THE OFFSPRINGのあの日、あの時 最終回 『THE OFFSPRINGのあの日、あの時』へ戻る

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2012年12月27日 (木)


9枚目『DAYS GO BY』から今現在、そして未来へ!
文●有島博志(GrindHouse)

 通算9枚目の新作『DAYS GO BY』は今年6月に発売された。PUNKSPRING 2012参戦から3ヵ月弱後のことだった。プロデューサーは前作『RISE AND FALL, RAGE AND GRACE』(2008年)同様、METALLICAMOTLEY CRUESIMPLE PLANほかとの仕事で知られる大御所ボブ・ロックだ。

 日本盤CDはUSオリジナル盤CDより3曲収録曲数が多い。クロージング・ナンバー「Slim Pickens Does The Right Thing And Rides The Bomb To Hell」終了から約2分程度の無音状態が続いた後、3曲の未発表ライヴ音源が聴ける。「Self Esteem」(3枚目『SMASH』収録曲)、「You're Gonna Go Far, Kid」(8枚目『RISE AND FALL, RAGE AND GRACE』収録曲)、「The Kids Aren't Alright」(5枚目『AMERICANA』収録曲)が、そうだ。シークレット・トラックとされているので、その楽曲名はジャケ周りはおろか、所属レコード会社のウェブサイトにすら掲載されていない。ようは日本盤のみのボーナス・トラックなのだけど、ここ2作ではシークレット、もしくはヒドゥン・トラックという言い方に徹し、そのトラックの素性を進んでは明らかにしていない。日本のレコード会社の前担当者、そして現担当者の説明によると、その強いこだわりはバンドより、むしろマネージャーの方にあるという。「全世界でまったく同じ内容のCDが流通することが望ましい」ということからくるもので、アーティストの存在、立場などを守るのが仕事なマネージャーがそう言ってくるのもわからなくはない。全盛期真っ只中にあった頃のNINE INCH NAILSTHE PRODIGYらもまったく同じことを強く主張していた。ときには「歌詞の対訳やライナー・ノーツもつけてはならぬ」という非常に厳しいお達しがきたことすらあった。実は上記シークレット・トラックが最終的に落ち着くまでには二転三転、イヤ四転ぐらいあったと、現担当者より聞いている。

 デクスター・ホーランド(vo,g)やヌードルズ(g)も認めているとおり、前作はある意味“原点回帰”なパンク・ロック作で、音像もその触感もザラッザラしていて尖がっていた。それに対し、今作は“今現在の空気を吸い込み、それを作風&音像などに反映させた”内容で、そこここで“モダンな音色やアレンジ”に出くわす。当たり前だけどTHE OFFSPRINGが作った、THE OFFSPRINGにしか作り得ない、THE OFFSPRINGならではの作品であることになんら変わりはない。個人的には「The Future Is Now」「Secrets From The Underground」「Days Go By」「Turning Into You」「Hurting As One」「Cruising California(Bumpin' Im My Trunk)」「OC Guns」「I Wanna Secret Family(With You)」「Dividing By Zero」などが好きだ(っていうか、ほぼ収録曲全曲に迫る勢いだ:笑)。なお、「Dirty Magic」は2枚目『IGNITION』('92年)収録曲の再録だ。今作制作中から「どうも昔の楽曲が再録され、収録されるようだ」という“噂”は漏れ聞こえていたのだけど、それが「Dirty Magic」になったというわけだ。

 そのフェイバリット・チューンの何曲かは自分が観た、10月に実現した単独公演東京2日目で披露された。特に「絶対演ってくんないだろうなー」と思っていただけに、レゲエな「OC Guns」がプレイされたときはもう感激で、すばらしいライヴでただでさえテンションが高まっていたのに、より極まったことは言うまでもないだろう(笑)。当日の開演前に、楽屋裏でデクスターとヌードルズを対面取材したことは前にも書いたとおりだ(http://www.grindhouse.jp/interview/ 参照)。取材終了後にホンの束の間だけどそのまま雑談となった。そのとき再度当夜のセットリストの話に。「“Cruising California(Bumpin' Im My Trunk)”を日本で初めて演るっていうのは意外だったよ」と振ったことに始まったもので、その流れで「普段“OC Guns”もセットリストに入れてんの?」と訊いたところ、デクスターがこう言った。「日本のファンはレゲエって好きかな?」と。で、すかさず「もちろんだよ!」と満面の笑みを浮かべて返した。それがきっかけのひとつとなって、その夜「OC Guns」が披露されたのかどうかは自分は知らない…(笑)。

 もちろん、『THE OFFSPRING』('89年)や『IGNITION』('92年)頃からTHE OFFSPRINGのことは知っていたし、少しは音楽も聴きかじっていた。この連載の最初の頃にも書いたとおり、バンドを取材したり、ライヴを観たりなどの仕事としても取り組むようになったのは、'94年に空前の世界的成功を収めた『SMASH』と、それと連動して大炸裂した“メロコア・ブーム”がきっかけだった。そして'95年1月の初来日公演のときに初めて、メンバー全員に会った。気づけば、あれから早いものでもう17、18年という長い歳月が流れた。当たり前だけど、その間彼らは歳を重ねた。メンバー・チェンジをし、根っからのパンク・ロック・バンドでいるべきか、それともエンタテイメント性の大幅導入に踏み切るべきか、といった葛藤を抱え、試行錯誤した時期もあった。当然、それと歩調を合わせるように自分も歳をとった。何度も書いたとおり、90年代初頭にアメリカを中心に起きたモダン・ロック(グランジ/オルタナティヴ・ロック、インダストリアル・ミュージック、ヘヴィ・ロックなど)の大潮流に対し、日本の洋楽市場は当初、歓迎という感じではなく、むしろ逆風さえ吹いていた。レコード会社のなかにも、また音楽メディアのなかにも支持者、理解者は極めて少なく、そうした関係者たちが寄れば集えば、必ずや「こういうタイプの音楽は日本では難しい、おそらく根づかないだろう」という後ろ向きな意見ばかりを口にした。そういう場に何度かいて「もう聞くのもうんざり」と思ったことは一度や二度ではなかった。

 そんなモダン・ロック劣勢の状況、環境を尻目にTHE OFFSPRINGGREEN DAYBAD RELIGIONRANCIDNOFXらが先鋒に立ち、グイグイ引っ張っていた“メロコア・ブーム”はまるです〜いすいっていう感じで台頭し、ものすごい勢いで広まり、根づき、大勢のファンを短期間で生んだ。モダン・ロック苦境と、このメロコア絶好調の格差はもうあり得ないくらいに著しく、また激しく、「いくらロックと言えど、わかりやすく、聴きやすく、入りやすいスタイルの方が断然、多くの人たちに受け入れられやすい」という今では当たり前に思うことをそのときイヤと言うほど痛感させられ、思い知らされた。THE OFFSPRINGとBAD RELIGIONの日本正式デビューはすなわち、日本の所属レコード会社、ソニーがEpitaph Recordsの作品の発売権を獲得し、その後続々と日本盤化していくことを意味していた。当時の担当者は音楽業界での後輩にあたり、しょっちゅう「もっともっとEpitaphや所属バンドたちを広めていこう!」といったようなことを合言葉に一緒になっていろいろなことに取り組んだ。進んで現場に赴き、何度も何度も非常に貴重な体験をさせてもらい、とてもレアな光景も目撃させてもらった。だからこそ、この連載も実現できた。それから何年か経って、その担当者は病気で他界した。なかでもTHE OFFSPRINGの現場が多かったこともあって、自分にとってこのTHE OFFSPRINGの存在はほかのバンドとまた違い、非常に特別な意味を持つ。自分のなかではその音楽やライヴなどから離れたところにも、THE OFFSPRINGはいる。

 先述した対面取材中、デクスターとヌードルズの仲のよさを改めて強く感じた。マイペースながら2人の間には“阿吽の呼吸”みたいなものがハッキリとあり、互いが互いを完全にわかり合っていると思しきやり取りが何度もあった。その雰囲気や光景はときに微笑ましくすらあった。グレッグ・K(b,vo)には久しく取材してないけど、おそらく2人と同じようなヴァイブを放ち、その対面取材に同席していたならより和気あいあいな感じになったことは想像に難くない。THE OFFSPRINGが結成されてからすでに四半世紀以上もの長い月日が流れている。その間『SMASH』で天下を獲り、“世界でもっとも名を知られ、多くに親しまれるパンク・ロック・バンドのひとつ”になる、という位置に立って以降、バンドは常にロック・シーンの最前線に立ち続け、今日までずっとカッコよくあり続けている。その理由がその音楽やライヴにあるのは周知の事実だけど、もっと奥深いところに横たわる“デクスター=ヌードルズ=グレッグ”なる“目に見えない強い絆”にもあることは間違いない。ヘンな言い方だけど、なんて人間的なバンドなんだろう、と思う。そんな彼らのことを、これからもいちファンとして、またいち音楽メディア人として大好きだし、変わらぬサポートをし続けていきたいと思う。

 手前味噌な話で恐縮だけど、GrindHouse magazineが2012年7月に創刊12周年を迎えた。それを機にフリーペーパー化した。その記念すべき第1号(通算Vol.73)で再びTHE OFFSPRINGに表紙に登場してもらった。デクスターとヌードルズに手渡したとき、2人が口を揃えて「お、表紙だ!」と口を突き、ニンマリ。その笑顔を目の当たりにしたときもう、嬉しかったのなんの(笑)。まさにこの仕事に就いてる者としての冥利につきる瞬間だった。ただ、残念ながらこの号の配布は終了している。

 2012年5月よりスタートし、7ヵ月以上続いたこの連載も、今回をもって終了する。みなさん、長いことご愛読ありがとうございました。


THE OFFSPRING 最新作ニュース


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■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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