マスネ：ピアノ作品集

2012年1月18日 (水)

マスネ：ピアノ作品集
シュテファン・イルマー

オペラ作曲家として知られるマスネは、『タイス』や『ウェルテル』に象徴されるように美しい旋律創造の才に恵まれた作曲家でもありました。マスネはピアノ教師の母からピアノを教わって音楽を始めたこともあり、ピアノへの愛着は生涯続き、人生の各時期にさまざまなピアノ作品を書いています。
　それらは彼のオペラと同じく、親しみやすいもので、甘美で心に沁みる美しさを湛えたものなど魅力的なものもすくなからずありますが、録音は意外なほど少なく、まとまったものは、アルド・チッコリーニ（廃盤）と、ピエトロ・ガッリのものあったくらいだったので、今回の最新録音盤の登場は歓迎されるところです。
　演奏のシュテファン・イルマーは、MDGレーベルにクレメンティとロッシーニのピアノ作品全集のほか、タールベルクとフォーレのアルバムもレコーディングしているドイツのピアニストで、繊細なタッチと滑らかなフレージングによる洗練されたピアニズムが印象深い演奏をおこなう人物でもあります。（ＨＭＶ）

【収録情報】
マスネ：
・マイアベーアの『プロエルメルのパルドン祭』による大幻想曲
・10の風俗的小品 Op.10
・アルルカンの物語
・7つの即興曲
・トッカータ
・2つの即興曲
・楽興の時
・聖母の御前で（ローマの田園の思い出）
・狂ったワルツ
・非常にゆっくりしたワルツ
・ゆりかごを揺するための調べ
・2つの小品

　シュテファン・イルマー（ピアノ）

　録音時期：2011年6月21〜23日
　録音場所：マリエンミュンスター修道院
　録音方式：デジタル（セッション）