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LINKIN PARKのあの日、あの時 4 『LINKIN PARKのあの日、あの時』へ戻る

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2012年4月27日 (金)


かつて、たった一度だけ吐露したマイクの日本への“深い想い”
文●有島博志(GrindHouse)

 前回の連載を、「この『REANIMATION』発売で “HYBRID THEORY章”は締めくくられ、ストーリーはいよいよ“METEORA章”へと突入していく…」と締めくくった。が、しかし、少々事を急ぎ過ぎた(汗)。この連載を始めてから時折、これまでにしたことのない経験をすることがある。手元に残るインタヴュー素材、その大半を掲載したGrindHouse magazineのバックナンバーのすべてを改めて読み返し、LINKIN PARKを取材したその時々のこと、目撃した現場の風景などをできる限り思い出しつつ、バンド・キャリアの経緯的事実と照らし合わせながら記事を執筆しているのだけど、その最中に、そしてその執筆から離れているときにふと、いろいろなことを思い出すのだ。「あ、あのときにこんなことがあったっけ!」と(笑)。この仕事に就いてから長いけど、今日までにこういうことなんてほとんどなかった。それゆえに時折、不思議な想いを噛み締めることがある(笑)。

 連載2回目にも書いたけど、初来日公演は2001年5月に実現した。瞬く間に東名阪全公演がソールドアウトになるなど、彼らは自ら“超大型新人バンド”であることを見せつけた。その勢いはその後も加速する一方だった。ヘヴィ/ミクスチャー・ロック・ムーヴメントを先導・煽動し、その動きを世界的なものとした大型フェスティバル的パッケージ・ツアー、Ozzfest 2001に参戦した。2001年6月25日、US西海岸ワシントン州ゴージのザ・ゴージ・アンフィシアターで観た。これまでに何回か彼らのライヴを観てきたけど、あのときほど“攻撃性”をあらわにしたパフォーマンスは後にも先にもこのときが初めて、と言えるほどアグレッシヴなものだった。『HYBRID THEORY』(2000年)も、後の『METEORA』(2003年)も、US盤のジャケには“PARENTAL ADVISORY EXPLICIT CONTENT”の記載がない。つまり、歌詞などに“暴力的な内容”“性的な内容”は含まれず、親が進んで子供に買い与えても問題のない作品ということだ(これにより当時、普段は歌われている内容からロックを敬遠しがちな保守層の間にも彼らの名や音楽が広まり、いきなりの大成功を収めた要因のひとつと言われた)。 が、しかし、Ozzfestのときのパフォーマンスは違い、バンドとして前のめり的に攻めに攻めていたし、チェスター・ベニントン(vo)もMCで口汚い言葉を連発し、大観衆を煽りに煽っていた。おそらくフェスの性格や、観客のヴァイブなどを意識してのことだったのだろう(笑)。このときの模様は「With You」のみだけど、ライヴ・コンピレーション盤『OZZFEST 2001 THE SECOND MILLENNIUM』(2001年)で聴くことができる。なお、このときのメイン・ステージは彼らのほかにトリのBLACK SABBATHMARILYN MANSONSLIPKNOTPAPA ROACHDISTURBEDCRAZY TOWN(R.I.P.)という今では絶対にあり得ない最強の出演陣だった。

ボクとLINKIN PARK

文●ATARU(vo) from UZUMAKI
LINKIN PARKを初めて知ったのはTVの音楽番組で「One Step Closer」のPVを見たときでした。楽曲のクオリティの高さにビビりましたね。速攻『HYBRID THEORY』を買ったものの、当時自分たちのアルバム制作のただ中にあり、聴いたら影響受けるかもと作業終了まで聴くのを封印してました(笑)。そして、その作業が終わる頃までには初来日公演のサポートで東名阪参戦が決定した。もちろん、作業が終わってからは『HYBRID THEORY』を聴きまくりましたよ。東京公演でのリハーサル中、チェスターとマイクが客席で見てくれてたのは今でもハッキリ覚えてます。当時はまだ全世界的ブレイクをする前で、楽屋で普通に話できました(笑)。その後の活躍はみなさんも知ってるとおり。今でも前衛的な楽曲センスにはリスペクトしています。なお、一番好きな曲は「Faint」です。

 彼らがセットを終えてしばらくしてからバックステージ・エリアをうろついていると、偶然マイク・シノダ(vo,g,key)に出くわした。ライヴで確かな手応えを得たからなのか、かなり上機嫌で、あの屈託のない笑顔を振りまき、リラックスしていた。そしてツアー・バスのなかで2人っきりで話す機会に恵まれた。初めて日本にいったときのことから話は始まり、こんなエピソードを教えてくれた。

 「新宿で友達と会うことになっていたんだ。で、案の定道に迷い、待ち合わせのお店にいけなかったんだよ(笑)。思い切って通りすがりの男の人に地図を見せながらここにいきたいって言ったら、とても親切な人でそのお店まで連れていってくれたんだよね。あれには感動したよ。アメリカじゃ絶対にあり得ないことだから(笑)。オレは日本語が話せない、その男の人は英語が話せない。だからコミュニケーションもかろうじてとれていたっていう感じだったのにね(笑)」

 また、こうも言っていた。

 「最近、よく訊かれるようになったんだよね、“アナタにとって日本は第二の故郷ですか?”って。確かにオレは半分日本人の血を引いているわけだけど、前はそういうことを意識したことはなかったし、自分はずっとアメリカ人だと思っていた。だけど日本に初めていって以降、そういうことを意識し、たまに考えるようにもなったんだよね」

 Ozzfest 2001終了からちょうど1ヵ月後の9月11日、ニューヨークで対米同時多発テロが起き、全世界を震撼させた。ライヴ・コンサートに限らず、エンタテイメント界には一気に自粛ムードが吹き荒れ、催しものは軒並み中止、延期を余儀なくされた。その真っ只中の時期に、Family Values Tour 2001はあえて強行され、LINKIN PARKも参戦した。KORNのジョナサン・デイヴィスが提唱し、’98年に始まったロック、ヒップホップ、エレクトロニクス・ミュージックのアーティストたちが一堂に会し、各地を巡演する異種格闘技風パッケージ・ツアーだ。10月23日、ペプシ・アリーナでニューヨーク州アルバニー公演を観た。このツアーに出る直前にブラッド・デルソン(g)が足を骨折し、骨折箇所をキャストで固定してのプレイとなったため、彼らにとってはかなり厳しいものとなった。マイクが言う。

 「ブラッドには気の毒だけど、ツアー自体は最高だよ。Ozzfestはなんだかとっても散らかった感じでさ。いろんなバンドが出ていて、そのスタイルも数も雑多だった。それと同様に観客もいろいろで、その上座席も決まっていたから、ある意味プレイするのが難しい状況だったけど、今回はそのときとは違いオールスタンディングだしスゴくエキサイティングだよ。一緒に出ているバンドもいいバンドばかりだから、バックステージでみんなとハングアウトするのも楽しい。実はSTONE TEMPLE PILOTSの面々が、あんなにイイ人たちだなんて思いもしなかったよ(笑)」

 さすがにOzzfestのときとは違った。ジョー・ハーン(dj,electronics)によるDJプレイがSE代わりとなって始まったパフォーマンスは、チェスターのMCもいつもの感じだったし、バンドとしても特段“攻撃性”をデフォルメさせることもないものだった。DEADSYSTATIC-Xに続いての3番目の出番だったけど、もう観客のウケはハンパなく、40分のセット中何度も「彼らの人気もここまできたか!」と思わされたことを覚えている。そして初めてライヴで、日本盤では『IN THE END〜LIVE & RARE』(2002年)収録のごく初期曲「Step Up」を聴いた。なお、このときの模様は2002年に発売されたライヴ・コンピレーション盤『THE FAMILY VALUES TOUR 2001』で「Runaway」「One Step Closer」が聴ける。上記3アーティスト以外に、STAINDPUDDLE OF MUDDが出演陣に顔を並べた。


LINKIN PARK 最新作ニュース


  • リンキン・パーク新作完成!
    リック・ルービンとマイク・シノダの共同プロデュースによるニュー・アルバム『リヴィング・シングス』のリリースが6月に決定!

■■■ 有島博志プロフィール ■■■

 80年代中盤よりフリーランスのロックジャーナリストとして活動。積極的な海外での取材や体験をもとにメタル、グランジ/オルタナティヴ・ロック、メロディック・パンク・ロックなどをいち早く日本に紹介した、いわゆるモダン/ラウドロック・シーンの立役者のひとり。
 2000年にGrindHouseを立ち上げ、ロック誌GrindHouse magazineを筆頭にラジオ、USEN、TVとさまざまなメディアを用い、今もっとも熱い音楽を発信し続けている。
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 イタリアはミラノ産の、“ゴシック”をルーツに持つ6人組のメタル・バンドの6枚目の新作。USチャートに初登場18位で飛び込むなど、作品を重ねるたびに世界的人気を確かなものにしてきており、LOUD PARK 参戦での初来日も5年前に済ませている。“ゴシック”特有の要素のひとつである鬱積感などは完全に払拭し、もうひとつの要素であるメランコリックさを維持しながらより磨きをかけている。女性ヴォーカリスト、クリスティーナ・スカビアと、男性ヴォーカリスト、アンドレア・フェローによる男女デュアル・ヴォーカルが描き出すコントラストの妙、メロディのフックの強さ、楽曲のコンパクトさも際立っていて、非常に聴きやすく、印象度も高く、そこここに“洗練感”すら散りばめられている。ドン・ギルモアをプロデューサーに起用するという“ちっちゃな接点”はあるも、人によってはそれ以外は“ゴシック”だ、メタルだ、とLACUNA COILとLINKIN PARKの間には音楽的同類点、共通点はないように思えるだろう。だけど理屈でも、また音楽的スタイルでもないところで、あくまでも感覚的、テイスト的に、なのだけど両者はある部分で同一方向を向いてるように思うし、“近しさ”も感じられる。日本盤には8曲のボートラが追加収録されている
文●有島博志(GrindHouse)

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