THE OFFSPRINGのあの日、あの時 4 『THE OFFSPRINGのあの日、あの時』へ戻る

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2012年6月28日 (木)


メロコア旋風引き続き大席巻!初ライヴ観戦はできたものの、結局取材はお預けに…
文●有島博志(GrindHouse)

 いきなりだけど、THE OFFSPRINGの通算9枚目の新作『DAYS GO BY』が発売された。彼らならではの“キャッチネス & ポップネス”をマックス値まで引き上げた超力作だ。これまでの作品群ももちろんだけど、新作を聴かなきゃお話にならない。ぜひ!

 でだ、本題。メロコア旋風という名のパンク・ロック・リバイバル・ムーヴメントが放つパワー、勢いなどを象徴するかのようなプチフェスティバルが開催された。'94年7月27日から3日間にわたって、ロサンゼルスのサンセット・ブールヴァード沿いにあるハリウッド・パラディアムで行われたEpitaph Summer Nationalsが、それだ。言うまでもなく、Epitaph Records主催の、所属バンドが数多出た夏祭典だ。THE OFFSPRINGの『SMASH』、BAD RELIGIONの『RECIPE FOR HATE』の日本盤化が同年11月以降に決まり、年明け'95年1月にはTHE OFFSPRINGが、3月にはBAD RELIGIONがそれぞれ初来日することがほぼ決定していたこともあって、この機会にライヴを観て、対面取材もしよう、ということになり、当時の日本のレコード会社の担当者、カメラマン、そして自分ほかの4人がロサンゼルスに飛んだ。現地到着翌日の午前中、グレッグ・グラフィン(vo)がきてくれるという形でハリウッドにある投宿先ホテルでBAD RELIGIONの取材は実現した。グレッグが、アイビー・リーグに属す世界有数の名門大学として名高いコーネル大学で生物学の博士号を習得し、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で教鞭もとる、“学者肌”のパンク・ロッカーであることは事前に伝え聞いていた。その時点ですでにBAD RELIGIONの音楽と、それが全然結びつかなかったのだけど、それは紛れもない事実で、グレッグはそのとき専門書と思しき本を何冊も詰め込んだ、重そうで大きな黒革のカバンを手に姿を現した。このインパクトたるや相当なもので、カルチャーショック級のものだったことを今もよく覚えている。「ホ、ホントにパンク・ロッカー!? それともマジで学者さん?!」と(笑)。取材はとても興味深く、面白いものだった。グレッグはとにかく頭の回転が早く、ウィットに富んだジョークも忘れない、という“饒舌さ”には惹きつけられっ放しだった。そうしてBAD RELIGIONの取材は何事もなく無事に終了したのだけど、THE OFFSPRINGの取材の時間どりの方は相変わらず難航を極めていた。Epitaphは「デクスター・ホーランド(vo,g)に話が聞けるか否かの問題じゃなく、ほかのメンバーの取材すら設定できない。あまりにも時間がなさ過ぎる」ということを繰り返すばかり、と日に何度も日本のレコード会社の担当者より聞き、正直「こりゃ今回は無理だわな」とピンときた。

 読んでくださっているみなさんのなかには、「え、わざわざ海外にまでいってるのに取材ができないなんていうこともあるの?」と思う人もおられるだろう。ごもっともな話なのだけど、実はそういうことって希だけどある。このTHE OFFSPRINGのときは『SMASH』が大炸裂しているそのただ中で、かつ関係者やバンドのゲストたちが楽屋裏で大勢ゴッタ返す街、ロスということもあり余計、取材実現へといたっていく各所がほぼ混乱状態で、遅々として話が進まなかったことが主な原因となり、ついぞロス滞在中に取材が実現することはなかった。

 『SMASH』の日本盤ライナーノーツにすでに書いている。THE OFFSPRINGは先述のプチフェスに初日のトリとして出演した。場内が真っ暗ななか、ベース音に導かれ、それにノイジーなギターが絡むように始まる「Bad Habit」がオープニング・チューンとして鳴り出した。そして歌い出した途端、ビーズを編み込んだロン毛で白いスーツに身を包んだデクスターにピンスポットがあてられ、暗闇にその姿がくっきり浮かび上がった。大歓声がつんざき、そのあまりのカッコよさに背筋がゾクッとした。あえて言うまでもないだろう、その後は大変な盛り上がりようで、プチフェス初日は終演したのだった。

 ロスより戻り、何日か経った後に、ようやく電話を介してという方法で取材が実現した。相手はグレッグ・K(b)。そのときも引き続きツアー中にあったため、グレッグはなんとツアー先の公衆電話からかけてきてくれたのだ。まだ携帯電話がなかった、その時代だからこそのエピソード(笑)。このグレッグのコメントも一部『SMASH』の日本盤ライナーノーツに引用しているけど、改めて。『SMASH』の成功について、こう語っていた。

「成功の要因は?って訊かれてもねぇ、わかんないんだよなぁ(笑)。いい音楽を作ったら、多くの人たちがそれに気づいてくれたってことなんじゃないかな」

 '95年1月、THE OFFSPRINGはついに初来日した。3都市5公演を見事にソールドアウトとしたのだけど、その最中の17日早朝に阪神・淡路大震災が起きた。そして、自分は今後二度とすることはないだろうと思える経験をするのだった。


THE OFFSPRING関連タイトル!

Rancid / 『Let's Go』('94年)
 RANCIDの人気、評価を世界的に決定づけたのは次の3枚目『…AND OUT COME THE WOLVES』('95年)だったけど、それに火がつき始めた“着火作”はこの2枚目だった。ラーズ・フレデリクセン(vo,g)が正式参加した第1弾作品で(「St.Mary」ではリード・ヴォーカルもとっている)、BAD RELIGIONのブレット・ガービッツがプロデュースしている。パンク・ロック・リバイバル・ムーヴメントを起こし、引っ張っていたのはいわゆるメロコア勢だったわけで、そのなかでRANCIDは音楽的にもそれらとは一線を画した、初期UKパンク・ロックからの影響濃厚なストリート・パンク・ロックを信条とする。ストリートで呼吸しているからこそ醸し出せるリアル感、ザラつき、荒々しさのなかでフックの強いメロディ、全曲1〜2分台のコンパクトな楽曲が強烈に自己主張する。めちゃくちゃイカしてて、わかりやすい名パンク・ロック作だ。ティム・アームストロング(vo,g)、ラーズ、そしてマット・フリーマン(vo,b)の3人が歌えるというのも、彼らの強みだ。
文●有島博志(GrindHouse)

THE OFFSPRING 最新作ニュース


  • OFFSPRING ニューアルバム!
    4年ぶり、待望の新作がいよいよリリース!国内盤限定のシークレット・トラックで未発表ライヴ音源が3曲収録!

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
※ ※ ※ ※ ※

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Days Go By

Offspring

ユーザー評価 : 3.5点 (6件のレビュー) ★★★★☆

価格(税込) : ¥2,376
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発売日:2012年06月27日

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  • Smash

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    Offspring

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    発売日:2008年06月17日


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関連タイトル

Let's Go

CD 輸入盤

Let's Go

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