シュトックハウゼン：打楽器奏者のためのツィクルス

2012年10月7日 (日)

シュトックハウゼンの難曲、
打楽器奏者のためのツィクルス
カスケルによる迫真の名演！

「スタジオ・ライン・新音楽シリーズ（ＷＥＲＧＯ貴重な音源の初ＣＤ化シリーズ）最新盤。
　打楽器奏者のためのツィクルスは、1959年、クライニヒシュタイン打楽器コンクールのために作曲されたもので、複数の調律されたカウベル、アフリカのドラムなどといった楽器指定のある作品。楽器の調達が難しい場合は、似たような音色のものを用いることもできます。楽曲の長さも指定がありませんが、大抵９〜15分に収まります。
　1959年にこの作品の初演を務めた打楽器奏者カスケル（シュトックハウゼンの自主レーベルに収められた演奏もカスケルによるもの）は、「最初に楽譜を見た時はこの作品がどれほど難しいかすぐにはわからなかった」と語りますが、「作曲されたエレメンツが満ちた楽譜ながら、奏者には即興の自由が与えられている」など、楽器の調達、配置などの難しい問題を克服した素晴しい演奏を聴かせてくれます。ノイハウスはこの作品のために、新しい奏法を編み出したといいますので、どちらも興味深い演奏となっています。
　ピアノ作品Ｘは、無秩序と秩序を結び付けようとした作品。スケール（音階）を用いて、無秩序と秩序があらわされます。天才的離れ業師ジェフスキの技巧が光ります。（キングインターナショナル）

【収録情報】
シュトックハウゼン：
・打楽器奏者のためのツィクルス：第1版
　クリストフ・カスケル（打楽器）
　録音：1960年10月

・打楽器奏者のためのツィクルス：第2版
　マックス・ノイハウス（打楽器）
　録音：1963年2月

・ピアノ作品Ｘ
　フレデリク・ジェフスキ（ピアノ）
　録音：1964年12月

　DSDリマスタリング：2012年