HMVインタビュー：レ・ジット

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2013年6月3日 (月)

LE'JIT インタビュー　
カルト的な人気を誇る、インディ・ソウル界伝説のグループ、レ・ジットが完全復活！実に14年ぶりのリリースとなる3rdアルバム『New Beginning』のリリースを記念し、HMV ONLINE独自でインタビューをさせていただきました。しかも実質的なグループの要であるロイだけでなく、ジョンとクリスも丁寧に答えてくださり感激･･･！かなりのボリュームとなってしまいましたが、3人のキャラがよくわかる内容になったと思います。最後までジックリとお読みください。

-- 前作『Legitimately Yours』から約14年ぶりになりますよね。これだけの期間が空いてしまったのはどうしてでしょう。また、なぜこのタイミングで新作を発表しようと思ったのでしょうか。

Roi： ここのところは3人ともそれぞれソロ・パフォーマンスしていたんだ。ファンからもアルバムの要望があったし、現在のR&B/SOULシーンに一石を投じる決断をしたってわけ。

John： 音楽シーンは、よりポップで若いオーディエンス向けに変わってきたよね。だから、僕らはしばらくライブに集中していたんだ。ステージでは歌唱力はごまかせないしね。でも人々はスタジオシンガーに飽きてきていたし、そろそろ新作をリリースする時だと感じたんだ。

-- その間、ロイはソロで作品を発表されてましたが、他のお二人はどうされていたのですか？

Roi： ジョンは2枚のソロ・プロジェクトを、クリスはこれからリリースされるゴスペル・ソロ・プロジェクトがあるよ。

John： LE'JITは常に活動を続けているけど、僕はローカルで良く売れたソロ・リリースがあるよ。あと、メンフィスのローカル・シアターでもパフォーマンスをしているんだ。クリスはレコーディングはしていたけど、まだソロでリリースしてないんだ。未発表の音源も沢山あるから、いつかLE'JIT未発表集として発売したいと思っているよ。

-- アルバムに先駆けて昨年末に発表したクリスマス作品「Come Back Home」を発表されましたね。反応はいかがでしたか？

Roi： みんなに気に入ってもらえたと思うよ。

John： とても評判がよかったね。人々にLE'JITが戻ってきたことを知らせることができたよ。

Chris： すごく評判がよく、チャンスがあればクリスマスCDアルバムを作ってみたいね。

-- アルバムのタイトル『New Beginning』に込めた意味は？また何に重点を置いて作られたのでしょうか。

Roi：　 LE'JITとしての再出発としての意味もあるけど、全ての音楽のルーツとも言えるR&Bを生き返らせる意味合いも込めているんだ。R&Bは愛、痛み、悲嘆、喜びなど、深い感情を表現できる音楽だよ。アルバムのプッシュしたいポイントは、オールドスクールと、ニュースクールをつなぎ合せていることかな。「I Found Love」もそういった曲で、O'jaysやTemptations、Boyz II Menなどのグループのクラシックス同様、ニュークラシックスの仲間入りすべき曲だよ。

-- 実際のレコーディング期間はいつから、どれくらいかかりましたか。

Roi：　アルバム制作自体は3ヵ月かかったよ。インディペンデントだったから、リーガル・ワークや取引、オファーなども全て自分でやったよ！

John：　全部込では完成まで1年くらいかかったね。僕はラスヴェガスに住んでいるから、距離の関係もあって時間がかかってしまった。

-- ニューアルバムを聴いてブランクを感じるどころか、ヴォーカルグループ作品としての完成度がとても高くて驚きました。ご自分達はどのように感じておりますか。

Roi：　僕ら3人兄弟はパーフェクト・ブレンドを持ち合わせていると確信しているよ。僕らはお互い、それぞれのパートに敬意を払っているよ。それがパーフェクト・ハーモニーを創り出すことにもなるんだ。

John：　僕らは血の繋がった兄弟だから当然だよ。ただ、ライブよりもレコーディングの方が落ち着いた仕上がりになったと感じている。

Chris：　レコーディングの音源では控えめになっているかもしれないけど、ライブを続けていたこともあるから、フレッシュさはキープできているし、未だに上達を続けているよ。

-- 「Dance The Night Away」ではAmbrosiaの「How Much I Feel」をサンプリングされてますが、これはどなたのアイデアでしょう。思い入れのある曲なのですか？

John：　これは全てロイのアイディアだね。聴いて育った曲を取り入れるのは燃えるよ。僕らはオールドスクールをミキシングするのが得意だし、きっとみんな気に入ってくれると思うよ。

Roi：　「How Much I Feel」はとても好きな曲だよ。晴れやかなギターがR&Bを感じさせてくれるね。プロデューサーのGreen “Gee” Francisのソウルフルなフィーリングが僕らの心をつかんだね。

-- ウェディング・ソング「I Fond Love」を作ろうと思ったきっかけは？

Roi：　ウェディング・ソングは色あせることがないんだ。誰をも幸せな気分にさせるだろ。

John：　アーティストはみんな、少なくとも1曲はこういったタイムレスな曲を入れたいんじゃないかな？この曲は本当に感じたことを書いたものだよ。テンプスの「My Girl」のようなニュークラシックスになってくれるといいな。

Chris：　 Luther Vandrossの「Here and Now」、Tony Terryの「When I’m With You」、Eric Benet「Spend My Life With You」やKenny Lattimore「For You」のように、今後誰かがウェディングソングとして使ってくれるようになったらいいなって。

-- 「Farewell」を書いた＆アレンジしたのはMark Middletonとクレジットにありましたが、あのBlackstreetのメンバーのMarkでしょうか。彼とは昔から交流があったのですか？

John：　そう、BlackstreetのMarkだよ！ビジネスでの付き合いしかないけど、彼が僕らの歌を聴いたときに「君らに完璧な曲がある」と言って提供してくれたんだよ。

Roi：　 Mark Middletonには、プロデューサーのCurtis Smithを通じて2000年に知り合ったんだ。彼の曲は素晴らしいものばかりで、これらの曲も2000年に作った曲だよ。タイムレスだね。

-- ジョンがプロデュースした「No Woman」はフォー･トップスの曲（「Ain't No Woman (Like The One I've Got）」）を引用されてますよね？

John：　芳香な曲だね。これは僕が運転中に浮かんだアイディアなんだ。

-- アルバムに参加しているギタリスト、Norman “Slim” Hammer、プロデューサーのBrandon “Truth” Adams、Gerren “Gee” Francis、Curtis Smithについてそれぞれご紹介してください。

Roi：　 Norman “Slim” Hammerはたくさんの僕の楽曲でギターを弾いてくれているよ。かなり有名なミュージシャンで、ルイジアナのKrossfireというグループともよく活動をしている。
Brandon Truthは尊敬すべきミュージシャンだね。バトン・ルージュ出身で、ライヴ・ミュージックのマエストロだよ。僕らのライヴ・バンドの一員でもあるよ。たくさんのメジャーなアーティストとツアーもしているよ。
Gerren “Gee” Francisは才能にあふれたプロデューサー/ライターだね。彼はソウルフルなクリーエションに富んでいるよ。カレンクロの出身で、今はテキサスのヒューストンに住んでいるよ。僕Roi Anthony名義のアルバムには全て参加しているよ。
Curtis Smithはニューヨーク出身のプロデューサー、そしてゴスペルのアーティストでもあるよ。彼も有名なアーティストのプロディースやライティングもしているよ。

-- ロイは殆どの楽曲にChipとしてプロデューサーとして関わっていますね。ソロ作品との違いを出すために気をつけた部分はありますか？

Roi：　 LE'JITをもっとソウルフルでベーシックなR&Bにしたかったんだ。聴きやすくて、ダンサブルでスウィングする感じのね。自分のソロ・アルバム『True Soul』に近いね。LE'JITのアルバムをリリースするということになって、自分のソロ・アルバム『Who I Am』をもっとふくらませて、よりいっそうアップデートさせたサウンドにする余地ができたんだ。それとともに、僕が『True Soul』シリーズで見せたような本来のソウルフルなサウンドをLE'JITに注ぎ込むことができたんだ。最終的に、本当のリスナーは僕がプロデュースした二つの異なる方向性を楽しむことができるんだ。

-- 楽曲作りの分担はどうされているのですか？また、主に歌詞を主導しているのはどなたでしょう。

Roi：　グループのコラボだし、全員感じたことをダイレクトにライティングしているよ。歌詞も誰がリードというのはなく、全員で作り上げるし、全員がリードシンガーとも言えるよ。

-- アルバムの中で苦労した曲、思い入れの深い曲、レコーディングのエピソード等があったら教えてください。

Roi：　ジョンはラスヴェガスに住んでいて、僕とクリスはルイジアナに住んでいるから、ヴォ－カル部分は別で録っているんだ。テクノロジーに感謝だよ！

Chris： 個人的には「I Found Love」が最も面倒な曲だったよ、声もかすれちゃったしね。思い出深いのは「After Party」「Good Woman」「Feel Good」かな。僕はこれらを一晩でレコーディングしたんだよね。言うまでもなく声が元に戻るのに一週間はかかったよ。

-- LE'JITをスタートさせて長いこと経ちましたが、振り返ってみていかがですか。

Chris： 僕は物事を振り返って後悔はしないよ。沢山の事を学べたし、その知識を今に活かすことができているからね。他のやり方もあったかなと思うことはあるけど、それも素晴らしい経験だし、勉強だよ。

John： LE'JITとしても、ソロとしてもうまくやってきていると思う。今回のアルバムは新しいファン層も取り入れて、LE'JITとしてさらなるステップアップになると思うよ。

Roi： 恵まれたことに、僕らはグラミーなんかとらずとも、どうやってこの世界で成功するか、生きていくか知っているんだ。健康にも、人々にも恵まれているよ。リスペクトをすれば人々からリスペクトが返ってくる。これは音楽シーンの素晴らしいところだよ。

-- ご兄弟ということもあるでしょうけど、グループが長続きしている秘訣は何でしょう。また、グループの危機のような時期はありましたか？

Roi： ネヴァー・ストップだよ。ファミリーだし仲よくやっている、それぞれの決断を尊敬しているよ。ライブの時以外はほとんど全員が集まることはなくて、時々距離が物事を難しくさせることはあるけど、お互いのことをよく分かっているから、まぁうまくやっているよ。

-- 3人のキャラクター/性格は？それぞれ表現してみてください。

Roi：
ジョンは面白いやつで、仕事にも向いているよ。いつも笑顔を絶やさない、イージー・ゴーイングな奴さ。
クリスもイージー・ゴーイング・スピリットを持っていて、笑顔を絶やさないよ。とにかく歌うのが大好きだね。
僕（ロイ）は仕事に関してはすごく真面目で、ワーカホリックだけど、面白いやつだよ、のんびり屋な一面もあるよ。

John：
ジョン（自分）：シリアスに思われがちだけど、実はジョーカーなビッグ・ブラザーだよ。
クリス：物静かだけど、みんなとうまくやれるやつさ。
ロイ：弟なのに、やつは自分が兄貴だと思っているよ！

Chris： ロイは社交的で、ジョンはとても人当りがいいよ。僕(クリス)はのんびり屋かな。

-- それぞれのフェイヴァリット・アーティストを教えてください。

Roi： Joe、Maze、Jazmine Sullivan、B.O.B....

John： 沢山ありすぎて選べないな。Smokey Robinson、Marvin Gaye、Teddy Pendergrassは好きだよ。言い換えるとオールド・トゥルー・シンガーはみんな好きだ！

Chris： R. KellyとNe-Yoがフェイヴァリットかな。オールドスクールだとMazeとかPeabo Bryson。僕のプレイリストには他にも沢山いるけどね。

-- クリスは影響を受けたファルセットシンガーはいますか？また前回のロイにインタビューさせていただいた時に、クリスのソロアルバムの予定があるとおっしゃってましたが、まだその予定はありますか？

Chris： オールドスクールで影響を受けたのはアースのPhilip Bailey、TemptationsのEddie Kendricks、EnchantmentのEmanuel “EJ” Johnson。ニュースクールだとEric BenetやMaxwellだね。

John： クリスはクリスチャン・コンテンポラリー・アルバムを作っている最中だけど、リリースはいつになるかわからないよ。

-- 地元、周辺地域のシーンで注目すべきアーティスト、動きはありますか？

Roi： ルイジアナには沢山のグレイツがいるよ。R&B、ラップ、ポップス、ザディコ、ブルース、サザン･ソウルとかシーンが幅広いよ。ニュー・アーティストではないけれど、Cupid、Marc Broussardはとてもリスペクトされているね。Mohitzのアーティスト達も有名なヤツが多いよ。 Cuban Papi (Latin)、Pallo Da Jiint (Hip Hop)、Lil Peezi (Hip Hop)、Asiyah Anderson(R&B)、Melanie Guillory (Gospel)、Shaun Ward (Jazzahiphoper&b) ！それから提携しているグループでは、The Rap PackとY Luck、Elliot Rousselとかね。

-- ルイジアナ出身のアーティストで交流のあるのは？

Roi： う～ん、たくさんいるよ。No LimitやCash Mone/Young Moneyのアーティスト、さっき挙げたMarc BroussardにCupid、Rebirth（Brass Band）、Trombone Shorty、Buckwheat（Zydeco）、Brittany Spears（Britney Spearsのこと？）、Tucka、Lil Boosie、Mystikal、Frank Ocean、The Rap Packとかね。

-- Mohitzで今、一押しは誰ですか？

Roi： これは難しい質問だね。皆プッシュしあっているよ！

-- 一時期メンバーだったDevin Crutcherはどうされているのでしょうか？

Roi： メンフィスで、ソロアーティストとして活動をしているよ。

-- 地元を中心に強固なファンベースを持って安定して活動しているあなた方から見て、メインストリームのR＆Bシーンの移り変わりをどのように思いますか？

John： 今こそちょうどカムバックの時期だと感じているよ。

Chris： 本物のR&Bを表現できるアーティストってのは一握りしかいないと思うよ。

Roi： 業界ではR&Bは死んだといわれるけど、僕らはそうは思わないよ。ただ、ラジオ・サポートが弱すぎるね。Soul can never die!!!

-- 今後のグループの方向性は？

Roi： R&Bを必要としているところに届けたいし、チャートのトップに戻したいよ。

John： 新たな高みへ！

Chris： 空のように限界はないよ。

-- 来日してライブをする予定はありますか？

Roi： 準備はできているよ。すぐにでもパフォーマンスしたいよ。日本を愛しているし、サポートをありがたく思っているよ！

John： ジャパン・ツアーは常に興味があるよ。実現させたいね！

Chris： 日本でコンサートをやってみたいと2001年からずーっと思っているよ。9・11が起こってその計画もホールドされて、未だに日本へは行けてないけど。そろそろ実現する時だと思っているよ。

-- 日本のファンにそれぞれ一言！

John： 僕たちをサポートし続けてくれてありがとう！トゥルー・ファンだし、いつか会えることを期待しているよ。本作はLE'JITを知らなかった人達にもぜひ聞いて欲しい、意欲作だよ！

Chris： 日本のファンの愛とサポートについてとても感謝しているよ。近いうちにお目にかかれると嬉しいよ。Keep real R&B music alive.

Roi： LE'JIT、ソロアーティストとしても長年サポートしてくれてありがとう。日本でライブをすることは、一つの目標でもあるし、素晴らしい経験になるよ。僕ら3人のキャンペーンをよろしく頼むよ！We love JAPAN!!!!