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ペンデレツキ交響曲集自演ボックス

2013年7月17日 (水)

ペンデレツキ:交響曲集(5CD)
第1・2・3・4・5・7・8番
ペンデレツキ&ポーランド青年交響楽団
第8番は3楽章増えた2007年版を使用


『広島の犠牲への哀歌』で有名なペンデレツキは、7曲の交響曲を書き上げた20世紀を代表するシンフォニストのひとりでもあります。ペンデレツキの交響曲は、第1番から第5番まではトーン・クラスターのほか、金管・打楽器の大活躍する迫力サウンドが特徴的なものとなっており、第6番がスケッチのみの欠番、第7番がオラトリオ風、第8番が歌曲風な内容となっています。
 ペンデレツキの交響曲集といえば、同国人のアントニ・ヴィトが1998から2006年にかけて録音したセットがナクソスからリリースされていますが、今回は、2011年から2012年にかけて、指揮者としても高い技量を持つペンデレツキ自身が、意欲あふれるポーランド青年交響楽団を指揮した高水準な演奏を収めています。

【交響曲第1番】
1973年にロンドンで初演。4楽章構成。イギリスのパーキンス・エンジン社からの委嘱作。ムチの規則的な音で始まり多彩な打楽器を交える冒頭は、機械の音とその破壊を思わせる雰囲気。やがてペンデレツキお得意のクラスター・サウンドが鳴り響き、印象深いオスティナートも交えて盛り上がる音楽はいかにもペンデレツキらしい仕上がり。前衛時代を代表する作品となっています。

【交響曲第2番】
1979年から80年にかけて作曲。連続した5つの部分から成る1楽章作品。クリスマスイヴに作曲を開始したとされるネオ・ロマンティックな音楽で、「きよしこの夜」などクリスマスに関連する曲の引用など含むものの、曲調はシリアスでときに激しく展開、対位法の使用も印象的な仕上がりです。

【交響曲第3番】
1995年にミュンヘンで初演。5楽章構成。ミュンヘン・フィル100周年を記念しての同楽団からの委嘱作。激しさと静けさの交錯する音楽で、指揮者として日常的にとりあげているブルックナーやマーラー、ショスタコーヴィチの影響も感じさせます。ネオ・ロマンティックなスタイルが基本ですが、クラスターも適宜用いられて飽きさせません。

【交響曲第4番】
1989年にパリで初演。フランス革命200周年を記念してフランス政府から委嘱された作品。アダージョ楽章が3つ置かれ、その間に快速楽章が配されるという5楽章構成。革命前の抑圧的な雰囲気や、革命での闘争的な音楽のようなものも感じさせるペンデレツキらしく刺激的でシンフォニックな音楽。

【交響曲第5番】
1992年にソウルで初演。1楽章構成。韓国国際文化協会50周年を記念しての委嘱作。マーラー、ショスタコーヴィチの要素も感じさせるいつものペンデレツキ・スタイルで書かれた聴きごたえのある作品。

【交響曲第7番】
1997年にエルサレムで初演。エルサレム建都3000年を記念し、イスラエル政府から委嘱された作品で、当初はオラトリオ『エルサレムの7つの門』として書かれています。委嘱を受けた際に、ペンデレツキはすでに交響曲第6番に着手してスケッチを書いていたため、この作品の番号は交響曲第7番となってしまいましたが、その後、十数年を経ても第6番は完成していません。
 交響曲第7番は旧約聖書をテキストとして用いたオラトリオ的な音楽で、エルサレムにある歴史的な7つの門について描いた7楽章構成の作品となっていますが、オーケストラの比重も非常に高く、いつもながらの鳴りの良いペンデレツキ・サウンドに加え、打楽器の大活躍も印象に残ります。

【交響曲第8番】
2005年にルクセンブルクで初演。アイヒェンドルフ、リルケ、ヘッセなど、ドイツの詩人のテキストによるソプラノ、アルトと合唱、管弦楽のための作品で、副題は『はかなさの歌』。マーラーの『大地の歌』や、ツェムリンスキーの『叙情交響曲』のように歌曲風の交響曲に仕上がっています。2005年に初演された際は12楽章構成でしたが、2007年に、ブレヒト、ベトゲ、アイヒェンドルフによる3つの曲が追加された15楽章構成版が完成、ここではそのヴァージョンが用いられています。(HMV)

【収録情報】
ペンデレツキ:
・交響曲第1番 (1973)
・交響曲第2番 (1980)
・交響曲第3番 (1988-95)
・交響曲第4番 (1989)
・交響曲第5番 (1991-2)
・交響曲第7番 (1996)
・交響曲第8番 (2004-7)

 イヴォナ・ホッサ(ソプラノ:第7番、第8番)
 イザベッラ・クロシンスカ(ソプラノ:第7番)
 アグニエツカ・レーリス(アルト:第7番、第8番)
 ラファウ・バルトミンスキ(テノール:第7番)
 トーマス・バウアー(バリトン:第8番)
 ヴォチェク・ギールラッハ(バス:第7番)
 スラヴォミル・ホランド(語り:第7番)
 ポーランド・オペラ・フィルハーモニー合唱団(第7番)
 ポーランド青年交響楽団
 クシシュトフ・ペンデレツキ(指揮)

 録音時期:2011-2012年
 録音方式:ステレオ(デジタル)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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