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2012年4月10日 (火)
小瀬村 晶 / AKIRA KOSEMURA 1985年生まれ、東京在住の音楽家。2007年にSCHOLE INC.を設立。 これまでに国内外の音楽レーベルから数多くの作品を発表しているほか、TOSHIBA, NIKON, nano・universe, JOURNAL STANDARDといった企業サイトのサウンドデザインやアパレルブランドとのコラボレーション、さらにはドキュメンタリー作品「ウミウシ 海の宝石」の音楽、ケンタッキー・フライドチキンTVCMの楽曲制作、キミホ・ハルバート演出・振付によるダンス公演「MANON」の劇伴を手掛けるなど、様々な分野での楽曲提供・コラボレーションを行っている。 コンサート活動も行っており、これまでにOTODAMA SEA STUDIOや中洲JAZZフェスティバルにも出演、2011年には全国7都市 / 中国5都市を巡るピアノコンサートツアーを開催し、日中両国にて高い評価と成功を収めた。 また自身の音楽活動と並行し、音楽レーベルschole recordsを運営、数多くの作品に携わっている。 最新作は、2枚組80分の超大作「MANON」オリジナル・サウンドトラック。(2012年5月23日発表予定) |
今年も桜の季節がやってきた。
携帯からツイッターを眺めているだけでも、たくさんの桜の画像が流れてきて、お花見していなくてもすっかり花見気分な僕ですが、本当に便利な世の中になったものですね。 僕が中学生の頃に、ポケベルが終焉を迎えて、PHSというものが登場し、これが一躍中学生だった僕らの間での連絡手段になったわけですが、その時であってもこれは本当にすごいことだとわくわくしたのを覚えています。 いわゆる昭和の「女の子に電話をするのに親が出ないことを祈って自宅に電話を掛ける」というようなステレオタイプ的な中学生の恋愛はこの瞬間に消失したわけで、まさにこれは僕らにとっては革命的なメディアであったわけです。 僕はどちらかというと、女の子とは疎遠なタイプの人間だったので、この手の経験は非常に乏しいですが、それでもこの革命は、僕らのようなテレビゲーム系にとっても夢と希望に満ち溢れた素晴らしい出来事だったと記憶しています。人間、希望がなければ生きてはいけませんからねぇ。 しかし時代の流れは早いもので、僕らが高校生になった折には、英雄であったはずのPHSもすっかり廃れてしまい、後には携帯電話が主流に取って代わるわけです。僕らPHS世代にとっては、この流れに乗らない手はないわけで、PHSへの愛着も束の間、皆こぞって文字通り“乗り換えた”わけです。 ここでたしか絵文字というものが発明されたと記憶していますが、これが今度は女子の間で大流行し、PHSの時とは比べ物にならないほどのスピードで普及していきました。いまの時代、世界を牛耳っているのは女子です。それを踏まえた上での、とても素晴らしい戦略だったと思います。女子からハートの絵文字が来たら、それは勝ち組の証。この頃に勝ち組という言葉が生まれたのだと認識しています。(うそ) かくいう僕も、テレビゲーム系改め、バンドマンスタイルに転向していたので、それなりに経験も増えていくかのように思えましたが、通った高校はあえなく男子校でした。楽しい三年間を、男達の熱い友情と、それから汗と涙で乗り越えていく、なかなか偏った青春を手にしました。良い思い出です。 ただ、この辺りまでは、技術の進歩も僕らの想定内というか、PHS→携帯電話の流れというのは、進化というよりはアップデートだったわけで、非常に受け入れ易いものだったのですが、問題はここからです。 そう、アップルの侵略です。 僕が大学に上がる頃、itunesのウィンドウズ版のリリースに伴ってipodが一気に普及し始めます。 これは高校でバンドマンスタイルを確立させて、毎日カラフルなMDを何十枚も持ち歩いては、ソニーの商標であるウォークマンと共にクールな音楽ライフを満喫していた僕らにとって、文字通り戦慄が走りました。 え、もうMDは要らないの?コンピューターがあれば、このちっちゃなプレイヤーでいくらでも音楽が持ち歩けるの?音質も選べるの?その、白いイヤフォンを前から垂らすのがトレンドなの? という感じで、人生バラ色大学生の諸君の間では、これが必需品になったわけです。ああ、懐かしい。 元々テレビゲーム系の僕としては、外国からの本気の侵略に対して反旗を掲げるほどのガッツと情熱は持ち合わせておらず、謹んで侵略を受け入れて、それからはすっかりアップルユーザーの一人です。 ほんと、アップルすごいです。いつも本当にありがとう。 こうして、気がついた頃にはすっかり世の中アップルだらけ。 いまではiPhoneを持っていないと、電話料金がものすごく高くなってしまうので(周りの人間が皆iPhoneなのです)背に腹は代えられないということで僕ももちろんiPhoneユーザーですし、そろそろ見頃かなぁ?なんて言って、ツイッターやフェイスブックのアプリを開けば桜の写真が満載です。あれもこれも、すべて携帯電話で事済む世の中になりました。もう女の子に電話するのがどうこう、とか言っていた時代は遠い昔。 いまの中学生は、いや小学生はどんな恋愛をしているのだろう。 そうはいっても、けっきょく疑似体験では満足できないのが人間です。 http://www.akirakosemura.com/ http://www.scholecultures.net/ ※現在scholeでは東日本大震災支援プロジェクト『SCHOLE HOPE PROJECT』が発足。 詳しくはレーベルサイト http://www.scholecultures.net/にて。 |
paniyolo
『ひとてま』
[ SCH022 / 2012年04月11日 発売 / 通常価格 ¥2,100 (tax in) ] ギタリスト『paniyolo』待望の2ndアルバム 1stアルバム『i'm home』より3年越しとなる今作。温かいアコースティックサウンドを奏でるギタリストpaniyolo(高坂宗輝)による2ndフルアルバムが2012年4月11日、SCHOLEからリリースされる。この間にもレーベルメイトの作品やライブにて、サポートギターとして参加してきた彼が、ゆっくりと自分の音楽に向き合った今作は、本職とも言えるアコースティックギターによるメロディを軸に構成される。自身の追求する音楽へのこだわりの強さから生まれるギターサウンドはさらに深みを増し、弾き手の息をすぐそこに感じさせながら、どこかラウンジ感も持ち合わせ、抵抗力無く耳にフィットする心地良さ。弾き手と聴き手の間に、電子的な音の隔たりがまるで無いかの様に真っ直ぐに伝わる音空間。1本のギターと共に佇む彼の姿が伝わってくる、人間味溢れた作品となっている。 パーカッショニストの三沢泉と今作のミキシングも担当している大場傑がピアノで参加しているほか、数多くの本の装画、題字を手がける切り絵作家の辻恵子がアートワークを担当。 誰かの暮らしにそっと寄り添う様に、1歩1歩その足どりを確かめながら進んできたpaniyolo。日々の生活の中にある小さな幸せを感じ、そこから産まれた楽曲が織り成す物語は、paniyoloの代表作と呼ぶにふさわしい。 |
【Akira Kosemura最新作】 Akira Kosemura 『Manon』 [ SCH023 / 2012年05月23日 発売 / 通常価格 ¥3,000 (tax in) ] 風の様に天真爛漫で、終いには自分が巻き起こす竜巻に巻き込まれ死を迎えるマノンと、彼女との出会いから運命に翻弄されつつもマノンを愛し続けるデ・グリュー。二人の壮絶な恋愛劇を、時に美しく、時に儚く、そして時に残酷に、運命に翻弄される二人の人生に呼応するように書き下ろされた音楽からは「生きることへの喜びと、生き抜くことへの困難さ」という、現代にも通じる普遍的なテーマへと重なっていく。 前作のオリジナル・アルバム『how my heart sings』は、自身のピアノ演奏に重きを置いた飾らない演奏によるシンプルで美しいピアノ・アルバムだったのに対して、今作では、演奏家に白澤 美佳(ヴァイオリン)、人見 遼(チェロ)、良原リエ(アコーディオン)、三沢 泉(マリンバ・パーカッション)、高坂 宗輝(ギター)、荒木 真(フルート)、Shaylee(ボーカル)を招き、様々な顔を持った楽曲アレンジを施している。さらには、ギミックの効いた電子音楽や、ノイズ・ミュージックなど、これまでの小瀬村 晶作品では見受けられなかった作風も大胆に散りばめられており、オリジナル・アルバムとはまたひと味もふた味も違った、職人としての側面も垣間みれる充実の作品に仕上がった。 舞台作品のサウンドトラックでありながら、一音楽作品として非常にエキサイティングな聴覚体験が続く全80分、19曲を完全収録。 ※舞台作品としての一連の流れを徹底した美意識で追求した本作は、小瀬村 晶 本人の希望によりCDフォーマットのみでの発売となります。 |
次回へ続く…(5/10更新予定)。
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