資生堂UNO“フォグバー”CMで

2012年6月20日 (水)

瑛太、小栗、妻夫木、春馬が出演したCM曲で歌を聴かせたのは、なんと18歳のスティーヴン・ロシート。フランク・シナトラばりの歌とサウンドに驚愕！

瑛太、小栗旬、妻夫木聡、三浦春馬が出演する資生堂UNOフォグ・バーCMで軽やかに流れている「Papa Loves Manbo」。これはペリー・コモの1954年ヒット曲で、邦題は「パパはマンボがお好き」。今から半世紀以上前のクラシック・チューンだが、実にクールに現代のCMチューンとして挿入された。

このCMバージョンで、声量溢れる太い歌声を聴かせるシンガーなのだが、ペリー・コモ本人ではなく、何と18歳の男性シンガーというから、これは驚きだ。そのシンガーの名は、スティーヴン・ロシート(Steven Rossitto)。

彼は1994年2月9日オーストラリア、メルボルン生まれで、3代続く精肉店を営む家庭で生まれる。（祖父の頃にイタリアからオーストラリアへ移住）幼少の頃からボウタイ、スーツ、ハット姿で幼稚園に通い、いまでも普段からスーツとネクタイという装い。

音楽とは全く無縁な家庭環境に育ちながらも音楽に興味をもち、ジャズ・シンガー、マイケル・ブーブルやルチアーノ・パヴァロッティのオペラを聞くようになる。幼い頃から声量豊かに歌う彼の音楽の才能を信じた祖父の勧めにより11歳の頃にヴォーカル・レッスンを受ける。16歳の頃にyoutubeに投稿したシナトラそっくりの「My One and Only Love 」の歌唱が話題となり、American Idol やGood Morning America等のテレビ番組からの出演オファーが殺到したという。

現在は高校を卒業し、音楽活動に専念。影響を受けたアーティスト：マイケル・ブーブレ。フランク・シナトラ、カルーソー、パヴァロッティ、トニー・ベネット等をあげている。

本作『ナイト・アンド・デイ』は、彼のデビュー作となるが、必ずやその歌唱に驚かない人はいないだろう。ジャズ・ヴォーカルの正統的なフル・ビッグバンドをバックに、凄まじい声量感、臆することのない表現と、圧倒的なパワー。堂々とした歌いっぷりは、まるでこれがデビュー作、ましてや18歳という印象は全くない。まさにフランク・シナトラを彷彿、再来と呼ぶに相応しい、惚れ惚れする声と歌いっぷりで、胸のすく思いを一杯感じさせるアルバムとなっている。

本人による、各楽曲への取り組みや思いを綴ったメッセージが到着しましたので、是非こちらを一読下さい。

スティーヴン・ロシートによる楽曲解説

Saturday Night

オープニングに相応しい元気があって少し甘く、小粋な曲。賑やかな管楽器のオープニングが聴く人の注意を惹きつける。

Night and Day

アルバムのタイトル・トラック。アメリカを代表する作曲家コール・ポーターが書いたビッグバンドの有名レパートリー。こんな素敵なミドル・テンポのスイングチューンは歌うのが楽しい。このアレンジはネルソン・リドルがアレンジしたフランク・シナトラ・ヴァージョン。

Luck Be a Lady

この曲はオーケストラ・ビッグ・バンド・ヴァージョン。オリジナルはフランク・レッサーが“Guys and Dolls” の為に書いた曲。いつかラスベガスのカジノで歌ってみたい曲。

The Gal That Got Away

多分私の一番のお気に入りで、映画「スター誕生」からの曲。初めて聴いたのはジュディガーランドが歌っていたバージョンで彼女の情熱、感情に惹き付けられた。ぼくのこのアルバムでがジョン・フォアマンがアレンジしている。

I’m a Fool to Want You

珍しくシナトラが共作した曲なんだ。シナトラは多分結婚相手女優エヴァ・ガードナーにインスパイアされて書いた。コーラス部分「time and time again…」の部分のメロディーラインがドラマティックに高揚感を誘う。この曲のアレンジもジョン・フォアマン。

My Funny Valentine

とても好きな歌いたい曲の一つ。アルバムからは絶対外せない。歌詞の“perfect just the way you are”の部分メロディ好き。この部分が良く出来て、仕上がりに満足しいる。気に入ってくれると嬉しいな。

I Got it Bad (And That Ain’t Good)

もちろん大好きなエリントンの曲。アレンジも良いしラグタイム時代のスイング感とミュート・トランペットが特徴的です。思い描いた通りの仕上がりになりました。

Whispers in the Night

この曲は僕とバーブ＆エイドリアン・ハンナで一緒に作ったオリジナル曲です。“Ruby lips that come hither stare, one stolen kiss I’m beyond repair.”（ルビー色の唇が誘うように迫るたった一回のキスで、もう取り返しがつかない）の歌詞から判る様に古典的な雰囲気の曲です。

Man of Strife

お気に入りの曲の一つ、この曲はライヴとってもお客さんに受けるん曲なんだ。歌詞は誰も経験するようなオールドスクールな恋の歌。アレンジはエイドリアンとロークリン。

I’ve Got You Under My Skin

コール・ポーターの有名な曲で多くのシンガーが沢山レコーディングしている。最初変わったアレンジにしてみようかと思ったけど、結局いつもの有名なアレンジ通りに落ち着いた。スイングしながら歌う“I would sacrifice anything…” のブリッジ部分が好き。

Thinking of You

ピアノを使って初めて自分で書いた曲。可愛い絵画のように簡単な歌詞とメロディ。この経験で作曲の楽しみを覚え、ほんのちょっとした閃きが作曲にとってとても大切だと言う事が分かった。

My One And Only Love

友達がサックスで吹いていて、初めてこの曲を知って、すっかり気に入ってしまった。「愛してるってことを誰かに言いたい」ロマンティックな歌詞。スタンダードの中では有名では無いかもしれないが、美しい曲。

Autumn Leaves

初めてピアノで弾いた曲。特にフランス語のヴァースを歌うのが好き。アコーディオンの音色が聞こえる度に微笑んでしまう。みんなが好んでレコーディングする気持ちがわかる。

Summertime

ジョージ・ガーシュインがミュージカル『ポギーとベス』の為に書いた曲。自由に解釈できる可能性があって好き。ブルージーな部分が気に入って選んだ。でもソプラノのオペラでも歌われている。他のアーティストがレコーディングしたヴァージョンとは異なるグルーヴでなんとか独自な解釈で狙い通り歌えたと思う。

Ol' Man River

このぼくのヴァージョンはお気に入りかな。簡単な曲じゃなくて、抑圧された黒人の感覚描かれている。特に最後の歌詞'I'm tired of living, but scared of dying. And Ol' Man River he just keeps rolling along.'（ああ、疲れきっているもう、うんざりだ、生きることに疲れた俺は死ぬんだろうか、それでも、その年老いた川はただ流れ続けるんだろうな！）同じような気持ちになったことのある人はいると思う。ジェローム・カーンとオスカー・ハマースタインの作。