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2012年9月20日 (木)
-- 6年ぶりの再始動ということですが、活動再開のきっかけとは?
大谷友介(以下、大谷): 昨年秋に久しぶり譲さんと再会して、そのとき『そろそろかな。』という感覚がふたりの中で直感的に生まれてきまして、じゃあ久々に始めてみようか、という感じです。バンドなのでやはりフィーリングが大切なので。それで今年に入って、ベルリンで曲作りに入り、いろいろ試行錯誤しながら曲を作っている中で、Polarisにふさわしい曲が出来始めたという感じです。
6年前はPolarisでやるとこういう感じになるだろうって、多少予測しながら作っていたところもあったんですけど、時間が経た今は、無理にPolarisサウンドを作るわけではなく、そこに変にしばられることなく、自然体で作っています。
柏原譲(以下、柏原): 大谷くんに、デモテープを聴かせてもらって、それをどうやってやろうかな?みたいな話をして、自然の流れで、ここまで来た感じです。Polarisという名前もない頃の感じ近くて、もう一回やり直している感じに近いです。
-- その間、大谷さんはソロ名義“SPENCER”として、柏原さんは“So many tears”のメンバーとしての活動などがありました。それぞれの活動が今回のPolaris再始動に与えた影響はどのようなものでしたか?
大谷: ソロ活動に限らず、この6年間、他アーティストのプロデュース(ハナレグミ、持田香織等)や映画音楽の制作、そのほか様々な形で、音楽を作ってきました。そういう活動をとおして、自分の音楽、自分自身の作曲をあらためて見つめ直せて、俯瞰出来た時間でした。またベルリン移住という大きな環境の変化も、より自分を自由に解放してくれました。
自分の音楽に対するこだわり、以前より音に素直に向かえるようになったので、今はより素直に、かつ以前より強い思いで、自分の音楽を作るようになってきています。また以前より音の一音一音を大切に丁寧に作るようになったかな。まだまだ道半ばですが。
柏原: 特にありませんが、自分がこれまで関わったすべてに間違いが無かったことを再確認できました。
-- お2人にとって、Polarisとはどのようなバンドなのでしょうか?
大谷: ソロ活動やいろんな場面で音を出してみて、自分の真ん中にある音楽のひとつだということに改めて気づいたというか。譲さんとふたりでやると自然とPolarisになる、という感覚です。
柏原: とても困難だが、チャレンジしがいのある音楽です。
-- 本作のメインタイトルとなる「光る音」は、10分を超える楽曲となっています。この楽曲の長さに行き着いた理由とは?また、どのようなイメージを持って制作されましたか?
大谷: 原曲が向かいたいほうに素直に導いていった結果、自然とこのぐらいのサイズだったという感じです。特別長い曲をつくろうと思ったわけでも、アレンジ的に長くしようとした、というようなものではないです。曲の持つ個性を、素直にのばしてあげた、という感じです。無理に曲を長くしたり短くしたりすると、個性のない空洞なものが出来てしまうものです。
今の時代がもつ空気感とか思想の中で、自分が素直に感じていることや想いを、自分のこころを包み隠さないで、詩と曲とサウンドで表現しています。
-- 「光る音」に限らずですが、楽曲の制作はどのような工程で行われているのでしょうか?
大谷: 曲によってかなり違うのですが、何かにインスピレーションを得たり、空から降ってきたり、脳内でパっとはじけたものなど、様々なときに作りためている曲のモチーフのストックや今の感覚で作るモチーフの中から、そのときの感覚でまとめてゆき、いわゆる作曲と作詞を大谷の中で進め完成させます。
今回は久々のPolarisというのもあり、自分自身でも音の感覚をしっかり掴みたい、音を感じたい、バンドでやるにあたりイメージを深めておきたいというのものあって、サウンドやアレンジを含めたかなりの部分までデモの段階でつめて作りました。今作の光る音のデモバージョンを聴いてみて下さい。その大谷デモを元にバンドで音を出し、レコーディングのためのバンドアレンジをつめました。デモはデモ、実際の録音は実際の録音で別物という考え方ではなく、デモの音でも良いものはそのまま実際の録音にもどんどん取り入れています。バンドの録音は歌以外、生楽器は基本一発録りです。歌も含め、いわゆる音の編集作業はあまり行いません。あまりエディットを行うと空気や感情が失われていくので。10分の曲なら、10分演奏します。コピペせずに演奏します。
録音が終わり、ミックスに入りますが、今回は沖縄のスタジオで行いました。デモの段階から楽曲に対するかなりはっきりしたイメージがあったので、ミックス作業に基本すべて立ち会い、エンジニアとともにトラックダウンを行いました。東京ではミックスは1日で終えるのが比較的通常ですが、今回は何度も聞き直しては、イメージに近づける作業を行い、2週間程度の時間をかけじっくりミックスをしました。
-- 本作のマスタリングは柏原さんが担当されています。マスタリングの際に特に気にかけることは、どのようなことでしょうか?
柏原: いつも変わりませんが、初聴の印象をスピーディーに処理することです。
-- 今回、ドラム&コーラスに茂木欣一さん(東京スカパラダイスオーケストラ/FISHMANS)、キーボードにHAKASE-SUNが参加されています。レコーディング時の思い出深いエピソードがありましたらお聞かせください。
柏原: みんなでカレーを食べたら、眠くなって困った思い出があります。
-- 現在、音楽以外で最も興味を惹かれる事は何でしょうか?
大谷: 旅。最近というわけではなくずっとですが、旅が好きです。旅し続ける生き方、いいですね。
柏原: 麺類
-- 今後のPolarisとして、またはそれぞれの活動でのご予定をお聞かせください。
『Polaris Live 2012 “光る音”』
■ 2012.12.21(金)代官山UNIT
Open 18:00 / Start 19:00
チケット料金:Adv. ¥4,000 Door ¥4,500(ドリンク別)
チケット一般発売:2012.10.13(土)
お問合せ:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999 www.red-hot.ne.jp
ローソンチケット:0570-084-003 (Lコード:72926)
■ 2012.12.23(日)京都METRO
Open 17:30 / Start 18:00
チケット料金:Adv. ¥4,000 Door ¥4,500(ドリンク別)
チケット一般発売:2012.10.27(土)
お問合せ:清水音泉 06-6357-3666
ローソンチケット:0570-084-005(Lコード:53544)
-- 最後に、本作をお聴きになるリスナーの皆さんへメッセージをお願いします。
大谷: 久しぶりのPolarisです。再び動き出すことになりました。どうぞよろしく。久々に聴く方も、初めて聴く方もいらっしゃると思いますが、音そのものをシンプルに聴いてもらえたらうれしいです。メッセージを感じ取る人、サウンドを楽しむ人、などなど、それぞれの自由な楽しみ方をしていただければさいわいです。
柏原: この曲が聞いてくださるみなさんのなんらかのきっかけになれますように。
Polaris 『光る音』 [2012年09月19日 発売]
カップリング曲「Nocturne」は、大谷らしい牧歌的でおおらかなメロディーが印象的。きらきら光るようなエレクトリックなループサウンドが曲全体のイメージを彩ります。夏の夕暮れ時、オレンジとブルーが混ざり合う空。そんな滲むような情景が思い浮かぶ、イマジネーション広がる楽曲となりました。
レコーディングには、柏原とはFISHMANSの盟友、茂木欣一がドラム&コーラス、HAKASE-SUNがキーボードとして参加。ミックスは、くるり、電気グルーヴ、TOKYO NO.1 SOUL SET等で知られる上原キコウ氏、マスタリングは柏原譲、自らが担当。瑞々しさに溢れた音響的グルーヴ感を感じさせる音は必聴です。また、アルバムジャケットには、Polarisのジャケットでお馴染みのムラタ有子の絵を起用。
収録曲
- 01. 光る音
- 02. Nocturne
- 03. hakka
- 04. 光る音(Berlin Demo Version)
【Polaris(ポラリス) プロフィール】
大谷友介(オオヤユウスケ)
/ギター・ヴォーカル
柏原譲/ベース
(L⇔R)
[関連リンク]
Polaris オフィシャルサイト
Polaris Twitter
SPENCER オフィシャルサイト
大谷友介 Twitter
So many tears オフィシャルサイト
柏原譲 Twitter
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