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【連載コラム】古川本舗 「古川本舗設定資料集」(最終回)

2012年11月5日 (月)


古川本舗




 古川です。いよいよこのコラムも三回目です。そして最終回です。
こりゃ寂しいですね。湿っぽくなるのは嫌なので景気付けに音楽をかけましょう。
俺の。駄目だ。湿っぽい。

 ダウンロード販売や一曲単位で音楽を聞くのがスタンダードになったこのご時世、アルバムを出す意味やコンセプトというものが凄く大事なんじゃないかと思います。何をもってして作品を構成するのか、出来上がった作品はどういうもので、自分のキャリアという文脈の中でどういう位置づけをもっているか、前後の作品との行間はどうだ…。
 こういうことは考え出したらきりがないし、ひょっとしたらわざわざ人に提示するものではなくて、個人的にもっていればいいだけの考えなのかもしれないですが、こうして少しでも自分の頭の中身を共有してもらうことで、作品の理解が深まったり広がったりするならとても嬉しいと思います。
 改めてこのコラムを書く機会を与えてくれたHMVさんと、読んでくれた皆さんに感謝を。ありがとう。

 そんなわけで楽曲解説第三回目、はじまりはじまりー。


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 この曲は元々アルバムに収録するつもりはなかったんですが、たまたまニコニコ動画でばずぱんだ君がこの動画を上げていたのを見て、一発で惚れ込んでしまったのがきっかけで収録曲に昇格しました。  コーラスアレンジやギターアレンジ等、自分の中にはあるような無いような感性は新鮮でした。




 メイコさんです。この曲はできる前からメイコさんを想定して作っていました。楽曲としては「奔放(?)な女性に振り回される男のはなし…」という所なんですがこのフレーズで「!!」と思った方はだいぶ前から僕の事を知っている人ですね。ありがとう。
 このストーリーの大枠は、前作に収録された「Alice」という楽曲と同じなんですね。そして前作で「Alice」を歌ってくれていたのもメイコさん。というわけで「Alice2」みたいな位置づけの曲だったりします。コード進行や構成なんかも結構寄せたりしているので割とそのままに近い状態でどちらのメロも歌えたりします。こういう歌う人を基準に紐づけて曲を作るっていう仕掛けも面白いもんですね。




 この曲はレコーディング後半になるまでなかなか完成しなかった曲でした。なんとなくBメロあたりまではスムーズにできていたんですが、サビメロの着地がどうも悪く、5、6パターン作ったところで放置していたような状態でした。
 ある日ふと思い立って19歳の頃に作った曲のサビを当てはめてみたらビンゴ。凄く美しいハマりを見せてくれました。19歳のときにボツッた曲が13年の時を経て完成。なんか感慨深いものがありますね。
 YeYeさんの声を初めて聞いたときに、スムーズにこの曲を歌っているイメージが自分の中に湧いたのを覚えています(勝手な話ですが!)なので受けていただいた時は本当に嬉しかったです。出来上がった歌も必然と言っていいレベルでバッチリハマる感じでした。




 この曲も原型はだいぶ昔、8年近く前に作った曲が原型でした。その頃とは歌詞も曲も大きく変化したんですが、8年越しでやっと完成したと言える気がします。
 この曲を山崎さんに歌ってもらうイメージと言うのはアルバムのかなり早い企画段階で自分の中にはあって、そこから逆算して細かいアレンジを構成したり、微妙に変化させたりという作業でした。楽曲のもつ雰囲気を大きく変化させずに芯の部分を山崎さんの声に合わせてそっと空ける作業。最終的に山崎さんからキーを頂いて、間奏のイメージを再構成、アルバムの最後の曲の最後のフレーズをどう着地させるのがよりトータルコンセプトに近づくのかを考える作業。感覚としては「ガールフレンド・フロム・キョウト」というアルバムは11曲目のfamilyで終了し、エンディングテーマとしてこの曲が流れるというイメージでした。アコギ一本のところから始まり、ピアノが録音され、ストリングス、ベースと入って、山崎さんの歌が乗り、トランペットの中野さんのソロが入って、最後の最後のフレーズをどうする!と言う話になった時、スタジオでacane_madderと一緒に「子どもの声だ!」と同時に思いつきました。(ちなみにエンディングを歌ってくれた梨紗ちゃんはストリングスアレンジ久保君の娘さんです)


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 古川本舗セカンドアルバム「ガールフレンド・フロム・キョウト」は大切なものを無くした人の慟哭とピアノの悲しい音から始まり、壮大なストリングスとバンドセット、トランペットの音に囲まれた幸せな子どもの歌で終わります。暗から明への大きな流れ、アルバムとして通して聞く事の意味が込められたオープニングとエンディングです。
 このアルバムで、アルバムを通して聞くという聞き方の楽しみを再確認してもらえたり、その聞き方で色んなアルバムを聞くという楽しみを改めて感じてもらえたらこんなに嬉しい事は無いです。

 改めてになりますが短い間でしたがコラム、楽しかったです、またどこかで会えると良いなあ!
そしてアルバム「ガールフレンド・フロム・キョウト」どうかよろしくお願いします。末永くおそばにおいてやってくださいまし。

古川本舗







古川本舗インタビュー&無人島企画を11/6(『ガールフレンド・フロム・キョウト』入荷日)にアップ!最後までお楽しみに!


new album


 古川本舗 『ガールフレンド フロム キョウト』
11月7日発売

収録楽曲

  • 01. 魔法 feat.ちょまいよ   
  • 02. 月光食堂 feat.acane_madder   
  • 03. グレゴリオ feat.ちびた   
  • 04. ルーム feat.花近
  • 05. KAMAKURA feat.古川本舗
  • 06. IVY feat.歌うキッチン
  • 07. KYOTO feat.アイコ(from advantage Lucy)
  • 08. 春の feat.大坪加奈(from Spangle call Lilli line)
  • 09. はなれ、ばなれ feat.ばずぱんだ
  • 10. 恋の惑星 feat.拝郷メイコ
  • 11. family feat.YeYe
  • 12. girlfriend feat.山崎ゆかり(from 空気公団)


HMVオリジナル特典

ポストカード
※特典の有無は商品詳細ページでご確認下さい

商品レビュー

前作から約1年半ぶりとなる全12曲を収録した2ndアルバムは、古川本舗の新機軸ともいえるアコースティックピアノを基調としたバンドサウンドによるミドルナンバー「魔法」から始まり、浮遊感漂うフォークトロニカな「ルーム」、advantage Lucyのアイコが歌う柔らかで温かい手触りポップミュージック「KYOTO」、SCLLの大坪による冷静で明晰、ウィスパーヴォイスが織りなすクワイエット・エコーな「春の」、柔らかく暖かい歌声のYeYeが歌うカントリー風味のダンスミュージック「family」、壮大なナンバーでラストを飾る空気公団の山崎ゆかりを迎えた「girlfriend」など聴きどころ満載な作品に仕上がっている。


1stアルバム

Alice In Wonderword

2011年6月15日発売







VOCALOIDシーンでは珍しく、バンドサウンド・電子音を駆使したロック、エレクトロニカ、フォーク等、扱うジャンルは多岐に渡るが、哀愁のある世界観をもつポストロック的な楽曲を投稿するクリエーター。作曲からデザイン まで幅広い分野を手がけ他のクリエイターやイラストレーターといった制作者サイドから強いリスペクトを受けており、他のプロデューサーによる古川本舗作品のカバーやREMIXが多数存在。

古川本舗 official site


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