ。 それだけでも十分カッコ良かったんだけど、サンプルのクリアランスの為にキースに完成した曲を送ったらすごく気に入ってくれて、実際に演奏してくれることになったんだ。もう最高だったよ。ロック・ファンだけでなく、僕みたいな音楽ファンだったら誰だって夢のようだと思うはずさ。あのキース・リチャーズだよ!実際に一緒にスタジオで仕事が出来なくても、自分の名前があのキース・リチャーズの隣にクレジットされるなんて!!もう武者震いしたよ。よくさ、<もし不安にならないような夢であれば、そんな夢は大したことがない>っていうだろ?だから、僕は叶うはずないと不安になるような夢も見続けることにしてるんだ。キース・リチャーズ、レイラ・ハサウェイ、チャーリー・ウィルソンと仕事が出来たんだ、シャーデーやU2、もう絶対に無理だと思ってた人達とも一緒に仕事出来るんじゃないかって思えるようになったんだよ!


-- 最近ではCrystal Kayや倖田來未の新作にも曲を提供してるみたいだし、最近のあなたの曲提供リスト*2を見てると、ほとんどが2012年後半〜2013年の分だけなのに、誰かの全キャリアかと思うほどよね!あなたのアルバムを待っている人達も多い上に、幅広いアーティスト達に楽曲を提供してることでますますあなたの名前は広まるんじゃない?

Lil Eddie:
そうだといいな。色んなアーティスト達に曲を提供出来ることは本当に幸せだよ。彼女達のような日本のアーティスト、それにK-PopのMYNAMEってボーイズ・グループもそうだし、アメリカだけでなく海外のアーティストと仕事が出来るのも本当に嬉しい。リストに載せる名前もどんどん増えてる。実は、ついこの間はロイド(Lloyd)と一緒にやってたんだ。僕らしく頑張ってやってくだけだよ!

*2
近年リル・エディが手がけたアーティスト達 チャーリー・ウィルソン、ケイナーン、リタ・オラ、エヴァ・サイモンズ、マイリー・サイラス、コーディー・シンプソン、マリオ、5thハーモニー、ヴィクトリア・ジャスティス、ショーン・キングストン、オマリオン等



-- そして、また日本に来てパフォーマンスしないと!

Lil Eddie:
本当だよ!早く呼んでよ!(笑)また日本のファンの前で歌う日を楽しみにしてる。みんなに会いたくてたまらない!


【リル・エディ本人による全曲解説】

1.Collar Bone  *1stシングル

この曲はデートの帰り際、彼女が僕の鎖骨(Collar Bone)にキスをした瞬間、”きっと彼女は今夜は独りでいたくない。家に帰りたくないと思ってるんだ!”と確信するって曲。アルバムを紹介するファースト・シングルとして、僕のカムバックを宣言する曲として、パーフェクトな曲だよね

2. Hurt My Lil Feelings

名前に由来して“lil”なんだけど、実はこれは皮肉としても使ってるんだ。人を平気で傷つけられるということは、相手の事を真剣に思ってないからだと思うんだよ。相手の気持ち、感情なんて<大したことない=little>と思ってるから平気で傷つけることが出来たんだろう?って。そんな悔しさをぶつけるような曲なんだ。

3. Like The First Time

この曲はクリス・リジオ(トレイ・ソングス、キャット・デルーナ等)がプロデュースで、オータム・ロウ (シェール・ロイド、アレクシス・ジョーダン)と共作した。信じられないほど素晴らしい恋愛をしているって曲を書きたかったんだよね。これは実体験ではなくて、僕の希望。いつかそんな気持ちを経験してみたい、って思いを込めたんだ。相手を見る度に、まるで一目ぼれをしてしまったように、何度も何度も恋に落ちるっていう気持ちさ。

4. Miracles

この曲のメッセージは”毎日のように奇跡が起こる”ということ。そういう大切な曲にあのTボズが歌ってくれるなんて。曲が出来上がった時、フィーチャリングが欲しいって話になってね。それで、最近会ったばかりのTボズはどうかってことになって、彼女に連絡をして曲を送ったら、すぐに一緒にやりたいと言ってくれてね。僕は昔からTLCの大ファンだったから、彼女と会うだけでも夢が叶ったと思った。 Tボズとのセッションはまさに夢のようだったよ! TLCでの彼女の歌声を聴いて育ったし、彼女とはすぐに仲良くなれたんだ。まず、僕が書いた曲を彼女が気に入って、僕のアルバムの為に参加して歌ってくれるだなんていまだに信じられない。スタジオではずっと大笑いしっぱなし、本当に楽しかった。お互いにいろんな話をして、<何があっても諦めないでこのまま続けなさい>って言われて、本当に力をもらったよ。

5. Save Me From Myself

素敵な女性と出会っても、仕事や別のことにのめり込み過ぎてしまって自分が見えなくなってしまうことだって多い。そんな状況になってしまったら、時にはそんな僕から僕を救いだしてっていう曲さ。自分でももうどうしようも出来ない。どうしたらいいかわからない。そんな僕を救いだしてくれる人が欲しい。そういう曲だよ。

6. Say Say, Say (Take A Chance)

この曲は自分が好きな人に対して、自分は金持ちじゃないかもしれない、カッコイイ男じゃないかもしれない、背だって高くない、でも、僕と一緒になったらキミは幸せになれるよ、って言ってる曲だね。

7. Sad Smiles And Happy Tears

この曲はブルーノ・マーズとエミネム(筆者註:正確にはBad Meets Evil feat. Bruno Mars)のコラボ曲「Lighters」を作ったバトル・ロイがプロデュースしてくれたんだ。詩の内容は“愛を見つけた瞬間の気持ち”。それが、恋人なのか、音楽なのか、夢なのか、なんでもいいんだ。本当の愛を感じた時、人生が変わる。無理矢理作るような“哀しいスマイル”は消えて、幸せの涙だけがこぼれるんだ。

8. Skin

僕の大好きな曲!! 僕とデレック*3の共作で、本当にこの曲が好きで、アルバムを『Skin』ってタイトルにしようと最初は思ったくらいなんだ。この曲はセクシュアルな曲でもあるけど、愛する人と出会ってメイクラヴする時、相手の肌1ミリ残らず愛したい。ありのままのキミを愛したい。心から愛する人へ捧げる曲だよ。

*3 デリック・ディアズ
Facebookを通じてデモトラックを送り続けてきたことがきっかけで知り合った若きプロデューサー。今作でも「CollarBone」をはじめ数曲をプロデュース。エディ曰く “彼を世界に紹介することは誇り”

9. Loved Up

この曲はファースト・ボーン*4と書いたんだけど、この曲はラヴラヴな気分(笑)を表現した曲だね。ほら、愛してる相手がいるだけで雲の上を歩いてる気分になったりするだろ?もうキミと一緒に入るだけで、自分の中に愛が満ち溢れてくる。そんな歌なんだ。

*4 ローハン”ファースト・ボーン”ヒルトン
テキサス州、ヒューストン出身のプロデューサー。ニッキー・ミナージュ「Super Bass」をはじめ、フロー・ライダー、ニーヨ等のプロデュースも手がける。

10. Tomorrow Is Never Promised

悪夢から目覚めて、もうキミを絶対に離したくない。明日がどうなるかわからない。愛する人がそばにいることの幸せ。もう絶対に手放したくない。そういう曲だね。

11. Ready Or Not

凄く好きな人がいるんだけど、どうしても怖くて素直に言えない。そういうことってあるだろ?でも、自分に言い聞かせるんだ。心の準備が出来ていなくても、今言うしかない。キミの答えがどうであろうと、少なくともキミの気持ちを知ることは出来る。だから今、伝えるよ、って曲だね。この曲はジャスティン・ビーバーの「As Long As You Love Me」を作ったプロデューサー達と作ったんだ。

12. Steal A Kiss

赤い唇、キミの瞳は緑(青)。信号と同じ。口では赤でストップって言ってるけど、目は緑(青)で、ゴー=イエスと言ってるよ、って曲。キミ自身も混乱してるみたいだね。だから、キミからキスを奪っちゃえ!っていう曲。(笑) この曲のプロデュースはRitzで、僕と同じEMIのソングライターなんだ。それでソングライティング・セッションで知り合ったんだけど、凄くイイ曲を書くから一緒にやることにしたんだ。

13. Emotional

タイトル・トラックの「Emotional」は神様へのメッセージ・ソングなんだ。あの曲の”You”は神様。人間を感情的にさせるのは神様。鏡に映る自分を見つめて、神様が僕に何を見ているのかを探ろうとする。<エモーショナル>=感情的 という言葉を聞くと人はどちらかと言えば、どこか哀しいものを想像するよね?もちろん、哀しい面は多いんだけど、幸福感も多いんだ。僕が今感じていることを感じているままにこの曲を書いたら、とてもエモーショナルなものが出来た。ちょうどアルバムのコンセプトやタイトルを考えていた時にこの曲が出来たから、この曲のタイトルをアルバム・タイトルにするのが自然だと思ったんだ。そして僕の血の繋がった弟、キャスパーにラップしてもらったのはこの曲をよりパーソナルなものにしてくれた。彼にしか出来なかったと思ってる。

14. I Dare U

別れられるものなら別れてみろよ。別れた後に後悔するんだろ?!って去ろうとする恋人に挑戦的に言う歌だね。

15. ”I Die Everyday”

愛する人を待つ間はホームレスのようなもの。全ての人達が愛を知るべきだし、愛されるべき。もし愛を感じられないのなら、その愛を手にするまで待っている日々は、死んでいると同じだ、ってこと。

16. Heaven

DJ Komori *5!!! 本当に素晴らしいトラックを提供してくれたよ。この曲は、僕と一緒になってくれたら、キミに天国を見せてあげる、って曲さ。素晴らしいデート=天国、ってことだね。

*5
7月にリリースされたDJ Komoriの『Collage Two』にエクスクルーシブ・シングルとして収録。本人も大のお気に入り。
アルバムトレイラー

リルエディ&T-ボズ (of TLC)メッセージ

Lil Eddie 『Emotional』  [2013.10.23 Release]

前作、前々作で国内3冠(iTUNES/レコチョク/有線チャート)達成アーティストに輝いてから早2年半、リタ・オラ、マイリー・サイラス、コーディー・シンプソン、エヴァ・サイモンズ等、最近も大物アーティストへ楽曲提供する傍ら、人気オーディション番組「X-Factor」にてファイナリスト達のヴォーカル・コーチを務めるなど多方面で活躍を続けるリル・エディが、満を持して放つ待望の3rdアルバム。メインシングルはなんと、今年デビュー20周年で人気再燃、伝説のガールズグループ"TLC"のT-BOZとの共演曲「Miracles」!さらにローアン "ファースト・ボーン" ヒルトン (ニッキー・ミナージュ "スーパー・ベース") 、バトル・ロイ (エミネム&ロイス・ダ 5"9" "ライターズ")、ショーン・ハミルトン (ジャス ティン・ビーバー"ワン・レス・ロンリー・ガール") 、フレドロ (ラティーフ "アバブ&ビヨ ンド")、 クリス・リッジ オ(キャット・デルーナ"ブーン・ブーン・テキーラ")、デレク・ ディアズ (キキ・パーマー)といった豪華プロデューサーが参加した過去最大のスケールで贈る最高傑作。







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