LINKIN PARKのあの日、あの時 22 『LINKIN PARKのあの日、あの時』へ戻る

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2013年1月21日 (月)


『A THOUSAND SUNS』の話を引き続き…そして再来日公演時の裏話も!
文●有島博志(GrindHouse)
遅ればせながら…みなさん、明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。今回のが、今年第1回目の更新となります。

 連載前回を、“4枚目『A THOUSAND SUNS』に対する意見は真っ二つに分かれた。いや、当初は否定的な意見、感想ばかりが目立った…”という下りで締めくくった。次作『LIVING THINGS』(2012年)日本盤ライナー・ノーツにも書いたけど、某・世界最大級の通販サイトの今作のカスタマー・レヴュー欄には、リスナーたちからのダイレクトかつ辛辣な感想や意見がそれこそズラーッと書き綴られてて思わず読み入ってしまった。匿名で書き込めるという気軽さも手伝い、っていうことももちろんあったんだろうけど、それだけに余計、その数多くの意見、感想がリスナーたちからの“生の、なんのまやかしもない正直な声”だと思えた。読み入れば読み入るほど溜息が出たけど、なかでも一番強烈だったのが、下記の“静かなる叫び”だった。その一字一句を正確に覚えてるわけじゃないけど、確かこんなような感じだったと記憶している。

「リンキンに告ぐ!新作CDを買うために使った時間と労力とお金を返せ!」

 これを読んだとき目が点になった。あまりに無防備で純粋無垢な想い――。もしくは、まるでド真ん中をズバッと射抜く豪速球のようにすら思えた。LINKIN PARKの、特に初期の頃の大ファンが書き込んだ気がした。今作を聴けるその日を指折り数えるなど心待ちにし、で、ようやく聴けたと思ったら全体を貫く音楽性、作風は初期の頃のそれらに“完全決別宣言”したものだった。その驚き、衝撃は相当なものだったろうし、それに伴った嘆き、落胆、落ち込み、悲しみなどもかなりのものだったに違いない。LINKIN PARK初期のことが好き過ぎるゆえの強い反動と捉え、決して悪意は感じられなかったのだけど、「冷静になってもっともっと聴いてみて。根っ子にあるのはリンキン以外の何物でもないから」と思った。はたしてその方は次作を聴いたんだろうか。それとも聴いてないのだろうか。後日知ることになるのだけど今作は“ファン離れ現象”を起こしている。3枚目『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)発売時よりさらに音楽市場が縮小しているためどのくらい影響したのか、とは一概には言えないのだけど、セールス的にも落ち込みは顕著だった。連載前回に書いた、マイク・シノダ(vo.g,key)が認めた、初期の頃の作風、音楽性から完全に離れることを決心するには大きなリスクを伴った、っていうことのひとつに、こういったことも含まれているんだろう。

 今作発売からジャスト1年経った2011年9月、LINKIN PARKは再来日し、4都市を巡演し、計5公演行った。今作発売直前期に実現したロサンゼルスでの対面取材のとき、チェスター・ベニントン(vo)は再来日の時期についてこう語っていた。

「今後6ヵ月以内(筆者註:2011年2、3月頃)には実現すると思うよ。その間にいく。新作(今作)を発売してから半年経っても日本にいかないなんてことはありえないから」

 こういうチェスターにツッコミを入れたのが、同席していたデイヴ・“フェニックス”・ファレル(b)だった。

「とは言うものの、まだどこの国のツアー・スケジュールも決まってないんだけどね(笑)」

 チェスターの言う時期に再来日公演の話が水面下で進められていたのは、紛れもない事実だ。一度は決まりそうだ、という話も漏れ聞こえてきていた。が、しかし、結局は実現せず、それから半年後にようやく行われた。その事情は知らない。

 再来日が近づいたある日、日本のレコード会社より来日対面取材の話をもらった。「相手はマイクとチェスターのどちらか、時間は10分」と言われ、思わず「じゅっ、10分!? なんで?」と口を突いた(苦笑)。改めて言うまでもなく、それまでに何回も彼らを取材してきたけど、どんなに短くとも20分が最短だった。それが、その半分だ。その問いに対し、レコード会社から「バンド側からの要望なので」との説明を受けた。「10分かぁ…いったいどんな話ができんだろ…」。正直、どうしようと思った。会った瞬間挨拶をスッ飛ばし、いきなり質問をするわけにはいかないし、指定時間内カッチリに取材を終え、「ありがとうございます」と一言言い残し、足早にその場を立ち去るというのも失礼だ。しかも、取材をするのはチェスターにしろ、マイクにしろ知らない相手じゃない、余計そんなことができるわけがない。会った瞬間「わー、久しぶりだね」に始まり、「元気だった?」っていう挨拶代りの会話に1分強、取材を終えての「今晩のライヴを楽しみにしているよ」っていう締めの雑談に再び1分強とすると、実質本当の意味での取材に使える時間はたったの7分ぐらいしかない。「そのあまりに短すぎる時間内でちゃんと取材を成立させることができ、後日きちんと記事も書くことができるのか?」。なかなかそれを思い描くことができなかったので、どうしようと思ったのだ。決して取材したくないとかじゃない。それは断じてない。時間的に来日が迫っていることもあり、早急に返事をしなければならなかったので、「まぁ、なんとかなんだろ。イヤ、なんとかする」となり(笑)、取材をお願いし、相手をチェスターでリクエストした。

 取材は9月10日、追加公演開場前に会場となった幕張メッセのバックステージで行われた。規模のデカい会場だけあって、バックステージには無数の部屋がある。どの部屋もわりと広いし、サウンドチェック後から開場まではかなり静か、と取材するには抜群の環境だ。そのひとつの部屋に通され、取材準備をした。壁にかけられている時計が目をやるだけで見えるところにあえて座り、チェスターを待った。時間との勝負であることがはなっからわかっていたからだ。チェスターはめちゃくちゃ上機嫌だった。話も弾みながら進み、もう少しでタイムアップっていうところで、こう切り出してみた。「いつも取材時間って20〜30分じゃない。なんで今回は10分なの?」と。すると、チェスターはこう言って笑った。

「もっと話してもいいんだよ、ハハハハハ!」

 この一言を聞き逃すわけがない(笑)。咄嗟に「今、チェスターが1番話したいことってなんだろ?」と思いを巡らし、「そだ、復興支援についてだ、Music For Reliefに関してだ!」とピンときた。事実、前日の夜、東京・六本木のニコファーレで東日本大震災で被災した地域の復興支援チャリティーイベント、A Thousand Horizonを開き、メンバー全員が出席、集まったファンたちと交流した。それに関する質問をしてみたところまさにズバリで、チェスターは身を乗り出さんばかりに熱く語り出した。実は取材後にファンとのミート&グリートが予定されていた。その場にチェスターをアテンドするアメリカ人女性スタッフが部屋に入ってきて、立ち姿のまま無言で「もうとっくに取材が終わってなければいけない時間じゃないの!?」を強くアピールする。チェスターからは死角となりそのスタッフの姿が見えないのをいいことに、自分もあえて視界には入れず、さらに質問を続けた。結果、予定より15分押しの25分で取材は終了した。復興支援、そしてMusic Reliefについて話したいことを話せたっていう体のチェスターは満面の笑みを浮かべながら、そのスタッフのアテンドで部屋を出ていった。

 後日、取材時間の終わりが押したことで、ミート&グリートのスタートが遅れた、と聞いた。もし、これを読んでくださっているみなさんのなかにその場にいた、という人がいらっしゃるのなら遅れ、お待たせしてしまったことをお詫びしたい。そして、その夜LINKIN PARKの開演時刻も予定より数十分遅れた…。


■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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