【インタビュー】The View

2012年6月28日 (木)



--新作『チーキィ・フォー・ア・リーズン』はどんなアルバムに仕上がりましたか?

カイル:「今回は、もっと普通の感じに戻ろうとしてたんだ。基本に戻るっていうか」
キーレン:「いや、今回はとにかく自分たちが心から好きなものを作りたい、それだけだったんだよね。特にコンセプトはなくて、とにかく満足できる音楽を、自分たちのスタイルでやろうって。タイトルは曲の一ラインから取ったんだ。『チーキィ・フォー・ア・リーズン(ワケありで生意気)』ってフレーズが、僕らに対する一般的な見方、THE VIEWがどう思われてるかを要約してる気がして。あと、ファーストの時も歌詞の一節からアルバム・タイトルを取ったから、今回も同じことをやりたかったんだよね」


--メジャーの1965レコードを離れてクッキング・ヴァイナイルに移籍することになりましたが、一番大きな変化はなんでしょうか?

カイル:「クッキング・ヴァイナルは僕らのレコード会社っていうより、チームメイトなんだ。レコーディングの費用は僕らが出しているし。クッキング・ヴァイナルに関しては、実際に自分たちが契約する前からいい噂を色々と聞いてたんだ。で、現実に契約してみると前よりずっと自由にやれるし……レコード会社って、普通はいろいろ言ってくるんだよ。まあ、それが彼らの仕事だし。僕らもメジャー・レーベルにいた頃は、『シングルはこれにしよう』とか、『こういうビデオにしよう』とか言われて……ある意味、向こうが決めたことを一方的に聞かされてた。すると僕らのほうも、『じゃあ、そうするか』ってことになっちゃって、そのまま飲みに出かけたり(笑)。今はそうじゃない。もっと自発的にやれるんだ」
キーレン:「実際、計画としては自分たちでこのアルバムをリリースしようとしてたんだ。コロンビアとの契約が切れて、でもちょっとは資金もあったから……たくさん曲もできてたし、『これをまとめてアルバムを作って、自分たちでリリースしよう』と思ってたんだよね。でもそれをやり始めた時に、クッキング・ヴァイナルからオファーがあったんだ。今考えると彼らと契約したほうがよかったと思う。僕らに何も強制したり、押し付けたりしないからね」


--今作はファーストの頃のザ・ビューを思い起こさせるようなサウンドだと感じました。原点回帰という考えはあったのでしょうか?

カイル:「原点回帰は僕らが強く意図したところだったね。実際、ライヴをやるとそういうサウンドになるんだよ。だから、ライヴの時に自分たちが演奏してる裏でバッキング・トラックを流さなくていいし、24ピースのオーケストラを引き連れる必要もない。バンドの4人だけで、レコードで鳴ってるままにプレイできる。それがとにかくいい気分なんだ。この前のレコードではライヴでバッキング・トラックを使う曲がいくつかあったんだけど、それがどうしても馴染めなくて。間違ってる気がしたんだよね。ビートが機械的に『ツー、ツー、ツー』って刻まれてたり、見えない人間が弾いてるストリングスがいきなりワーッて鳴ったり。あれはうまくいかなかった」
キーレン:「まさにね。今回、ストリングスやそういうのを入れない、っていうのはかなり重要だった。もちろん、そういうので実験したことはよかったと思うし、自分たちがそういうレコードを作ったこと自体はかなりクールだと思ってる。でも、このレコードでは一歩戻ってみたかったんだよ。最初にバンドとして集まって、練習した時みたいなサウンドにしたかったんだ」


--マイク・クロッシーがプロデューサーですが、彼との仕事はどうでしたか?

カイル:「彼とは最初からごく自然に通じてたんだよね。彼が何曲か聴いて、『こういうふうにしたい』って言ったら、まさにその通りに仕上げてくれて。僕のほうも彼がやりたいことがよく理解できた。彼がまず『こういうセッティングでいこう』って言って、僕らがプレイして、完璧な瞬間を彼がとらえてくれたんだよ。僕らも今回はとにかく生でプレイしたい、って思ってたから。レコードを聴いても、そういう一瞬一瞬がとらえられてるのがわかると思う」
キーレン:「彼がアークティック・モンキーズでやった仕事とかが好きだったんだ。すごくいいプロデューサーなんだよ。しかも、今でもアルバム制作に対してすごくハングリーで、バンドに期待するものも高いし、彼自身現状に満足しないで、自分が作るアルバムで仕事の質の高さを証明しようとしてる。それって、プロデューサーの姿勢として尊敬すべきだし、一緒にやると刺激されるんだよね」


--シングル「ハウ・ロング」についてのエピソードは?

カイル:「僕と元彼女で書いた曲なんだ。最初に彼女がメロディを思いついたんだよね。で、『ラーラーラララーララー』とか歌ってて。僕がそれをちょっと変えて歌ってみたら、『あ、すごくいい!』って言われたんだよ。で、バンドに持っていったら、みんな気に入ってくれて。でもあの曲はある意味ダブル・ミーニングっていうか、すごくポップに聞こえるんだけど、歌詞は強烈なことを言ってたりする。『極上の香水の瓶を君が6つ落としたら/僕が12個にしてあげる/君をやっつけようと兵隊が送り込まれてきたら/僕がそいつらを全員やっつけてやる』って。ある意味、ものすごく強烈なオブセッションについて歌ってるんだ。『どのくらい待てばいい? いつになったら会える?』って、ラブ・ソングの原型みたいに聞こえるけど、同時に強烈でクレイジーなところもある。かなりダークなんだ。それがめちゃくちゃにポップなメロディに乗ってる、っていう。そこからビデオのアイデアも出てきたんだよ。だって、僕らが演奏してるところを撮るだけじゃ、意外性がなさすぎるだろ? だから、他の誰かに演じてもらって、どこか意味が通じるような、でも強烈なビデオを作ろうと思ったんだ」


--今のUKシーンについてどう思いますか?

カイル:「一昨年くらいから『今はギター・バンドは難しい』って言われだしたんだけど、今も状況的にはあんまり変わってないんだよね。イギリスのラジオで流れるのはリアーナとかビヨンセみたいなのばっかりで、ロックはほとんど流れない」
キーレン:「変わるといいなとは思う。今のところ、UKの音楽的ランドスケープは退屈きわまりない、って言わざるをえないからね。ダンスっぽいもの、R&Bとかばっかりで。そんなのみんな退屈して、すぐにギター・ミュージックが戻ってくると僕は思う。こういう状態が長く続くわけないから」


--バンドの今後の予定を教えてもらえますか?

カイル:「今はとにかく、できるだけ長くツアーがしたい。夏はフェスにも出るし、できればほんとにまた日本にも行きたいんだよね。日本でまたライヴがやれたら嬉しいんだけど。僕、この前の来日で1週間近く入院したんだよ(笑)。いきなり敗血症になって、マスクつけさせられて。一時は隔離されて、薬でもうろうとして、もう最悪だったんだ(笑)。いや、ファンはみんなグレイトだったし、退院してからまたプレイしたライヴはほんとに最高だったから」
キーレン:「なんとか日本に行こうとしてるところなんだけど、ヴィザの問題がどうなるか次第だな。でも本当に、日本にはまた行きたいから、すごく頑張ってるんだ。日本でやった二回のツアーは、ほんとに素晴らしかったから。確実に僕らの最高のツアーの一つだった。僕自身、日本には行きたくてしょうがないから。幸運を祈ってて!」


動画コメント

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4作目のアルバム『Cheeky For A Reason』が完成!日本先行発売!

全英トップ20にランクインしたサード・アルバム『Bread And Circuses』に続くThe Viewの4枚目のアルバム『Cheeky For A Reason』が完成!
今作はArctic Monkeysなどを手掛けたマイク・クロッシーがプロデュース。 (バンドは前作もマイクによるプロデュースを望んでいたが、よりビッグなサウンドを望むレーベルの圧力により、バンドの意向は無視された形となっていた)
バンドの原点に戻ったようなアプローチになっており、カイル・ファルコナー曰く「クラッシュによるフリートウッド・マックの『噂』のような作風」とのこと。 アルバムは全曲カイルとキーレン・ウェブスターによるものだが、うち3曲はKings Of Leonのアンオフィシャル・メンバーとして知られるライター/プロデューサー、アンジェロ・ペトラグリアとの共作曲。

【収録曲】
01. How Long
02. AB (We Need Treatment)
03. Hold On Now
04. Anfield Row
05. Bullet
06. Bunker (Solid Ground)
07. The Clock
08. Piano Interlude
09. Hole In The Bed
10. Sour Little Sweetie
11. Lean On My World
12. Tacky Tattoo
13. Modern Approach (Tpot Latest Mix)*
14. Standing, Waiting On My Own (Long Stand)*
*日本盤ボーナス・トラック
(シークレット・トラックとして12曲目の後に「Typical Time Three」を収録)

  日本盤
●ボーナストラック2曲収録
●日本先行発売
  輸入盤



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