MARILYN MANSONのあの日、あの時10

2012年8月11日 (土)


マンソンには素通りされたけど、トゥイギーが助けてくれた? 現地対面取材の事の顛末とは…
文●有島博志(GrindHouse)

 3枚目『MECHANICAL ANIMALS』発売に伴うMechanical Animals Tourは、'98年10月25日のUS中西部カンザス州ローレンスよりキックオフされた。同31日のミネソタ州セント・ポール公演を観るべく、そして再びマンソンに対面取材する機会を探りつつ現地へ飛んだ。

 決して偉そうに言うことではない。自分は長年この仕事に就いていて数多くのことを経験し、学んだ。そのひとつにこういうのがある。アメリカに限らず、欧米でツアー中にあるアーティストの対面取材をする場合、そのアーティストの存在がビックであればあるほど、たとえばロサンゼルスやニューヨークといった大都市は取材地として避けるということ。大都市だとどうしても、現地の各メディアからの取材リクエストが殺到し、レコード会社とマネージメントはその対応に追われ、仮に取材枠が出たとしても当然ながら現地メディアの方が優先されることが多々あるからだ。仮に取材枠をもらえたとしても、取材がライヴ終演後に楽屋で、となると招待客でゴッタ返し、現場は取材もままならない“喧騒”に包まれていたりする。それが地方都市だと、アーティストが時間を持て余していて、積極的に取材に応じてくれるということが少なくない。そう、あくまでも取材を実現させるということからいくと、地方都市は絶対狙い目なのだ(笑)。非常に困難と言われていた対面取材が地方都市に赴いたことで実現した、というケースがいくつもある。そのうちのひとつに、絶頂真っ只中にあった頃('93年)のSTONE TEMPLE PILOTSがある。当時の彼らはNIRVANAPEARL JAMと肩を並べるくらい取材するのが難しかった。が、US中東部ミシガン州ヴァル・デュー・レイクスという山んなかの小野外フェスティバル会場の現場で実現したことがある。なにしろ場所や環境がそういうところだ、メンバーみなヒマしていたからだ(笑)。

 MARILYN MANSONで飛んだミネソタ州セント・ポールは同州の州都。街の規模的にはミネアポリスに次ぐ第2の都市とは言え、典型的なアメリカのちっちゃな地方都市だ。空港に降り立ち、市内に向かう車中より街並みを見たとき、正直「マンソンとの対面取材はいける!」と踏んだ。日本からは当時のレコード会社の担当氏、洋楽ロック専門誌の編集者、そして自分がいき、確か在米の日本人通訳の方が現地で合流した、と記憶している。取材予定日は公演前日の30日。バンドと同じホテルに投宿していたことからツアー・マネージャーよりロビー待機を言い渡されていた。が、しかし、待てど暮らせど連絡もないし、スタッフがきて事情説明するでもない。30分、1時間、2時間…ただただ時間だけが経っていった。次第に取材団一行の間での会話がなくなり、みな一様に押し黙り、ちょこちょこ腕時計を見ては時間を確かめていた。たまにいかにもそれっぽい人がこっちに向かって歩いてくると、「すわっ!いよいよか!?」となるなど、小さなことでいちいち一喜一憂していた。もう、待つ限界を超えていたなによりの証拠だ。そんなときである、遠目にマンソンを視認した。数人のお連れたちに囲まれ、いかにも「ショッピングにいってましたー!」の体だった!お連れたちはたくさんのショッパーズ・バッグを抱えていた。この光景を目の当たりにしたとき、正直かなりイラッときたたことは言うまでもない(苦笑)。それからなおも待機は続き、結局4時間以上経ったときにようやくツアー・マネージャーのアシスタントが我々のところにきて待ちに待った取材実現を告げた。だけど、次に彼が言った言葉を聞いた瞬間、自分は耳を疑った。「トゥイギー(・ラミレズ/b)が応じるから」。確かに「え、マンソンじゃなくて!?」っていう想いは少なからずあったけど、自分はラッキー!だと思えた。というのも、前々からマンソン以外のメンバーにも話を聞きたいと思っていたからだ。取材用に用意された部屋に通されると、すぐにトゥイギーが入ってきて、「ごめんねー、すごく待たせちゃったんだよね?」と言って、すまなさそうな表情を浮かべた。その途端、長く長〜く待たされたことや、「わざわざセント・ポールくんだりまできたんだから、さすがに手ぶらじゃ帰れんわな」という途方にくれた感などは一気に吹き飛んだ。この取材で、彼の母親が元ダンサーでロックやメタルを教わったこと、もともとはギタリストであることなどを初めて知った。なにを隠そう、自分も母親に洋楽ロックを教わったという同じ経験があるため、取材は始終いい感じで進んだ。とても頭脳明晰な人で、後にマンソンの“右腕的存在”とまで言われるようになることにも納得がいった。

MANSON'S SINGLE COVER GALLERY

「ROCK IS DEAD」 (1999)
『MECHANICAL ANIMALS』からの3rdシングル。基本のジャケデザイン2種は同じで、パート1と2の違いはロゴの色と、マンソンの背景の色味だ。Bサイドでは「Man That You Fear」のアコースティック・ヴァージョンや、「I Don't Like the Drugs (But the Drugs Like Me)」のリミックス・ヴァージョンが聴ける。絶版。

 決してマンソンをナメていたわけじゃない。セント・ポールを軽く見ていたわけでもない。また、地方都市にいきさえすれば、ビッグなアーティストの取材がとれる可能性が高いということを過信していたわけでもない。残念ながらマンソンにはフラれたけど、代わってトゥイギーが大きな収穫をもたらしてくれたのだった。これは、今もなおいい思い出として残っている。

 翌31日のセント・ポール公演のときのセットリストが奇跡的に見つかった。
@The Reflecting God
AGreat Big White World
BCake and Sodomy
CPosthuman
DMechanical Animals
EI Want to Disappear
FSweet Dreams (are made of this)
GThe Speed of Pain
HRock is Dead
IThe Dope Show
JLunchbox
KUser Friendly
LI Don't Like the Drugs (But the Drugs Like Me)
MRock 'n' Roll Nigger
NThe Beautiful People
OIrresponsible Hate Anthem



MARILYN MANSON 関連タイトル!

尖りに尖ったポリティカルなハードコア・パンクでアンダーグラウンド・シーンに絶大な影響を与えたDEAD KENNEDYSの“奇才”ジェロ・ビアフラ(vo)と、インダストリアル・ミュージックとメタルを融合し始めていた頃のMINISTRYの“鬼才組”アル・ジュールゲンセン(g,programming) & ポール・バーカー(b, programming)によるサイド・プロジェクトが、このLARDだ。今作は3rdリリースにあたり、初のフル・アルバムとなった。ビアフラの甲高い声色をもってリリックを介して世に警告を発し、それをデジタル感控えめにしたアグレッシヴでヘヴィでスピーディなエレクトロ・ビートがときに支え、またときに引っ張っていくスタイルは当時、ハードコア・パンク、そしてインダストリアル・ミュージックそれぞれの域を超越した、非常に特殊性の強いものだった。スラッシーな「Forkboy」「Sylvestre Matuschka」、アッパーな「Mate Spawn & Die」などは今聴いてもめちゃくちゃカッコいい。
文●有島博志(GrindHouse)

MARILYN MANSON 最新作ニュース

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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