THE OFFSPRINGのあの日、あの時 9

2012年9月6日 (木)


5枚目『AMERICANA』発売!さらなる大ヒットに!!
文●有島博志(GrindHouse)

 通算5枚目『AMERICANA』は'98年11月に発売された。

 ジャケのイラストを手がけたのは、アメリカ人グラフィック・アーティストのフランク・コジック。ポップな背景に可愛いキャラを登場させ、色彩豊かな色合いで描くも、どこかに必ずブラック・ユーモアやグロさを漂わせる、というのを個性、得意とする。今作もブランコに乗った可愛い男の子がデッカいスナノミを抱えている、という現実離れしたものに(日本盤の初回生産分には特典として今作のジャケをモチーフとしたミニ・ポスターが封入されていた)。RED HOT CHILI PEPPERSNIRVANAPEARL JAMSTONE TEMPLE PILOTSMELVINSらのツアー・ポスターのイラストを描いたことで知られ、その独特な作風やタッチや色使いで“ロック界におけるトップ・ポスター・アーティストの1人”と言われるまでになった。その後はポスターだけじゃなく、作品のジャケも数多く手がけている。『MAN'S RUIN:POSTERS AND ART OF FRANK KOZIK』('97年)、『DESPERATE MEASURES EMPTY PLEASURES』(2002年)などのイラスト集も出版してて、今現在も洋書でのみ購入可能だ。かなりのロック好きとしても知られ、以前はインディー・レーベル、Man's Ruin Recordsも主宰。FU MANCHU、MELVINS、HIGH ON FIRETURBONEGROENTOMBEDといった相当な個性派バンドたちのシングル、EPを7インチや10インチで発売していた。KYUSSQUEENS OF THE STONE AGEのジョシュ・オム(vo,g)が一時かなりのご執心だったジャム・セッション・シリーズ、THE DESERT SESSIONSも当初はこのレーベルから音源を10インチ・シングルでコンスタントに発売していた。が、しかし、経営困難に直面し、2002年にレーベルは閉鎖された。また、今作に描かれてるバンド・ロゴのフォントは、BAD RELIGIONが初期から今日まで首尾一貫使用しているものと同じで、フリッツ・クアドラタの手によるものだ。

 今作は、THE OFFSPRINGの長いキャリアで3枚目『SMASH』('94年)に次ぐ2番目の大ヒット作となった。本国アメリカで発売初週で約18万枚売れ、チャートで初登場6位に輝いた。「Pretty Fly(For A White Guy)」をはじめ、「Why Don't You Get A Job?」「The Kids Aren't Alright」「She's Got Issue」と、聴く者に強烈な印象を与える楽曲群が次々とシングルとしてカットされ、精力的なツアーも相まって、今作は発売から22週という長きにわたってUSチャートのトップ10圏内に居座り、最高位2位まで上昇した。『SMASH』とは異なる世界観で彼ららしさをブレさせることなくキャッチネス & ポップネスを際立たせた作風で(ダークで混沌とした「Pay The Man」は除く)、RED HOT CHILI PEPPERS、ALICE IN CHAINSJANE'S ADDICTIONほかとの仕事で有名なデイヴ・ジャーデンがプロデュースしている。前作『IXNAY ON THE HOMBRE』('97年)のときと同じく、今作発売直前にカリフォルニア州オレンジ・カウンティにあるNitro Recordsのオフィスで、デクスター・ホーランド(vo,g)とヌードルス(g)に対面取材した。そのとき、ヌードルスは今作についてこう語った。

「これまでに自分たちが作ってきた音楽からかけ離れたような作品にはしたくなかったんだ。2枚目『IGNITION』('92年)から『SMASH』、そして『IXNAY ON THE HOMBRE』とうまい進化をとげてこられたと思う。手を広げすぎることなく、自分たちの範疇のなかにいて、そこでいろいろなことがやれる、そのさじ加減をわかっているんだ、オレたちは」

 デクスターが続けた。

「どのバンドにもそれぞれのやり方、主張の仕方っていうものがあると思うんだ。オレたちだって実際に自分たちが感じたことしかやれないし、表現もできないさ。新作(今作)はまさにその賜物で、ヌードルスが言ったとおりの作品だよ。たとえばPVね。自らをとてもコミカルに描き出すバンドもいれば、非常に真剣に描き出すバンドもいる。今、若いバンドたちは、もちろんオレたち以上にストリート・シーンと直接的なつながりがあるとは思うけど、彼らとオレたちとの間で感性がズレているのかいないのかはよくわからないんだよね(笑)。ただ、オレたちはいつ何時も自然にシーンとつながっていたいとは思うよ」

 極めて個人的な話で恐縮だ。自分にとってのTHE OFFSPRINGの一大フェイバリット作は連載第6回に書いたとおり、なんと言っても『SMASH』だ。「その順位のつけ方の基準はなんだ?」と突っ込まれそうだけど(笑)、その次が『IXNAY ON THE HOMBRE』で、それとほぼ並列なのが今作だ。その2作のそれと変わらず、今作もとにかく楽曲がいい。上記したシングル楽曲以外にも「Have You Ever」「Staring At The Sun」「Walla Walla」「The End Of The Line」「No Brakes」と揃い踏みだ。「Feelings」はブラジル人男性シンガー、モリス・アルバートの'75年のヒット曲のパロディ風カヴァー。彼らがカヴァー・チューンを作品のオリジナル収録曲として入れたのは、『SMASH』収録のTHE DIDJITSの「Killboy Powerhead」に続いて2度目だ。

 彼らは今作発売後、それまでよりも活動規模を大きくし、範囲も広げている。ホラー・コメディ映画『アイドル・ハンズ/僕の右手は殺人鬼?』('99年/日本劇場未公開。後にWOWOWにて放送)にバンドとして出演した。デクスター演じる登場人物が殺される前のスクール・ダンス・パーティのシーンで「Beheaded」と、RAMONESのカヴァーである「I Wanna Be Sedated」を演奏した。また、野外ロック・フェスティバルの元祖であるWoodstockの'99年7月開催に出演し、KORNBUSHと同じステージに上がった。そして'99年9月、3度目の来日が実現した。福岡を含む4都市7公演が行われ、サポートアクトとしてデクスターの主宰レーベル、Nitroに当時所属していたONE HIT WONDERが同行した。


THE OFFSPRING関連タイトル!

VARIOUS ARTISTS / 『PUNK-O-RAMA』('94年)
 いわゆる“メロコア・ブーム”が、いろいろ新しい現象を引き起こしたっていうことは連載第7回に書いた。そのうちのひとつに“メロコア・コンピ”がとにかくよく売れた、というのがある。それまでロック系コンピがヒットし、その収録アーティストが注目される、なんていうことはほぼないに等しかったゆえに余計、“メロコア・コンピ”のヒットは当時超異例と言われ、話題にもなった。今作は当時、“メロコア製造工場”“メロコア総本山”とまで言わしめ、完全にひとつのブランドと化していたEpitaph Recordsがシリーズ化し、発売を続けたコンピ第1弾。Epitaphはその頃はまさにそれ系バンドの宝庫で、THE OFFSPRINGBAD RELIGIONRANCIDNOFXPENNYWISEといった主軸勢を中心に、TOTAL CHAOSGAS HUFFERDOWN BY LAWTEN FOOT POLESNFUら“個性派たち”も漏れずに構成されている。毎作未発表音源が1、2曲収められているのも売りで、今作はTHE OFFSPRINGの、当時日本では未発売だったデビュー作『THE OFFSPRING』(‘89年)収録曲「Jennifer Lost The War」と、RANCIDの未発表音源「I Wanna Riot」が聴ける。日本盤価格が16曲入りで税込1,500円なる廉価も魅力で、CDショップのEpitaphコーナーから順調に売れた。このシリーズは2005年発売の第10弾まで続き、それには時代を物語るようにPV集のDVDがついていた。
文●有島博志(GrindHouse)

THE OFFSPRING 最新作ニュース


  • OFFSPRING ニューアルバム!
    4年ぶり、待望の新作がいよいよリリース!国内盤限定のシークレット・トラックで未発表ライヴ音源が3曲収録!

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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