LINKIN PARKのあの日、あの時 18

2012年11月11日 (日)


話は、いよいよ 4枚目『A THOUSAND SUNS』へと突入!
文●有島博志(GrindHouse)

 連載前回第17回に書いた。2010年1月、チェスター・ベニントン(vo)が『OUT OF ASHES』を引っさげ、別バンド、DEAD BY SUNRISEで来日、滞在中に対面取材の機会を得た。当時まだ、制作過程のただ中にあると伝えられていたLINKIN PARKとしての通算4枚目『A THOUSAND SUNS』についても訊いた。別バンドの取材のときに“本家バンド”に関する話を向けると、それを快く思わないアーティストもなかにはいる。「その話はバンドが違うから、別の機会にしてくれないかな」と。チェスターがこの問いにどう反応してくるかにも興味があったので、あえて「LINKIN PARKの次作ってどんな感じになりそう?」と質問した。するとチェスターはしごく普通に、それまでの話の延長線といった感じで、こう語った。

「少し前から新作制作を始めているけど、完成までにはまだまだかかりそうだよ(苦笑)。いい楽曲をもっとたくさん書かなきゃならない。新作が完成する日がとても楽しみさ。これまでの作品と違うところは…音楽がね、結構クレイジーになっている(笑)。かなり実験的だし、自分たちの限界を押し広げ、サイケデリックなところもありながらアグレッシヴな音楽になると思う。それもメタルじゃないアグレッシヴさに挑戦している。LINKIN PARKはメタル・バンドじゃないっていうことを、さらにハッキリさせたいんだ。人々が混同しないようにね。もちろん、LINKIN PARKはヘヴィでアグレッシヴなバンドさ。メタルのそれらとは違う、ヘヴィさ、アグレッシヴさの打ち出し方を十分に確立した。とにかく、俺たちはあえてセーフティにはいかない方向を選んでいる。自分たちの得意なものばかりをやるんじゃなく、挑戦している。そういうところに、自分たちでも誇りを持って作っているから、ファンのみんなにも俺と同じくらい新作を気に入ってもらえたら嬉しいね。とは言え、今はこうしてDEAD BY SUNRISEでライヴをやりに日本にきてるけど(笑)。どっちも楽しんでやってはいるものの、LINKIN PARKとしての新作制作中のスタジオから抜け出し、DEAD BY SUNRISEの活動をするのは、いいことなのか悪いことなのか、自分でも判断がつかないっていうのが正直なところさ(苦笑)。だけど、いい音楽であることは確かだからDEAD BY SUNRISEは今後も続けていくよ」

 本題から逸れることではある。だけど、とても印象的なことだったので書く。DEAD BY SUNRISEで会ったときのチェスターと、LINKIN PARKの一員として会うときのチェスターとでは明らかにノリもヴァイブもムードも雰囲気も違う。DEAD BY SUNRISEのときのチェスターはもっとリラックスしてて、ときに思いっ切りはっちゃけるときすらある。LINKIN PARKに出会ってからもう長い、12年になる。その間何度となくチェスターを取材してきた。だけどDEAD BY SUNRISEのときのようなチェスターには、一度たりともお目にかかったことがない。チェスターはこう言って、それを認めた。

「LINKIN PARKとDEAD BY SUNRISEとではまるで違う生き物であり、バンドだよ。その違いを楽しみながらやっている、っていうところもあるんだけどね。だけど実際のところさ、LINKIN PARKとDEAD BY SUNRISEとでは俺自身まったく違う人間になっているんじゃないかって思うね。特にライヴではなおさら。俺が作った楽曲、歌詞、メロディとは言っても、LINKIN PARKでは俺はあくまでもバンドの一員であり、作品は俺やマイク(・シノダ/vo,g,key)、そのほかのメンバーみんなのコラボレーションだ。だから俺はあくまでもバンドの一部である必要があり、プレッシャーも相当なものだ。だけどDEAD BY SUNRISEは俺主導・先導のバンドだし、もちろん責任はデカいんだけど、その責任の質、類が全然違って、とてもリラックスしつつマイペースでやれるんだよね」

 今改めて言うことではないけど、3枚目『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)発売に伴う全活動を締めくくった時点で、LINKIN PARKは欧米同様、ここ日本でも“巨大ロック・モンスター”と化していた。実に“業界ちっく話”ながら、デビュー作『HYBRID THEORY』(2000年)、2枚目『METEORA』(2003年)、そして『MINUTES TO MIDNIGHT』それぞれが50万枚以上売れていた。大変なヒットだ。“CD不況”という言葉が頻繁に囁かれるようになり、日に日にその現実味を帯びてきていた時期だっただけに余計、LINKIN PARKの次作にかかる期待感はデカく、集まる注目度も強かった。この頃CDショップにいき、ロック系バイヤーたちと話をするたびに、みなが「次にLINKIN PARKはどういう作品を作ってくるんですかねぇ、楽しみなんです」と口を揃えた。なかには熱弁をふるうバイヤーもいて、時折その熱さから“リンキン頼み”なる言葉が頭をよぎったほどだった。そうした周囲の並々ならぬ希望&期待と、先のチェスターの発言から薄ら臭わせた、LINKIN PARKが次に向かおうとしている音楽的なところとの間にはすでに“大きな隔たり”が生じていた。

 それまでのLINKIN PARKであり続けてほしい周囲と、あえてそこから脱却し、“完全決裂”すら意識していたLINKIN PARK。話を先に急ぐけど、その極端なまでの違いが素直かつストレートに出たのが、『A THOUSAND SUNS』(2010年)なのだ。先行1stシングル楽曲は「The Catalyst」。解禁後、この楽曲1曲のみが受注のため各CDショップ・チェーン各店のバイヤーのもとに届けられた。それまでとは楽曲/音楽スタイルも、ベクトルを向ける方向も異なるその1曲が及ぼした衝撃は、まさに超ド級だった。バイヤーたちから聞こえてきた声は、「コレ、本当にLINKIN PARKの新曲ですか?」「この楽曲がこんな感じなんで、もちろん期待はしていますけど、同時に新作には不安もあります」「いったいどうしちゃったんですか、LINKIN PARK?」「もし新作が全曲“The Catalyst”のようだったら、ボク新作をガッツリ売る自信ないです」etc. etc….とネガティヴな意見が大勢を占めた。そうした意見に自分はどう答えたか? 時期的にまだ全曲聴けてなかったことから、答えようがなかった、っていうのが正直なところだった。「俺も新作には期待しているんだよ」って言うのが精一杯だった(苦笑)。

 世界には“巨大ロック・モンスター”がいくつもいる。だけど、新楽曲たった1曲でここまでの反応が、CDショップという、ある意味音楽市場の最前線のあちこちから一斉に上がる、なんていう経験を、このとき初めてした。それまでとは違うアングル、内容で、LINKIN PARKのすごさを改めて思い知らされた。次回はより深く『A THOUSAND SUNS』へ入っていく…。


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■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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