LINKIN PARKのあの日、あの時 20 『LINKIN PARKのあの日、あの時』へ戻る

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2012年12月9日 (日)


4枚目『A THOUSAND SUNS』発売に伴う現地取材現場にて…
文●有島博志(GrindHouse)

 2010年7月21日、ロサンゼルスはハリウッドにあるリゾート系高級ホテルで『A THOUSAND SUNS』の試聴会と、メンバーとの対面取材が実現した。3枚目『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)発売直前のときと同じホテルで、視聴会から順次取材へと入っていく流れも同じだった。

 現地に赴く前、日本のレコード会社の担当嬢に再三、視聴会の現場で今作の音源全曲を聴いてから取材したいとお願いした。もちろん、彼女も相当頑張ってくれたのだけど、その確認がとれないどころか、それに対する返答すらなかった。今作の音楽的方向性と作風が『MINUTES TO MIDNIGHT』のそれとは著しく異なり、より違う方向へと進化していることが、前回書いた日本での試聴会のときにすでに大方わかっていたからだ。加えてマネージャー氏との立ち話のときに聞き出した「だって新作はまだ制作中で…」っていうのも気になった。それだけに余計、自分のなかでは音源全曲試聴→取材がマストだった。正直、少し不安なまま現地へ飛んだ。

 「どう受け取られるかな」と思う。だけどあえて書く。相手がどのアーティストでもさして変わらない。現地取材だとしても、来日取材だとしてもほとんど同じ。事前にそのアーティストの旧音源を聴きながら基本的な情報やそれまでのキャリアを再確認し、「どんなこと訊こうかなぁ」と軽く想いを巡らせる。その状態で取材に臨む。よほどのことがない限りメモってなんていうこともしないし、質問状を作成するなんていうこともない。「もしかしてぶっつけ本番?」と言われれば、「まさにそのとおりで」だ(笑)。だけど誤解しないでほしい。決して手を抜いてるわけでもないし、テキトーにやっているわけでもない。取材相手と向き合い、少し話をしてみると、その人の感じとか、その日のヴァイブとかがだいたいわかる。それを受けて質問する内容を変えたりしつつ話を進める。相手と初対面か否かで進め方が違ったりもする。相手が誰であれ、取材の舵取り権はあくまでも取材側にある。つまりその場の雰囲気や相手のヴァイブに合わせるように、取材するというよりむしろ会話する、ということに“重き”を置く。よって相手の表情をよく見、言葉尻まで聞き漏らさないよう意図している。前にも同じことを書いたと思うけど、取材する側が一方的に訊きたいことだけを訊く、というのでは取材というものは成立しない。表面的にはうまく成立したように見えることもあるだろうけど、そういうのは取材とは言わない、と思う。ただ、このときのLINKIN PARKの取材のときはさすがに、いくつかの要点を殴り書きしたメモをもっていった(苦笑)。現地での試聴会のとき指定時刻よりも早く現場にきて新音源を数回聴きながら質問を考えている取材陣がいるけど、まさしく人は人。自分は新音源を聴いて得た“第一印象”で作品やその音楽の話を聞く。

 だけど、困った。試聴会のときに聴けた新音源は日本で事前に聴いたのとまったく同じだった。冒頭、現地のWarner Brothers Recordsのスタッフが「バンドは今もなお新作を制作過程ただ中にある」との説明があった。それからは「もしかして難産!?」と思えた。

 取材を受けてくれたのは、チェスター・ベニントン(vo)とデイヴィッド・“フェニックス”・ファレル(b)組と、マイク・シノダ(vo,g,key)とロブ・ボードン(ds)組だ。4人それぞれ今作に関して、開口一番こう言った。

「すごく興奮している。長い間制作モードにどっぷり浸かっていたから、作品を発売するっていうのが少し不思議な感じでもある。あと数日で完全に仕上がるよ」とチェスター。

「これまでのどの作品よりも、今作に一番興奮している気がするよ。今作はこれまでとは確実に違う。ファンたちがどう思うかがすごく興味があるんだ。2年間もかけて作り続けてるわけだからもう聴き慣れてるところがあってね(笑)。今作の音楽性がもう僕たちにとってはノーマルにすら感じられるんだ。だけどほかの人たちがどう思うかを知るのはワクワクするね」とフェニックス。

「今作をすごく誇りに思っているんだ。制作過程も楽しかったし、そのなかでたくさんのことを学んだ。全体的に本当にポジティヴだった。メンバー全員がミュージシャンとしてさらに成長し、僕たちの音楽と一緒に進化していることが実感できてすごく楽しかったよ」とロブ。

 そして、マイクだ。
「ファンたちのなかには今作を理解するのが難しい人もいると思う。制作過程は実に自然に始まった。すごくオーガニックだった。楽曲になんの構成もなく、フリーフォームで単純に音楽を作っていったんだ。それにより僕たちはそれまでとは違う方向に導かれ、そこから進化して進化して、また進化した音楽が、今作で聴けるものなんだ。だからみんなにとっては馴染みのないものに感じられるだろうね。それでもLINKIN PARKだっていうことは言い当てられるものだと思うけど、ショックを覚える回数は多いと思う」

 今作の収録曲数は、日本盤のみにボーナス・トラックとして追加収録された「New Divide(LIVE)」を除くと全15曲。その半分の楽曲数しか聴けず、作品の全体像もまったく掴めぬままでの取材は、まさに手探り状態で質問している感覚に近く、踏み込むにも踏み込むポイントすら見出せない、というそれまでに経験したことのないものだった。メンバー4人は全員、めちゃくちゃ上機嫌で、笑顔を浮かべる回数が多かったのなんの(笑)。2年間もの長い歳月を費やしつつ可能な限りの新たな冒険、挑戦をした結果、思い通りの作品となり、しかもそれが完成目前にあったわけだから顔を崩しっぱなしでも当然だ。だけど、このときの自分は4人とは真反対で、今だから言えるのだけど正直かなり苦戦したし、完全に劣勢だった。

 マイクは今作について、さらにこう話した。
「今作の、人々の予想に逆らうところが特に気に入っているんだ。たとえば楽曲が左にいくだろうなと思ったら右に行くとか。ラウドで、エキサイティングで、ヘヴィなサウンドにしようとするとき、実はギターなしでもそういうものが作れる。今回意識的にそうやった。とあるパートにより高音のメロディが必要だとするよね。前はそれをある楽器でプレイしていた。だけど今はその楽器の選択肢は無制限さ。だからなにか予想できるものが出てきたとき、常にそれとは逆の方向にいくようにした。今作の重要な部分の多くは、そうやって作ったんだ」

 このときの嬉しそうで、かつ誇らしげに話すマイクの表情っていったらなかったなー、と今思い出す。そのマイクと対峙していた自分はひたすら心中複雑だったのだけど(笑)。次回は現地取材話の続編をお届けする。このときの現地取材記事を掲載し、GrindHouse magazineにとって4度目のLINKIN PARK表紙登場となったのが、右側にあるVol.62だ。当時チェスターのターバン姿がちょっと話題になった(笑)。


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■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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