エスペランサのJazz, Soul & Pop

2012年3月15日 (木)

昨年のグラミーで新人賞を受賞したエスペランサがソウル〜ポップ・サイドに立ちながらも独自のジャズを繰り広げる完璧かつ驚愕のスーパー・サウンド。推薦盤!

エスペランサ・スポルディングは、16歳の時に高校を中退し、大検でポートランド州立大学の音楽科に入学。その直後に名門バークリー音楽学院に転校すると、すぐに頭角を現し、わずか3年で音楽学士となり、更には20歳に講師としての地位も得て、学院史上最年少の教員に就任。(ちなみにエスペランサの前に最年少記録を持っていたのはパット・メセニー!)

バークリーの教員を辞めた後は、ミシェル・カミロ、スタンリー・クラーク、パット・メセニーといった超有名アーティストと共演し、2006年スペインのレーベル、アイヴァ・ミュージックから『フンホ』をリリース。

そして2008年、ヘッズアップよりリリースしたアルバム『エスぺランサ』で世界デビュー。発売されるとすぐにビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・チャートを駆け上り、新人ジャズ・アーティストの作品の中では最も売り上げが多い作品となり、さらに多くの賞やパフォーマンスが続いた。その中にはバラク・オバマ大統領からノーベル平和賞の授賞式とホワイトハウスでパフォーマンスをする招待もあった。

「次のアルバムは同時にもっと確固たるプロジェクト・コンセプトを中心とするものでなければならないと思っていた。もともとはダブル・アルバムとして出そうと思っていたの。1枚はとても個人的で繊細な室内楽の探求、そして2枚目はジャズ・ミュージシャンがいわゆる『ポップ・ソング』のフォーマットに近く分類される曲の形式やメロディを探求していくもの。この2つこそ私がとても興味を持っている音楽の見方なの」とエスペランサは語る。

その第1弾こそが、2010年にリリースされた『チェンバー・ミュージック・ソサイエティ』だ。この作品は長年の仕事仲間であるレオ・ジェノヴェーセ(キーボード)とテリ・リン・キャリントン(ドラムス)に加え、パーカッションのキンティーノ・シナッリと他のヴォーカリストたち(伝説的なミルトン・ナシメントも含まれた)とストリングス・トリオ(アレンジはギル・ゴールドスタインとエスペランサ)が参加し、ビルボードのコンテンポラリー・ジャズ・チャートで1位を獲得。

そして記憶に新しい、2011年に開催された第53回グラミー賞にて、最優秀新人賞を獲得。同賞受賞はジャズ・アーティストとしては初、という快挙も成し遂げ、既に彼女を知るジャズ・ファン以外にも多くのリスナーがその存在と才能を認識する事となった。

前作から1年半、グラミー受賞から1年を経て、新作『ラジオ・ミュージック・ソサイエティ』をリリースする。前作『チェンバー・ミュージック・ソサイエティ』の続編というよりは対をなすアルバムだ。

アルバムは更にキャストを広げ、ジャズの巨匠であるジョー・ロヴァーノ、ジャック・ディジョネットやビリー・ハート、ヒップホップの巨人Q-Tip、アルジェブラ・ブレセット、レイラ・ハサウェイ、グレッチェン・パーラート、リオーネル・ルエケなど幅広いヴォーカルの匠たちも参加。

曲は、12曲中10曲がエスペランサのオリジナル。カヴァーは、スティーヴィー・ワンダーの「アイ・キャント・ヘルプ・イット」、そしてウェイン・ショーターの「エンデンジャード・スピーシーズ」にはオリジナルの歌詞を付け加えた。

ウッド・ベースのイメージが強い彼女だが、本作ではM7, M8, M11そしてボーナス・トラックのM13のみで、全般でエレクトリック・ベース(フレットレス)を駆使し、グルーヴ感溢れるソリッドなプレイによるサウンドが今回の特徴でもある。

あくまでも彼女のルーツでもあるジャズに深く身を置きつつ、ソウル、ゴスペル、ポップの音楽性を紐付け、刺激的躍動リズム、ダイナミックなホーンセクション、見事なハーモニーによるヴォーカルワークをふんだんに生かした、ジャズという分野を遥か遠くまで飛び越えた、技術と魂が一体化したアルバムに仕上がっている。

最後に、もうひとつの注目点。12曲それぞれにコンセプチャル・ミュージック・ビデオがついており、これらを通して各曲の背後に隠れているエスぺランサのインスピレーションや物語が更に深く表現されている。ニューヨーク、スペインのバルセロナ、そしてオレゴン州ポートランドなど、いろいろな場所で撮影された映像は、まさに一遍の映画を見ているかのようだ。こちらはデラックス・エディションに付属しており、是非ご覧頂きたい。


「長年にわたり、本当に数多くの素晴らしいジャズ・ミュージシャンたちと仕事をすることができたの。彼らとその音楽を知るにつれ、彼らをまるで自分の家族や同僚であるかのように愛するようになったわ。皆で一緒に曲を解釈できる機会を作ることで彼らがより多くの人たちに耳を傾けて貰え、そして受け入れてもらえるようにしたかったの。皆私の個人的なヒーローでもあるし、ジャズ界では尊敬されている人たち。ジョー・ロヴァーノやテリ・リン・キャリントンのような人だって主流として皆に聴いてもらうべきなの。だって彼らが音楽を通して伝えようとしていることはあまりにも美しく、正直で、魂踊るものだからね。彼らは文字通り聴いている人たちの人生に素晴らしいものをもたらすと思うわ。そんなこともあって、ジャズを聴かない人たちに語りかけながらも、私のジャズの英雄たちが自己表現できるような土台を提供できるような音楽プログラムにしようと思ったの。どのジャンルが混ざっている「とされている」か言われることなく私の音楽のありとあらゆる要素を楽しんで貰えれば、と思うの。是非皆には何の既成概念ない形で耳を傾けて欲しいわ。これは旅なの。自分の頭で考え、自分で感じて。でも何よりもとにかく楽しんで!」 (エスペランサ)


エスペランサによる曲目解説

1. Radio Song ラジオ・ソング (Esperanza Spalding)

この曲は誰しもが一度は経験したことです。何らかの理由でラジオをつけたときに流れてきた曲の一部を聴いただけで曲の虜になって、まるで世界が一瞬にして歩みをとめてしまう、そしてその曲に魅了されて最高の気分にされる、そんな時のことを現しています。ラジオが「琴線に触れる」ということ自体が曲のパワーを証明しているもので、これこそそのアーティストが誰だか分らなかったとしても、同じく顔の見えないリスナーと真に繋がる、そんな魔法のような瞬間なのです。

2. Cinnamon Tree シナモン・ツリー (Esperanza Spalding)

この曲は友人同士、特に何があっても共に歩んでくれる幼馴染のプラトニックな愛情を描いています。私の愛する友人の一人が元気になれるような曲を必要としている時期に彼女の意味がなくつけられたニックネームの由来を説明しようとして書いたのが「シナモン・ツリー」です。そして当然のことなのですが、「シナモン・ツリー」という言葉を反芻しているうちに彼女がまるでシナモンそのもののように私の人生に如何に素晴らしいものをもたらしてくれるかに気付いたのです。

3. Crowned & Kissed クラウンド&キスド (Esperanza Spalding)

この曲は人生の中で称賛されることない王族のような男女のことを歌っています。彼らこそ日々、最も素晴らしく、高潔なことをする人たちなのです。彼らは城を持つことなく、そして大きな富や権力を得ることもないかもしれませんが、彼らを愛する人たちの目には彼らこそが最も偉大で威厳のある人たちとして映るのです。

4. Land Of The Free ランド・オブ・ザ・フリー (Esperanza Spalding)

先日ニュースを見ていたら、コーネリアス・デュプリー・ジュニアという人の特集をしていました。彼はでっちあげられた証拠によって殺人の濡れ衣を被せられ、有罪と宣告されたのです。イノセンス・プロジェクトの弁護士たちの支援、そして新たなDNA鑑定をもとに、彼は30年たってやっと無罪となりました。釈放された彼が記者会見で「そうですね、いろいろな気持ちが入り混じっています。幸せを感じていると同時に複雑な気持ちです。30年、大変な道を歩んできたからです。私が失ったものはどんな言葉があったとしても取り戻せるものではないと言いたいのです。私は両親を失いました。この制度が何らかの形で改善されなければいけないのです、他の人がもう二度とこんな思いをしないように。私の言いたいのはそれだけです」とだけ述べました。心から溢れる彼の言葉は明らかに私たちの刑罰制度の不当性を語ることすらしていません。しかし、この物語に大きく感銘をうけて生まれたのがこの曲です。この曲の収益はすべてイノセント・プロジェクトに寄付されます。

5. Black Gold ブラック・ゴールド (Esperanza Spalding)

この曲は奴隷制度前の私たちのアフリカン・アメリカンとしての伝統を歌っています。アフリカン・アメリカン・コミュニティは、何十年にも及ぶ抵抗と忍耐によって力強くなっていったのです。植民地時代以前のアフリカに遡った伝統、そして私たちの祖先が自分たちの大地との繋がりを通して生まれた伝統に言及しようと思ったのです。私は特に若い男の子たちに語りかけるような曲を作りたいと思っていました。lack

6. I Can't Help It アイ・キャント・ヘルプ・イット (Stevie Wonder / Susaye Coton Greene)

グレッチェン・パーラートがいてこそ選べた曲です。数年前、グレッチェンと私は一晩にショーを2つ掛け持ちし、その中で彼女がライオネル・ルエケとデュエットしていました。この歌はずっと好きだったのですが、メロディ、歌詞、そして本質だけにまで削ぎ落とされた物語を聴いたことでこの曲がもっともっと好きになりました。ただ、私のバンドでこの曲をどうすれば良いのか見当がつかなかったのです。それから時間が経ってUS5バンドと一緒にやっていた時、違うバンドがスタンダードを演奏するのを聴いていると、ジョー・ロヴァーノが私の耳元で「いやぁ、クラシックな曲をやる時ってもうやられてしまった方法でやっちゃいけないんだよね。自分なりにその曲をやる理由を見出さなければならないんだよ」と呟いたのです。それがまさに私にとって曲を自分なりに解釈するにあたって大きな手掛かりとなりました。私にとってこの物語のエネルギッシュなアプローチは、繊細さと熱い意欲のダンスなのです。ジョーはこの曲でゲスト参加してくれましたが、グレッチェン、そしてベッカ・スティーヴンスとジャスティン・ブラウンもヴォーカルで参加してくれています。

7. Hold On Me ホールド・オン・ミー (Esperanza Spalding)

古き良き叶わぬ恋。気持ちが自分の中の情熱以上の何物でなくなってしまうと気付きながらも諦めがつかない。この曲のピアノはジャニス・スクロッギンス、ドラムスはビリー・ハート、そしてアメリカン・ミュージック・プログラム・ビッグ・バンドの指揮とアレンジはドクター・サーラ・メモリーが担当しています。

8. Vague Suspicions ヴェイグ・サスピションズ (Esperanza Spalding)

私たちが生きているこの時代、産業国に住む人たちの大半は戦争による無差別殺人を自分たちとはかけ離れたものとしてとらえがちです。新聞を読んで「民間人犠牲者」や「攻撃によって不慮の死を遂げた子供たち」という言葉を目にする度にその詳細や写真によって衝撃を受け、何をすべきなのか、どう反応すべきなのか、あるいはそのことについてどう思えば良いのか混乱します。この曲に耳を傾ける6分あるのなら、善かれあしかれ、このような現実について一緒に考えてほしいと思います。

9. Endangered Species エンテンジャード・スピーシーズ (Wayne Shorter and Joseph Vitarelli)

ウェイン・ショーターのアルバム『アトランティス』は時代を超えた秀作です。ツアーの時、私はバンドのメンバーとバンの中で歌を歌うのですが、レオ・ジェノヴェーセ(ピアノ)が「エンデンジャード・スピーシーズ」をライブでやらないか提案してきました。ある晩、冒頭の「人類よ、危険が迫っていえる!」という歌詞が聴こえてきました。私は今保護団体とタッグを組んでいるのですが、この曲の収益は(今本当に危険に晒されている)地球の肺を守るために使われます。

10. Let Her レット・ハー (Esperanza Spalding)

この曲は対位法を使って歌詞を書くという異なる手法を試みたちょっと前の曲です。そのような実験的試みの中で一番最初に成功したといえる「曲」です。私がこれまでに出会った、酷い状況にいながらもその状況が終わるとそれについて不平を言う人たちを何人かあわせた物語です。

11. City Of Roses シティ・オブ・ローゼス (Esperanza Spalding)

私の愛してやまない都市の一つであるオレゴン州ポートランドのニックネームが「シティ・オブ・ローゼス」です。この曲はポートランドがたくさん抱えている宝、そしてこの土地とその人々の私の素晴らしい思い出を描こうとしたものです。

12. Smile Like That スマイル・ライク・ザット (Esperanza Spalding)

この曲はまた違った恋愛、明らかに終わりを迎えようとしている恋愛を題材にしています。「いいわ、分かった。オブラートに包まないで。その人のことが好きならどうぞそうして」と歌っています。愛する人があなたのことをもう愛してくれていないのなら別々の方向で進み、絆と負の部分を切るべきなのですが…歌うは易し行うは難しです。

日本盤ボーナストラック

Jazz Ain’t Nothin’ But Soul ジャズ・エイント・ナッシング・バット・ソウル (Norman Mapp)

この曲を初めて聴いたのは『ザ・モダン・サウンド・オブ・ベティ・カーター』で、私のテーマ曲になりました。私のベティへの愛情、この曲への愛情、そして私の音楽哲学をまさに語っているからこそこの曲を演奏しないではいられませんでした。ジョー・ロヴァーノ、テリー・リン・キャリント、そしてサーラ・メモリーが指揮するアメリカン・ミュージック・プログラムの手助けがあってこそだったのですが、私たちは音楽的にスケールが大きくてファンキーな町を築いて、そこにこの歌の垂れ幕を掲げてその意味を展開していこうとしたのです。
※表示のポイント倍率は、
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