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2013年2月1日 (金)
ウッドベースの竹下欣伸さんには、通常のレコーディング現場ではあり得ないほど指板を叩きながら演奏していただくようオーダー、驚くほど強力なグルーヴが生まれました。
ホーンセクションは僕が心から信頼する佐々木史郎さんと、これまで何度かご一緒していた本田雅人さんという超強力メンバー。休符さえもうねりに変えるとはこういうことか、と思わず唸り声の出る演奏でした。
本アルバムの共同プロデューサー石垣健太郎のボーカルディレクションはスパルタなので、歌録音の際はリズムの微妙な狂いも許してくれません。そのおかげでサビの多重録音コーラスはまるでエフェクトのような独特の響きに仕上がりました。
ホーンだけでなく、コーラスも21回多重録音して、それを惜しげもなく波形編集でバッサリカットしていきました。21本のコーラスが1つの音色として、曲のところどころに一瞬だけ現れることで、曲の隠れたアクセントになっています。
その他の部分でも、声素材だけでリズムを組んでいたり、ホーンセクション全体を1音色と捉えてリバースさせたりと、聴けば聴くほど新たな発見がある楽曲になっています。
リズムパターンが決まった後に、右手と左手が独立したフレーズのピアノを入れてトラックを引き締め、歌録音の後には、僕のライヴサポートを長年していただいている石川周之介さんのサックスソロを録音。バンドメンバーの3人だけで制作したことで、ストイックで引き締まったサウンドを構築できました。
管と弦のフレーズがそれぞれ独立してバラバラに動くアレンジを施して、アメリカではなくヨーロッパのミュージカルのような軽やかさと華やかさを演出しました。
曲の途中で歌に寄り添うNAOTOさんのソロバイオリンが絶品です。
曲冒頭からアウフタクトで弾き続けるピアノのアクセントを、サビからはベースラインが受け継ぐというアレンジ。楽曲全体をアウフタクトで覆うことで、歌詞のテーマでもある「若さ故の葛藤」を表現しました。曲途中やラストで現れる2パートのモノシンセフレーズの絡み方もぜひ味わってください。
ホーンセクションだけがスウィングする中間部から勝田さんの超絶サックスソロがなだれ込んでくるくだりは、何度聴いてもグッと心を鷲掴みにされます。
オブリはギターのハーモニクスとグロッケンを使い分けて作り、ストリングスは後半に向かって徐々に盛り上げ、ボイシングもクローズからオープンに広げています。
途中からテンポを倍で取ったスネアを小さく合わせたこともリズムの効果的なスパイスになりました。
歌詞を入れ子構造にして繰り返し、しかも繰り返し回がまったく逆の意味になるように作りましたが、おそらく一聴するだけでは気づかないと思います。でもそれで良いのです。人間のウラの顔などは一度や二度会っただけでは気づかないものなのです。
途中から現れる石川さんのサックスフレーズも、異なるフレーズを多重録音で重ねて1フレーズに聞こえるようアレンジ。ここでも「重ねる → 別のものになる」という効果をバックトラックで実践しています。
この曲の後半には、このアルバムで唯一の「シンセの白玉コード」を使用。幾重にも重ねて紡ぐ要素とは正反対の、被せるように包み込む要素を突然はさみこむことで、驚くほど立体的な効果が得られました。
リズムセクションも、強拍やバックビートを強調せず、ビートの強い拍がどこにも無い曲にすることで、時の刻みだけが淡々と進行するように表現しています。
そして、曲中で唯一ウッドベースだけが非常に細かいフレーズを奏でています。竹下さんでないと弾きこなせないほどの技巧的なリフによって、楽曲の持つ不思議な揺らぎがさらに増幅しました。
途中、ハープシコードとストリングスだけが奏でるパートでのNAOTOさんのバイオリン、これを聴くたびに自然に涙がこぼれそうになります。彼の演奏は聴く人の心をいつも揺さぶります。
気心知れた仲間たちとスタジオで一発録音するのは本当に楽しく、スタジオの幸せな空気すらも録音できたと思うほどのテイクを収められたと思います。その意味でもまさにこのアルバムの佳境と呼べる楽曲です。
加えて、曲冒頭に僕一人の多重録音コーラスを挿入することで、「20年前の楽曲を、10年前の演奏で、現在の僕が歌う」という時空のトライアングルが完成しました。
不思議な縁と面白さを感ぜずにはいられません。
単音のアコースティックギターとウッドベースの細かいパッセージで歌を支え、Bメロでのクッションを経由してサビで一気に奥行きと立体感を持たせました。
微妙な声質によって雰囲気ががらりと変わる繊細な楽曲なので、歌と多重録音コーラスの質感をそれぞれ丁寧に合わせながら録音しました。
そして、残響も音楽の一部にしたかったので、ピアノのペダルノイズや歌のブレスノイズもあえて残し、演奏の臨場感そのままを収録しました。
「何かの終わり」はいつも「何かの始まり」。このアルバムを完成させたことで「終わらせた達成感」と「始まる高揚感」が同時にやってきて、これまでの音楽人生で最も大きな感慨を噛みしめています。
中塚武 『Lyrics』 [2013年02月06日 発売]
今までも、メロディーメイカーとしての才能、アレンジャーとしての力量、楽曲プロデュースとしてのセンス等、多岐にわたる方面で恐るべきマルチプレイヤーぶりを発揮していたが、今作は、作詞・作曲・編曲・歌唱・ピアノ演奏・プログラミング・管弦オーケストラアレンジに至るまで、すべて本人自らが手がけた意欲作となった。琴線に触れるメロディーに加え、ジャスをベースにしながら、様々なジャンルの音楽を有機的に組み込んだ独創的な楽曲、アレンジはさらなる高みに達している。
また、特筆すべきは、「いま」を生きる同世代の日本人が漠然と抱く感情を、等身大に表現した歌詞世界(リリックス)。確かな視線の中に哲学的な趣きがある独特の語り口は、ストーリーテラーとしての中塚武の新たな魅力を感じさせる。日本語の持つ響きや語感をヒップでクールなサウンドプロダクションにより、極上の日本語ポップスへ昇華。まさに、大人が聴けるJAZZYなJ-POP。さらに、自らの歌唱により、さらりと仕上げていることも驚かされる。
全曲セルフプロデュースの楽曲群の中に収録されているフリッパーズ・ギター「恋とマシンガン」のカヴァー曲も秀逸。
ゲストミュージシャンには、松岡“matzz”高廣(quasimode)、YOHEI(JABBERLOOP)、NAOTO、佐々木史郎(ex.オルケスタ・デ・ラルス、熱帯JAZZ楽団)、河合わかば(米米CLUB、クレイジーケンバンド)他、現在の日本のクラブジャズ界を賑わす豪華ミュージシャン達が参加。 ミックスは、大沢伸一、TOWA TEI 、m-flo等で知られる今本修氏、マスタリングには、木村カエラ、クラムボン、PARIS MATCH等で知られる川ア洋(FLAIR)氏が担当。
PV「冷たい情熱」
収録曲
- 01. 冷たい情熱
- 02. 虹を見たかい
- 03. 愛の光、孤独の影
- 04. 涙に濡れた夢のかけら
- 05. 月を見上げてた
- 06. すばらしき世界
- 07. 白い砂のテーマ
- 08. ひとえ、ふたえ。
- 09. むかしの写真
- 10. トキノキセキ
- 11. 恋とマシンガン(Cover Song)
- 12. 終わりは始まり
【中塚武 プロフィール】
1998年、自ら主宰するバンド“QYPTHONE(キップソーン)”としてドイツのコンピレーション・アルバム『SUSHI4004』で海外デビュー。国内外での活動を経て、2004年にアルバム『JOY』でソロデビュー。以後、ジャズやラテンをベースに、ブラックミュージックやエレクトロニックなど様々な要素がクロスオーヴァーした独自のサウンド・プロダクションに定評があり、ソロ活動以外でも、CM/テレビ番組/映画音楽の制作、アーティストへの楽曲提供、プロデュースと幅広い活動が話題となる。今までに4枚のオリジナル・フルアルバムをリリース。2010年リリースの『ROCK'N'ROLL CIRCUS』がiTunes Storeエレクトロニック・チャート1位を獲得。全国各地でのライブや野外フェスにも多数出演する中、「音楽×映像×食」が融合された自身主催のライブイベント“BEAT COMMUNIST”をスタート。毎回満員の大好評を博している。2011年より、書き下ろしの新曲を定期的に無料配信するサービス“TAKESHI LAB”をサイト上に開設。同年6月には、 docomo AQUOS PHONE のCM曲「Black Screen」を配信限定でリリースし、そのミュージックビデオがiTunes Storeエレクトロニックチャートで1位を獲得。2012年には野宮真貴コンサートの音楽監督を務め、大きな話題を呼ぶ。同年4月からは、中塚武自身が惚れ込んだ音楽家による書き下ろし曲を毎月iTunes Store配信リリースする新企画“Delicatessen LAB”をスタート。iTunes Jazz Chartで4作連続1位という快挙を達成。同年7月発売の声優・花澤香菜のシングル「初恋ノオト」で全曲の作詞・作曲・編曲を担当し、オリコンチャート4位を記録。2013年は、中塚武としてのソロ活動10th Anniversary Year !同年2月に、3年振りとなるアルバム『Lyrics』をリリース。現在、祝☆10th Anniversary Yearを彩るプロジェクトを多々企画中。
[関連リンク]
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ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
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