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2011年12月13日 (火)


『MMM Radio Psychedelic』×「3.10MMM」× HMV

音楽雑誌「MARQUEE」で好評連載中のクラムボン・mitoさんと MARQUEE編集長・MMMatsumotoさんによる「3.10MMM」が、 WebDice上でネットラジオとしてスタート!
その名も『MMM Radio Psychedelic』。今回は第22弾です。
2人による音楽談義がギュッと詰め込まれた、他では聴けない超レアな番組。 HMV ONLINEでは「3.10MMM」と『MMM Radio Psychedelic』で紹介したアイテムを合わせてご紹介!
必見必読です!




mito mito from clammbon
クラムボンのベーシスト。いくつかのソロプロジェクトや多方面のアーティストのプロデュース活動も活発に行うオールラウンド・プレーヤー。
MMMatsumoto MMMatsumoto  from「MARQUEE」
ポップカルチャーとマニアックな視点で独自な音楽を紹介する音楽雑誌「MARQUEE」の編集長。



どもです、ミトです!!お待たせいたしました、『MMM Radio Psychedelic』vol.22の配信開始です!!年末最後の『MMM』、今回のテーマはなんと「ペラいの」がテーマ!!!(笑
え?「ペラい」ってダメってことじゃん!!な〜んて思うそこのあなた!実はこの「ペラい」というのが、今までの変革した音楽に密接に関わる重要なファクターだったりするのです!!
それこそ、「新しい音楽」への助走を担う音楽こそ「ペラい」!!そのココロは???さあ、みなさん、新たな音楽の旅路です!心していってみましょう!!!





【MMMRadio Psychedelic 2011 Vol.22】
音楽雑誌「MARQUEE」とMMMRadio Psychedelicで紹介したPlay Listをご紹介

1st set   Peter Ivers / Terminal Love


「誰が聴いても変」という音楽は、得てしてとてつもなく分かりやすく、むしろ全てが認識できるポップなエッセンスを持っている。誰もがその音楽につっこみを入れることが出来、そこに大きな音楽素養など滑稽でしかない音源。。。それは究極の名盤であり、究極の「異質」であるのだ。この音源で聴ける、重心の徹底的に軽い音楽こそ、実はビートルズと同じくらい重要であり、「ペラい」ミュージックのフォルムを知る上で入門書。シリアスを全く感じさせないトラックに、全くやる気が無い鼻声のボーカル、HARBARD出身のピーター・アイヴァーズの作る音楽が僕らにプレゼンテーションした世界は、びっくりするほど違和感がありながらも、まるでスーパーでオリジナルのBGMを聴いているかのような親和感があり、それでいて現実の軋轢を想起させる。

解説 by mito

mito 「完全に“ペラい”ってこういうことだよな、っていう。イメージもそうですし、音もそうですし、声もそうですし。ただコレは、カッコイイというか伝説的な名盤と言われるペラいモノで。聴いた瞬間に「ペラっ!薄っ!軽っ!」みたいな(笑)」
MMMatsumoto 「(笑)。ベースがすごく“ペラい”の根源っぽいなと思って」
mito 「たしかに音響的なことで言うと、ベースのレベルがめちゃ小っちゃいんですよ。異常なぐらい。僕が思うのは、このペラさが眩しすぎるっていうか。あくまで音楽っていうフィルターの中でマスキングされてるだけであって、この人間の出すパーソナリティーっていうかオリジナリティーがギラギラしすぎてて。ソレを純化した結果がこういう音になっていったのかな、と。この人の軽さっていうのは、ちょっとゾクッとするというか。そういう意味でもペラさの入門編としてはバッチリかなと思ったりして」


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取り扱いなし
 toe fat
toe fat
※取り扱いなし

2nd set   toe fat / toe fat


当時「ハード・ロック」という言葉が無かったころ、ここまで現在のハード・ロックの定義をしっかり表したバンドはいない。元Godsのケン・ヘンズレー率いるバンドが作った音源は、まさに黎明期のハード・ロックサウンドの雛形のようなスタイルを確立。ジャケットをヒプノシスにすることで、リスナー達に先進性をより押し進めた音源だったのだが、90年、2000年代の謳歌する若者達には「これ、聴いたことがある」くらいにしか響かないであろう。ハード・ロックというスタイルが持つ諸刃の刃はまさにここであり、様式美を曖昧に押し進めた結果、いろいろなジャンルで流用され、もう聴くに値しないほど…そしてその概視感がより、僕らの世代には「ペラく」感じてしまうのである。「ペラい」は時間との関係性も深いのだという、好例。

解説 by mito

mito 「ジャケをまず見てもらいたいんですよ。裸の男女が浜辺に4人いるんですけども、顔が“親指”。このインパクトはすっごいですよね」
MMMatsumoto 「ジャケットの方が勝ってると思うんだよね、中身より(笑)」
mito 「コレを最初に見た時に「そうとうえげつないプログレだろうな」と思って即座に買ったんですけど、聴いたら「何これ?何このハードロック感は!?僕があんまり得意じゃないタイプだ〜」ってなって(笑)」
MMMatsumoto 「なぜコレが“ペラい”感?」
mito 「69年に発売してるってことはハードロックの黎明期で、コレはその雛形みたいなモノなわけですよ。逆に僕らみたいな世代の人間が聴くと、コレをどんなに重くヘビーに作ったとしても僕らにはペラく聴こえる、っていう(笑)」


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Changes
※廃盤

3rd set   Catapilla / Changes


発売した2枚のレコードが共に変形ジャケット、そして楽曲もほとんどが長尺。アウトローを地でいったバンドがこのCATAPILLAである。ベース、ドラム、ギター、キーボード、ボーカルにサックスが入るといったちょっと変則的なメンバーが生み出す音塊は、「どこにでも無い、けれどここにしかない」という完全なオリジナルを確立。ただし全ての音が曖昧で、雲をつかむようなセッション展開故に、聴き終えた後の虚無感と困惑は計り知れないものがある。このバンドはノイズアーティストに頻繁に取り上げられる事が多く、ホワイトアウトなサウンドは、ヘタなドローンよりよっぽど予測不可能でもあり、それでいて中毒性もある。

解説 by mito

mito 「いよいよもってコレを出す(紹介する)ことになったか!と自分の中では思ってるんですけど(笑)。何がすごいって、このバンドのアルバムはどれもこれもズルーッと始まってズルーッと終わってく、っていう。何の主張もなくカタルシスもなく(笑)。コレの場合はもう、聴き終わった後のペラい感みたいな。その虚無感的な」
MMMatsumoto 「わかるわかる。でもオレはこっちの2ndアルバムは吹っ切れてると思うんだよね。終始混沌としたまま…」
mito 「終わってゆく」
MMMatsumoto 「そう。この感じはすごく好きだけどね」
mito 「印象のペラさというところで入ってくるという。聴感上のペラさもありますが、この“ペラッペラにさせられる”気分、みたいなね(笑)」
MMMatsumoto 「(笑)」

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Birds

4th set   TRACE / Birds


70年代中〜後期のオランダのバンド、トレース。リック・ヴァン・ダー・リンデンというヨーロッパでは屈指のキーボード奏者を中心にした3ピースで、3枚のアルバムを残した内のこれが2nd アルバム。クラシックやジャズの要素を取り込んだシンフォニックで構築的な、いかにもな“プログレ”作風が売り。特にこのアルバムの後半に収録された組曲“Birds”がベストかと。鐘の音と共に吹き出す教会オルガンの荘厳な響きから始まり、一体幾つのメロディがあるのか!という程、小刻みに変化しながらヴォーカルパートあり、アグレッシヴなアンサンブルもありと、とにかく飽きない。70年代中頃ならではの洗練のされ方がちょいAOR風でもあって、いい意味での軽さがあるのも聴きやすい理由かも。この、まるで絵に描いたような“プログレ”と洗練度の高さで、今回のテーマである<ペラい>に当確です。

解説 by MMMatsumoto

mito 「イイ!良いです」
MMMatsumoto 「いわゆるプログレにある組曲形式のコンセプトアルバムなんですよ。何がペラいかは実はもうミト君がさっき語ってしまってて。要するに“テキスト化されたプログレ”っていうモノを綺麗にパッケージ化したのがコレだと思ってるわけ」
mito 「さっきのToe Fatじゃないですけど、“ハコにはまっちゃう音楽のペラさ”っていう哲学ってあるじゃないですか。そこが面白いと思うか思わないか、ってのは結構ありますよね」
MMMatsumoto 「うん、そこなんだよね」
mito 「今はフォーマットを突き崩す美徳の世代じゃないですか。だから“ペラい”って、へたすると僕らの世代だけの新しい楽しみ方でもあるのかもしれないですね」

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5th set   P.F.M. / L'isola Di Niente


正式名称「プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ」。E.L.Pのレーベルから世界的デビューし、その演奏力とパフォーマンスが評価を受け、成功したバンド。構築美的な曲構成、メロトロンやシンセを多用することで得るサウンドは「シンフォニック・プログレッシヴ」の雛形とも言われる。幾多のメンバーチェンジを経ながらも現在でも活動。唄うドラム、超絶なギター、エモーショナルな演奏、その全てが密接に関わり合い、まさに唯一無二の音を作り出した。昨今では映像を使ったパフォーマンスなども行い、2011年の来日の際には、オーケストラを率いての演奏を実施。その完成度の高さは全世界に広がるほどの人気を得た。

解説 by mito

mito 「今年の、ではないですけど、この『MMM』らしい僕なりの総括というか。イタリアン・プログレッシヴロック・フェスティヴァルへ行ったゾ!という(笑)」
MMMatsumoto 「それが総括なの(笑)?」
mito 「僕の中では結構デカいかも(笑)。いや〜、イタリアってすげぇって思いました。まずすごいなって思ったのは、PFMとかアルティとかの技巧的な人達って、30年も40年も同じことやってるのに全然死なないんですよフレーズが。バイタリティーがないと弾けないっていうね。で、観てて思ったのは、そういう身体的というか全てをやりきっている人達の集まりだから、飽きないんですよ」
MMMatsumoto 「なるほどね、要するに音だけじゃなかったってことね」
mito 「すごい勇気を貰ったというか。同時に、ブレがないことを40年続けるっていう、そのすごさを自分達も頑張って受け継がないとな、って思うようなイベントでしたね」
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6th set   SEMIRAMIS / Dedicato A Frazz


イタリアン・ロックの醍醐味とも言うべきB級感が、たっぷりアグレッシヴに聴ける1枚。セミラミスが1973年に残したこのアルバムは、ハードでサイケでシンフォニックで、それでいて前回ここで取り上げられたイル・バレット・ディ・ブロンゾのようなダークさが特徴。暗〜いヘヴィで屈折したイタリア物が好きな人にはマストの作品です。『太陽と戦慄』から『レッド』の頃のキング・クリムゾンとか好きな人にはお薦め。で、とにかくドグサれてます(笑)。でもこれが意外とクセになる。そもそも展開がおかしいと言うか、ギリギリ、リフがアウトと言うか(笑)、曲も決着しなかったりして結構先が読めない。そこがポイント。ハードロックにジャズが混じったようなギターリフが多いので、勢いで聴けてしまいますが。曲を破綻させるようなその強引さは、いかにも70年代前半のイタリアン・ロックらしいかと。

解説 by MMMatsumoto

MMMatsumoto 「オレね、イタリアの荘厳なシンフォニック・ロックを聴くとさ、笑えちゃう感じがあるんだよ」
mito 「ありますあります、それはもういつだってあります(笑)」
MMMatsumoto 「あるでしょ(笑)?だからそれは“ペラい”感覚なんだよね」
mito 「イタリアン・ロックをずっと聴いてくと、気付くと実は歴史が分かってくるんじゃないかな、ぐらいに分かりやすい音楽でもあるような気がするんですよ。それこそ松本さんとかは、音楽の中でイタリアの文化を知っちゃってるのかもしれないし、僕もそういう発想のところまで辿り着けたら面白いな、みたいな。一回行きたいっすね、イタリア」
MMMatsumoto 「行ったらすぐ分かると思うよ。僕もそうだった」

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今月のMARQUEE

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    MARQUEE Vol.88

    [ 2011年12月10日 発売 / 通常価格 ¥800(tax in) ]






遂に実現!表紙+第一特集にPeople In The Box(計24ページ)。3ピースバンドとは思えない複雑なアンサンブルから繰り出されるナチュラルさとポップさ、そしてイマジネーション広がるサウンドが特長の彼等が、来年1月18日に新傾向のニュー・ミニアルバム『Citizen Soul』をリリース。これを機に一挙Peopleを総特集しました。撮り下ろし写真多数、メンバー3人への各インタビュー、PV監督へのインタビュー、ライヴレポ、コラムインタビュー、3人が最近聴いていたディスク10枚、Peopleを巡ってのクラムボン・ミトへのインタビュー、寄稿、ディスク解説など、多角的に迫ってます。第二特集は秋葉原発信(つまりネットカルチャー渦中)の今最も注目のアイドルグループ、でんぱ組.incを、こちらも18ページというヴォリュームで特集。アキバとアートを昇華した先鋭感を持ち、ネット以後の2.5次元カルチャーを体現する新世紀魔法少女達に、鋭く切り込みました。撮り下ろし&インタビューはもちろんのこと、アキバというバックボーンや、オンタイムなアートとしてのアイドルの在り方への論考、プロデューサー・もふくちゃんへの徹底インタビュー、原宿カルチャーの現在を象徴するきゃりーぱみゅぱみゅとの対談など、こちらも多角的に展開。そして巻頭特集には新メンバーを加えてのjoy、巻末特集にはTVアニメ『UN-GO』主題歌を担当したSchool Food Punishmentを。この巻末特集では、『UN-GO』の監督でもある水島精二監督とSFP・歌村友美の対談も実現! その他、髭特集(多数ミュージシャンからのコメント、インタビュー、メンバーによる曲解説、元snoozer編集長・田中宗一郎との髭対談、連載<ゲスト:大久保佳代子(オアシズ)>)、LAMA・全員個別インタビュー、坂本慎一郎、コルテモニカ(incl.中田ヤスタカ・インタビュー)、さくら学院×Bose×RAM RIDER 対談、クラムボンの国技館ライヴレポ、武道館ライヴ初出しレポ&インタビューのSEKAI NO OWARI、ねごと、オワリカラ、たむらぱん、末光篤、堂島孝平、FLiP、ステレオポニー、などなどを掲載。

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