【HMVインタビュー】 小林勝行

2011年11月1日 (火)

interview
--- HMV ONLINE初登場になりますので、簡単に自己紹介からお願いします。

みなさんこにゃにゃちわ。神戸出身のMC小林勝行です。 主に早番のシフトです。わからない事だらけですが一生懸命働くのでよろしくお願いします。んだんだ。

--- これまで神戸薔薇尻名義でリリースされた楽曲が日本語ラップシーンでも大きなインパクトを残し、満を持してのフルアルバムリリースとなったと思います。完成した率直な感想はいかがですか?

よかった、ほっとしました。みんな、ありがとう。

--- また、待ちに待たれたアルバムになるわけですが、このタイミングでのリリースになったのはどういった経緯(いきさつ)だったのでしょうか?

だいぶ前からアルバムを出したかったんやけど...むちゃな事をしたり、連絡とれんかったり、他人からみたら病んだりで音楽を一切せんくなったんやけど、こうへい(地元の後輩)、ディレクター、神門、そーた(敏腕)、兄KID(先輩)やらのおかげでリリース出来ました。

--- 今回は小林勝行としてのリリースとなります。神戸薔薇尻名義ではなかった理由と、名義ではなくタイトルに「神戸薔薇尻」と銘打った理由を教えてください。

いっぱい理由はあるけど、本名でいくんがベストやと思った。タイトルにしたんはディレクターと相談して、精一杯のけじめみたいな感じです。

--- 今までどのような音楽を聴いてきたのか?その遍歴を教えていただけますか?

もちJ-POP全般から学生ん時はロックが主だった。バンドもやった。特にBOOWYやらZIGGYが大好きでした。後、長渕剛とか、広く浅く直感的に聴いてきたつもりです。

--- ラップを志したきっかけは?

吉本に行ってたんやけど二十歳くらいん時にクラ(友達)に誘われました。

--- 自分に影響を与えた音楽作品を3点あげ、その理由も説明していただけますか?

最近思うアルバムは

尾崎豊尾崎豊「セブンティーンズ・マップ」
あつい。いけてるマセガキみたいな。

長渕剛長渕剛「いつかの少年」
日本で1番のリリシスト。何回も励ましてもらった。

カッツェカッツェ「カッツェ3」※廃盤
恥ずいんを超えた正義感。

いっぱいあります。ラジオしたいです。

--- 「O-K-A-N」からも感じられる通り、おそらく他人よりも濃く壮絶な反省を歩んできたのだと思います。その中で音楽とはどのような存在だったのでしょうか?

友達みたいな感じです。めっちゃ落ちてる時に泣かしてくれたりあがったり
女いきたくなったり、たまに会いたくなくなるけど、やっぱいるなぁ、おらんと淋しいなぁみたいな感じです。

--- 生まれた瞬間、全てにベタ惚れともありましたが、リリックからも殊更音楽への異常な偏愛が伺えます。音楽にはまったきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

お笑いが一番ドープな仕事だと思ってた。
音楽はなんか漠然とかっこいーって感じやった。まさかラップするとは思わんかった。
運命的に感じたい。駄目な頃も意味があったと自分の中で光らしていきたい。

--- 今作は名刺代わりというか、「小林勝行とは何者なのか?」を伝えるリリックも多いと思いますが、その辺りは意識したのでしょうか?

ゆわれてみれば意識はしてたと思いますです。まだまだ感情があるのでちゃんと理解されるようにやりたいです。

--- 両親に対する思いも随所に感じられますが、今のように感謝を出来るようになるにはどのような紆余曲折があったのでしょうか?

恥ずかしいくらい迷惑いっぱいかけました。リアルに子宮にいたんで。
一人暮らしした時がでかくて自分に足らない部分を痛感したり、とりあえず間違わない方向だと思う。
また生んでほしい。僕の親は宇宙1です。慰問ライブしたいです。

--- 曲を聴いているとその風景が浮かぶというかいつの間にかその歌われている世界に引きずり込まれる感覚を覚えます。日常の生活を送る中で感じる、怒りや悲しみ、そして喜びを、激しく感情的にラップする様がそのように生々しく伝わってくるのが特徴的だと思うのですが、リリックはどのような時に書くのでしょうか?

漠然と興奮してる時が多いです。最近は1人カラオケばっか行ってます。
パンチラインなり。構成からです。いっつもえー気分でいたいです。

--- またそのリリックを書くモチベーションになっているものは何ですか?

心。っていえばそれまでやけど、何かの縁に触れての共感なりかな。感謝します。

--- 客演に唯一MCとして神門さんを招かれています。「泥中花」は小林さんに向けられた曲でもありましたが、今回唯一のMCで神門さんを招いたのはなぜですか?

男として気持ちいー義理を果たした感はあります。
こんなもんじゃないですが、アーティストとしても尊敬もしてます。
当初やってもらう予定やった人もいたんですが...またやりたいです。

--- 最後に、今の小林勝行にとって“うたう”事とはどのような事なのでしょうか?

あんまり特別な事やないよーにしたい。声にしてたら気づくし気分も良くなろーとしてる。
男っぽくないかもやけど、新しい男像を無意識にやって俺みたいな奴を確実にあげたいです。

--- あ、あとウェルチは好きですか?笑

うん、大好きです。
始めて口にした時 素直にカネモになりたい!って思いました! 是非

インタビュー/文:松井剛


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     小林勝行
    『神戸薔薇尻』

    2011年11月02日

    これまで神戸薔薇尻名義でリリースされた楽曲が日本語ラップシーンでも大きなインパクトを残した小林勝行。満を持して本名にて1stアルバムをリリース!自らの人生全てを映し出した熱い熱い言葉たち。ほかのどんなラッパーにも似ていないオリジナルな語り口で胸を刺すうたはブルース。小林勝行がうたわずにはいられなかった魂のラップがここにある。小林勝行、絶対いける。

    [収録曲]
    01. 108 bars
    02. O-K-A-N
    03. 煩悩即菩提
    04. 拳闘士入場
    05. もーちょい
    06. 泥中の鳥肌ジャンキー
    07. 地涌の菩薩
    08. コウベヲアゲヨ
    09. 丈夫軍手'z
    10. 魅裸繰ボデー
    11. もーしー
    12. 感傷の果て
    13. 元カノ達の慕情
    14. 黄金パターン
    15. 一秒前 客演:神門
    16. 絶対いけるU
    17. FINAL DISTANCE 客演:ZiNg
    18. 警鐘

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     『Concrete Green: White Christmas』
    邦楽ヒップホップシーンに一大ムーヴメントを巻き起こしたCONCRETE GREENシリーズのBEST的1枚!
    神戸薔薇尻「絶対行ける」収録。

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     DJ NAPEY
    『FIRST CALL』※廃盤

    小林勝行と同郷、神戸を代表するトラックメーカーDJ NAPEYの2ndアルバム!
    神戸薔薇尻「蓮の花」収録。

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     Sac
    『FEEL OR BEEF』

    ScarsのトラックメーカーSacによる07年作品。
    神戸薔薇尻「ちょけんねん」収録。
profile

昭和56年1月6日、神戸市垂水区で産声を上げる、生まれた瞬間全てにベタ惚れ。女、XX、XX、XX、そしてXXをきっかけにハマッた音楽。マイクを握って三千里、神戸薔薇尻名義でSEEDA & DJ ISSOによる「CONRETE GREEN」収録の"絶対行ける"や、同郷の兄貴分DJ NAPEYのファーストアルバム「FIRST CALL」収録の"蓮の花"、そしてSCARSのSACによるシーンの重要MCを招聘したアルバム「FEEL OR BEEF」収録の"ちょけんねん"、そして同郷の神門と発表した"HERE IS HAPPINESS"など発表曲自体は少ないながらも爆発的なインパクトを残してきたMC : 神戸薔薇尻こと小林勝行、メロウです。等身大というよりも赤裸々で生々しい、その波瀾万丈な世界観とブッ飛んだワードセンス、ブルースを感じさせる、ラップと同一線上に歌を落とし込む(落とし込める)独特のスタイル、声質とフロウ、相乗効果を生むイケてる関西弁、全てが唯一無二。ギャングスタでもハスラーともひと味違うリアルな世界を断片的な心情と情景の描写によって描き出し、聴き手の想像力を掻き立てそのストーリーに引きずり込んでいく。昨日もどこかで歌ってた、今日もどこかで歌ってる、明日もどこかで歌うはず。人生は長いようで短いし、短いようで長い。その一瞬一瞬を飲み込み言葉を吐く、繰り返し繰り返し上を向いて歩く、小林勝行、絶対行ける。