THE OFFSPRINGのあの日、あの時 13 『THE OFFSPRINGのあの日、あの時』へ戻る

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2012年10月31日 (水)


ロン・ウェルティ(ds)脱退、そして通算7枚目『SPLINTER』発売!
文●有島博志(GrindHouse)

 通算6枚目にあたる前作『CONSPIRACY OF ONE』発売を機に、THE OFFSPRINGは再びワールド・ツアーに出た。発売から4ヵ月後の2001年3月に単独公演で再来日し、翌2002年8月開催のサマソニ2002参戦で再度日本の地を踏んでいる。大変お恥ずかしい話なのだけど、この時期の記憶がめちゃくちゃ曖昧なのだ。サマソニ2002参戦時に取材がなかったことは唯一確かなのだけど、単独公演で滞在したときに取材ができたのか、それともライヴ観戦のみで終わったのかがどうにもこうにも思い出せないのだ。ただ、時期的に2000年代前半は、欧米のロック・シーンの動向をこの目で見て、この肌で感じることにまるで憑りつかれたかのように躍起になっていた頃なので、出張であちこち飛び回っていて(トータルで1年の1/3ほど)、単独来日公演時に日本に不在だった可能性は十分にあり得る。これにより当時、本当は観たかったのに観損ねたライヴが実はたくさんある。その後解散してしまったバンドもなかにはいて、“後悔先に立たず”というのを何度か味わい、悔しい想いをしたことがある。「あのときのライヴ観たかったなぁ、日本にいればよかったなぁ…」と、正直今も時折なにかの拍子にそういうことが蘇ることがある(苦笑)。

 『CONSPRACY OF ONE』発売に伴う全ライヴ活動を終えた2003年初頭、3代目で'87年に参加して以来、15年以上の長きにわたり、メンバーと苦楽をともにしてきたドラマー、ロン・ウェルティが脱退を表明する。当時、ロン自身やほかのメンバーによる声明がなかったため、その経緯などは一切明らかになっていない。ただ、ロンがその少し前からドラマーと共同プロデューサーとして参画していたSTEADY GROUNDの活動に専念するため、というのは言われていた。STEADY GROUNDはロンを中心とした5人組で、2007年にBand-Aid On Bulletという名を聞いたこともないスモール・レーベルより『JETTISON』(日本盤未発売)なるタイトルでフル・アルバムを発売している。この作品を今なお未聴なのだけど、すでに絶版となっているので入手はかなり難しいと思う。いわゆるオルタナティヴ・ロックを演り、STONE TEMPLE PILOTSPEARL JAMなどに近いスタイルだったそうだ。が、しかし、それから間もなくバンドは解散した。ロン脱退で、THE OFFSPRINGはしばしの間正式ドラマー不在となる。こうした状況は結成以来初めてのことだ。よって『CONSPRACY OF ONE』に続く次作は、デクスター・ホーランド(vo,g)、ヌードルズ(g)、グレッグ・K(b)の3人に、セッション・ドラマーとしてあまりに名高いジョシュ・フリーズ(ds)を招いて制作された。一応THE VANDALSDEVOのパーマネント・メンバーとは言われているものの、NINE INCH NAILSTOOLのメイナード・ジェイムズ・キーナン(vo)がフロントに立つA PERFECT CIRCLE、そしてGUNS N' ROSESなどのレコーディング/ツアーに参加したという輝かしいキャリアを持つ、まさに“ドラム・スティックを握る渡り鳥”だ。

 その次作には『SPLINTER』なるタイトルが冠せられ、2003年12月に発売された。発売から遡ること8ヵ月前の同年4月1日に、こんなことがあった。新作のタイトルが突如『CHINESE DEMOCRACY (YOU SNOOZE, YOU LOSE)』になる、ということがなんの前触れもなくTHE OFFSPRING側からアナウンスされた。これは当時、延期につぐ延期を重ね、なかなか発売に至らなかったGUNS N' ROSESの新作『CHINESE DEMOCRACY』をネタにしたジョークだった(2009年にようやく発売)。これを知ったアクセル・ローズは激怒し、THE OFFSPRING側にアルバム・タイトルの変更を求める警告状を送りつけるという事態にまで発展した。だけど、これがエイプリル・フールのジョークだとわかった直後、警告状は取り下げられた、っていうエピソードが残っている。後日、デクスターはこういう声明を出している。

「ぼんやりしているとヘマするぜ。アクセルが俺のいろんなところをパクッたんで、お返しにヤツのアルバム・タイトルをパクッてやったのさ」

このコメントが再度アクセルを刺激したことは言うまでもない(笑)。

 実は今作は、本国USでは未成年者に悪影響を与えるとした警告シール、つまり“Parental Advisory - Explicit Content”を貼られて出荷されたTHE OFFSPRINGにとって初の作品となった。それまでの作品にも口汚い言葉は使われていたにもかかわらず、なぜこの作品からその対象になったのかは今もって謎のままだ。それまでにやったことのなかった、エレクトロニック・サンプルをふんだんにまぶしたパーティ/ダンス・チューン「Hit That」が1stリード・シングル楽曲となり、MTVの援護射撃によりスマッシュ・ヒットとなったものの、今作の出足は鈍く、USチャートでは初登場30位止まりだった。チャートのトップ20に飛び込んだのは世界4ヵ国と少なかった。そのなかにおいて日本での人気度、評価度は相変わらず高く、オリコン・チャート8位に初登場し、短期間で10万枚以上売れ、ゴールド・ディスクに認定された。

 3枚目『SMASH』('94年)以降、日本のレコード会社の彼らへの気合いの入れよう、力の入れようはハンパなかった。それを如実に物語る“宣材”を最近、偶然見つけた。今作を強烈なインパクトを持ってあちこちにプロモーションするために作られたものだ。バンドロゴ & 例のスカル・ロゴと、今作のタイトルに発売日がプリントされたピサのデリバリー・ボックスに“宣材キット”が入れられて、そのボックスのまま送られてきたのだ(ボックス裏側に弊社の住所や社名などをプリントしたシールが貼られている)。“宣材キット”として、今作の全曲入りCDR(当時はまだ音源管理が今ほど厳しくなかった)、“THE OFFSPRINGが30倍楽しめる”と謳ったダイジェスト映像が入ったVHSテープ(時代を物語る:笑)、そしてデリバリー・メニューをパロッた“これを読めば瞬時にTHE OFFSPRINGがわかる”的な6pのミニ・ブックレット、そしてバンドのミニ・ステッカーが入っていた。右にある写真が、それだ。日本に限らず、当時の音楽業界にはそうした“遊び心”が満ちあふれていた。多くの人たちがその“遊び心”に真剣に取り組み、心底楽しんでやっていた。これぞ、音楽業界に留まらず、エンタテイメント業界全体の“原点”だ。この時代にはまだ、それが息づいていた。

 今作もまた、改めて言うまでもなくTHE OFFSPRINGだからこそ作れる、THE OFFSPRINGならではの作風だ。「Hit That」が先述したとおり、初めてエレクトロニック・サンプルを取り入れたダンス/パーティ・チューンとなったこと、「Race Against Myself」がこれまでになかったニュアンス、タッチ、ヴァイブに彩られている楽曲であること、「The Worst Hangover Ever」がレゲエ初挑戦ナンバーであること、オリジナル収録曲最後を飾る「WHEN YOU'RE IN PRISON」が30〜40年代のヨーロッパ調ポップスを彷彿させる楽曲であることなど、それまでにやったことのないタイプ/スタイルの楽曲が数曲ある。“オフスプ節”という基礎、根幹は一切ブラすことなく、それでいて新しいことにも積極的にトライしていく、いつもの彼ららしい作品だ。先日の再来日の東京初日、2日目公演のセットリストが手元にあるのだけど、両日で「Hit That」が披露されている。

 なお、その再来日中にデクスターとヌードルズへの対面取材が実現。そのpart 1が現在GrindHouse web( www.grindhouse.jp )で公開中だ。part 2も近日up予定だ。


THE OFFSPRING関連タイトル!

PENNYWISE / 『PENNYWISE』('91年)
 長らく“メロコア勢”において中堅どころの代表格と目されてきたのが、このPENNYWISEだ。'88年にUS西海岸カリフォルニア州ハーモサ・ビーチで結成された4人組だ。Theologian Recordsより7インチEP『A WORD FROM THE WISE』('89年)、『WILDCARD』('89年)発売で音源デビューした彼らがEpitaph Recordsに移籍して出した初のフル・アルバムが、今作だ。ハリウッドにある、かつて“メロコア製造工場”とも言われたウェストビーチ・レコーダーズ・スタジオで生まれた作品で、バンドのセルフ・プロデュース作だ。当時数多いた“メロコア勢”のなかでもっともハードコア色を強く感じさせ、それはバンドのライフ・スタイルや音楽に取り組むアティテュードからくるものだとされる。巨漢フレッチャー・ドラッグが叩きつけるように刻むギター・リフに疾走するリズムと、湿り気を伴い、よく伸び、響くジム・リンドバーグのヴォーカルが一緒くたになってたたみかけ、疾走するさまはかなりカッコいい。シンガロング・パートが多いのも、彼らの特徴のひとつだ。3枚目『ABOUT TIME』('95年)発売直前に初来日した。アンコールでBEASTIE BOYSNIRVANAのカヴァーを演ったのが意外で、今でも憶えている。今春発売の10枚目『ALL OR NOTHING』制作前に脱退したジムが、最近復帰している。
文●有島博志(GrindHouse)

THE OFFSPRING 最新作ニュース


  • OFFSPRING ニューアルバム!
    4年ぶりとなった、待望の最新作!国内盤限定のシークレット・トラックで未発表ライヴ音源が3曲収録!

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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6THアルバム。プロデューサーは敏腕ブレンダン・オブライエン(2000年)

Conspiracy Of One

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パーティ/ダンス・チューン「Hit That」がスマッシュヒット

Splinter

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約7年間の発売延期の末にリリース

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    発売日:2008年11月21日


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最新作 (輸入盤/国内盤)

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  • Days Go By

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    Offspring

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    発売日:2012年06月27日


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Pennywise

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まとめ買い価格(税込) : ¥1,231

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