Michalさん、冬眠から覚める!

IRON ANGEL

2012年2月17日 (金)

Ancient Myth

Profile / ANCIENT MYTH


東京出身。2002年結成。バンド名は「古代神話」の意。
シンフォニックなキーボードをフューチャーし、クラシカルかつ印象的なメロディーと哀愁を感じさせる楽曲を特徴とするヘヴィ・メタル・バンド。
ゴシックな要素も併せ持ち、現在は細分化されつつあるヘヴィ・メタルのジャンル分けの中では「シンフォニック・メタル」がその音楽性を指す時に最も似つかわしい。Michalは2007年に脱退した前任Vo、旭に変わって2008年1月に加入したヴォーカリスト。彼女が加入後リリースされた 1stシングル「AURORA」を発表して以降、バンドは積極的なライヴ活動を重ね、2010年10月に初のフル・アルバムとなる「Astrolabe In Your Heart」を発表!その後、メンバーの脱退などのトラブルに見舞われるも、新メンバー2人迎え完全復活!最新作「Akashic」での進化を遂げたシンフォニック・サウンドにメタルファンの注目が集まる!

ANCIENT MYTH!


メンバーからコメント!

『異端という名の悦楽』
第四の書 ■ 覚醒


1年余の時を経て…
眠りから覚め、HMV ONLINE に舞い戻って参りました。(`・ω・)
みなさん、お元気でしたか?

いやあ、今回の冬眠は長かった…。(´・ω・)
そうなんです。私は冬眠する生き物なんです。
活動が活発な時期を春や夏に例えるとすれば、
やむなき状況によって活動が控えめになる時期は秋や冬といったところでしょうか。
そういった意味では、バンドマンはほぼ全員、冬眠をしているのではないかしら。
国籍や性別、キャリア等々関係なく、バンドという生き物には春夏秋冬があるのだと思っています。(´・ω・)

日本では、この1年余の間に東日本大震災の影響で冬眠に入らなくてはならないバンドさん達もいましたし、
海外では私が敬愛するロイ・カーンが KAMELOT を脱退(新Voは決まったそうですが…)、
我々 ANCIENT MYTH も弦楽器2人と私の3人だけという状況になった為、冬眠を余儀なくされました。(´・ω・)

やがて来る春のために…ひとときの休息もまた、バンドには必要なもの。

正式メンバーが3人になってから、サポート・メンバーを迎えてライブ活動は続けていましたが、
昨年10月にようやくフル・メンバーが揃い、
揃うや否や2ヶ月連続3マン、アルバム制作という蜜月を過ごし、
通算3枚目のアルバム 『Akashic(アカシック)』 が完成して、「完全覚醒」の時を迎えることができました。

「Akashic」 というタイトルは、「宇宙の創造から終末まで、全てが記録されている」という概念、「アカシック・レコード」から取りました。
過去も現在も未来も、全ては必然であり、我々人類はその記録を再生しているのだそうです。
バンドの過去や未来を内包する現在を表現、再生しているという思いと(過去ありきの現在、そして現在ありきの未来)、
ようやく復活…再生できたという「2つの再生」の意味と共に、
この音源に出会ってくれるであろう貴方との出会いもまた必然である、という願いを込め、
「Akashic(アカシック)」というタイトルに辿り着いたわけです。(`・ω・)

今作には封入特典として、メンバー・イラストのアナザー・ジャケットが必ず入っているのですが、
新しく加入した Puzzy(Key)、JUHKI(Ds)がどんな個性を持っているかは、このイラストを見れば一目瞭然!
「孤高の暗黒魔女系」な Puzzy が手がけた、スリリングでドラマチックな M-7”Brynhidr”、
「爽やか主人公系」な JUHKI が手がけた、哀愁と希望が入り交じるM-4”レテの雫”、
勇気漲るスピード・チューン M-10”Soul Salvation”と、
その個性を色濃く反映した作曲能力を今作で発揮してくれています。
既存メンバーの「斧とか巨大な剣が似合う、重厚な戦士系」Naoki(B)、
「支援系魔法も使いそうな魔法戦士系」YURI(G)、
「間違って世界を滅ぼす何かを召喚してしまいそうな魔法使い系」な私も、
新加入の2人に負けじと作曲しています。 (*`・ω・)

そんな個性豊かな我々も、今作の PV、魔法戦士 YURI 作曲の”rw-rw-rw-“では、全員が◯◯になってしまうのですが、
ANCIENT MYTH が作る非日常的な要素を楽しんでいただきつつ、
この曲に秘められた呪いの意味を解明していただけたら…と思います。
メタラー大好きなとある要素を盛り込んでいますので、
メタラー必見です(*`・ω・)

今作は楽曲、歌詞、アートワーク、あらゆる場所に、
願いや思い、暗号的な要素が含まれています。
1回のコラムでは語り切れないので、またの機会に語れたらなあ、と。(・ω・)

この「春」を、1人でも多くの「運命の貴方」と過ごせますように…。

STAY METAL!!

メンバー・チェンジを経て再生したANCIENT MYTHの過去と未来を語るアカシック・レコードが、いま紐解かれる…!

【ANCIENT MYTH / Akashic】
01. Ashes and Crowns
02. rw-rw-rw-
03. Shade in Dusk
04. レテの雫
他、全10曲収録!!


2/24発売の 『Akashic』 をご購入のお客様に HMV先着オリジナル特典として、
ANCIENT MYTHトレーディング・カード(HMVオリジナル絵柄を含む2枚セット)プレゼント!

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今回は、コラム第1回目で紹介した暗黒デザイナー: Seth Siro Anton 氏繋がり特集(勝手に/笑)で参りたいと思います! まず第1弾は、彼の作品群の中でも比較的綺麗めな(血生臭くないという意味で)、ポルトガル出身の男声ゴシック・メタル・バンド:Moonspell『Night Eternal』。地元ポルトガルでは絶大な人気があり、ゴシック・メタル好きな方には言わずもがな知られたバンドですし、本作も通算9作目というベテラン・バンドなのですが、日本という土壌にはゴシックは合わないせいか、日本だとあまり話題に上らないんですよね…(´・ω・)

かく言う私も、Moonspellの作品を全て拾えているわけではないので、彼らの全てを語ることはできないんですけども、個人的に民族的なアプローチにすっごく魅かれるので、再生してすぐさま流れる”At Tragic Heights”の妖しげなクワイアで、この世界観にずるりと引き込まれてしまいました。

自分も、作曲に関わるようになってから非常に強く思うようになったことなのですが、世界観を持つバンドにとって、「効果音」ってもの凄く重要だと思うのです。冒頭のクワイア然り、シンセの音色然り、Voのハモり然り…バンド・メンバー自身がリアル・タイムで奏でる以外の音の全てが、世界観に奥行きを持たせる役割をするのだなあ…と。この目覚めがあって以来、所謂シンフォニック系以外のバンドも、実は多種多様な「効果音」を用いて世界観を表現していることに改めて気付いたのですが、この『Night Eternal』にも非常に心地よい暗黒系効果音が用意されていまして、特にM-2 “Night Eternal”のサビ裏や、M-7 ”Dreamless (Lucifer And Lilith)”のコーラス使いにはゾクゾクきました(*´・ω・)

女声VoをフィーチャーしたM-4 “Scorpion Flower”では、女声の独唱も素敵なのですが、女声が男声のオクターヴ上をなぞるのが綺麗ですね。個人的解釈ですが、この歌詞の女性、男性いずれもが主人公であって、お互いを絶望的な気持ちで想い合っているのかなあ…という妄想も膨らみます。

Moonspellは、いい意味で「重苦しすぎない」ので、男声ゴシック・メタルの門戸をこれから叩く方にはお勧めです(・ω・)b
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Seth Siro Anton氏が手がけるアートワークは、呪術的な意味合いが見え隠れするものもあるのですが、このアートワークはアルバム・タイトルが宗教的だからか、すごく意味深ですねー。司祭の帽子を冠った意味ありげなポーズを取る男性のモチーフに、「左手」には死の象徴とされる鴉、左右対称に配置された骸骨、キリストを表現しているのであろう葡萄、繁栄や美を象徴する薔薇…オカルト好きとしては、妄想をかき立てるアートワークになっていますね(*´ω`*)

「ドラコニアン」って聞くと、某著名ファンタジー小説の怪物も思い出しますが、こちらはスウェーデン産のドゥーミィーなゴシック・メタル。可憐な女声Voと、咆哮系男声VoのツインVo構成です。私は今作が初DRACONIAN なんですが、「ドゥーム」というキーワードから想像した音よりもずっとクリアで、聴きやすかったです(・ω・)
それがいいのかどうかは個人の主観によって異なると思いますが、華麗かつクリアなアコースティックGや、透き通った女声Voの明瞭さがはっきりしていて、その対比となる重低音の地鳴り具合がよく聴こえて、このバランス感は美しいなあと感じました。1つ1つの音がとてもよく聴こえて、先に紹介したMoonspellでも書きましたが、バンドの世界観を表現するのには欠かせない(と、私が感じている)効果音もバンドの音に埋もれることなく主張しているのが心地よいです(*´・ω・)

ともすればマスタリング時の事故とも取られてしまう(実は『Akashic』にもこういった効果音を入れてまして、エンジニアさんに注意されました/笑)M-3 “Deadlight”の冒頭のノイズは、女声の「幕一枚向こう側に居る」かのようなバランスと共に、過去の映像を思い浮かばせる役割があるのだと感じました。

個人的お気に入りはM-4 “Elysian Night“とM-6 ”The Death of Hours”、M-8 “The Last Hour Ancient Sunlight”。1曲に絞れなかった…(´・ω・)

特に、“The Last Hour Ancient Sunlight”の、演劇っぽさを漂わせる女声Voと、静と動の明暗にときめきました。この手のバンドはゴシック系を聴き慣れていないと一様に聴こえるかと思うのですが、このアルバムは曲ごとに劇中劇を見ているかのような感覚にさせてくれました。
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3枚目は、昨年リリースの 『Kinetik』も好調の、クロアチア産女声Voゴシック・メタル・バンドのデビュー作。こちらのアートワーク、なんとなくSERENITY『Words Untold & Dreams Unlived』と被るけど(←)、蟲×女性という美醜の対比も、彼ならではなのかしら。

このバンドはインダストリアル要素が強く、シンセの音色もデジタルなものやループも多用していますが、私はもともとゲーム音楽が大好きだったため、全く違和感なくこの世界観に入っていけましたけど、とっつきやすい人、とっつきにくい人は分かれるかも…(´・ω・)?

実は、個人的にかなりのお気に入りで、昨年初頭に行われたHMVさん主催のIRON ANGELで幕間DJを務めさせていただいた時、こっそりかけちゃった位です(*´・ω・)

この気怠さに満ちた無表情な声質のVo、最初はあまり好きじゃなかったんですが、このバンドの「機械的」な魅力には欠かせない無機質さを演出していて、すっごくいいです。2作目のアルバム『Kinetik』では、ちょっと人間味が出て来た曲もありますが、基本的には無機質、無表情。なかなか居ない

タイプですね。まだ20歳前後の若い方だそうですので、まだスタイルを確立しきれていないところもあるのかもしれませんが、彼女にはこの機械的な感じで貫いて欲しいなあと思います(*´ω`*) アンドロイド系女声Vo (´∀`*)

インダストリアル系では珍しくないのかもしれませんが(私自身、あまりインダストリアル系には明るくないので)、メタルというジャンルは楽曲のタイムが長くなりがちなので、全曲3-4分というコンパクトさで纏められているのはすごいなーと思いました。デジタル要素を多分に含んだサウンドなので、効果音も盛りだくさん。曲を長くしなくても、ドラマを感じさせることはできるんですね。 個人的お気に入りトラックは、M-2 “Stigmata”と、M-5 “Nebula”、M-6 “Andromeda”(某、ピンク色の星衣を纏ったヒーローを思い出しますねー)。絞ってこれです…。 今作と2枚目『Kinetik』にまたがる話ですが、このバンドはPVもすごく凝っていて、1枚目のリード・トラック“Stigmata”のPVはゴシックそのものだったのですが、2枚目のリード・トラック”Dance with me”のPVでは、自分達の方向性を見定めた!という潔さに溢れていて、めっちゃかっこいいのですよ(*´・ω・) 未試聴の方は是非!

ANCIENT MYTH 関連 Links

ANCIENT MYTH 他が所属するジャパニーズ・インディー・メタルの雄、Black-listed Records!

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