HMVインタビュー:Tyler, The Creator

2011年5月25日 (水)

interview

LA若手ヒップホップ集団OFWGKTA(Odd Future Wolf Gang Kill Them All/通称:オッド・フューチャー)のラッパー/プロデューサー/トラックメイカーでリーダー的存在、タイラー・ザ・クリエイター。 今や音楽シーンの寵児として世界中から注目を集めている彼に遂にインタビュー実現。 彼のツイッター上でのつぶやきや自身たちが上げている動画、メディアを通じての言動から察するに、これほどインタビューしにくい人物はいないだろうと思っておりましたが やはり期待を裏切らず(?)、一問一答のようなあっさりしたものに。しかし、タイラーの素直で簡素な答えは逆にすがすがしく、 興味深いコメントも時折飛び出し、なかなか面白い内容になっていると思います。
インタビュー質問文:二木崇(D-ST.ENT)
構成:HMV

OFWGKTAの意味?No Meaning!

(タイラーは、ロンドンのXLオフィス内の8畳間ほどの簡易スタジオで作業中。 取材開始の直前まで、アップルのスクリーンやキーをいじったり、キーボードでスペイシーなディスコ調のコード&メロディを弾いたりしている)

--- 貴方と弟のアールはどんな環境で育ったのですか?

んー。クールな環境だったよ。別に・・・普通のノーマルな子供時代で。学校は好きじゃなかった。

--- 得意だった科目と言えば?

あー・・・歴史とか・・・うん、そんくらい。

--- 学校そのものにあまり興味がなかったみたいですね。

ああ。

--- 当時はどんな音楽を聴いて、影響を受けました?

ラップに、あとはジャズ。そんなもん。

--- 貴方の周囲の友人たちも、そういう音楽にハマってた?

いや、全然。

--- スケート・カルチャーにはいつ頃興味を持ったんですか。

・・・確か、12歳か13歳の頃だな。

--- ヒップホップを自己表現の手段に選んだ...、ラップを始めたのはいつ?

7歳。

--- ご家族のリアクションは?

クールだったよ。サポートしてくれたしね。

--- また自身のラップ・スタイルの方向性が固まったのはいつ頃?

あー・・・分かんない。っていうか、徐々に成長していったわけで、ある日腰を据えて、『おお、これが俺のスタイルだ!』なんて分かったわけでもないし。 また、いつかスタイルが変化することだってあるだろうし・・・だから、何月何日の何時だとか、きちっと定まったものはないっていう(苦笑)。

--- 初めて書いたライムは覚えてますか?

んー、覚えてるのは確かなんだけど・・・思い出すことができないんだ。 だから、誰かにそうやって訊ねられると、どうにも思い出せない、みたいな。なんでかは分かんないけどね。多分、決して思い出すことができないんだろうな、俺。 うん、思い出すことはないと思うね。でも、いつか思い出すかもしんない(軽く笑う)。

--- タイラー・ザ・クリエイターと名乗るようになったのは?

14歳くらいの時。

--- そこに込めた思いは?

とにかく俺は、色んなことを山ほどやってたんだよね。だから、様々なことに手を伸ばしていて、何かを生み出そう、クリエイティヴになろうとしていた、と。それが始まり。

--- 音楽に限らず、色んなものを創っていた?

そう。

--- たとえば?

ビートを作ったり・・・ビデオを監督したり、何かデザインしたり・・・色々。アート、ドローイングとか、そういうもの。

--- OFWGKTAと命名したのは誰?

俺。

--- 何か意味はあるの?

意味はなし。

--- ないっすか・・・。

No Meaning!(クスッと笑う)

--- このクルーは今までに現れた如何なるクルーとも似ていないと思うのですが、その特殊性を貴方の目線から説明して。

分かんない。思うに・・・分かんないよ。俺たちにしてみれば、ただ、自分らのやりたいことを好きなようにやるってだけのことだし。

--- 中でも一番の変人は?

んー・・・ちょっと考えさせてくんない?・・・スカイラー。俺らのダチでスカイラーって奴がいるんだけど、あいつはマジで、変人。とにかく、あいつのことは俺にも理解不能で。あいつは、分かんない。

--- スタジオ環境は?

ちっちゃなキーボードがあって・・・(と、周囲を見渡す)あと、ロジックってプログラム。けど、こんな立派なもんじゃないよ、全然(※取材場所のミニ・スタジオは、コンソールもあるが、必要最低限の機材が揃っている程度。 4、5人で窮屈に感じそうなスペースで、決して広くはない)。

--- そうなの?もっと狭いスペースなんだ?

ああ。ただ、コンピューター、あとキーボードでやりくりしてるだけだし・・・こんな、ちゃんとした機材はひとつもない。ここ、いいよな。

--- エンジニアも11人のうちの誰か?

うん。シドニー。シド(・ザ・キッド)、あのDJの女の子が全部やってくれてる。



profile

巷を賑わす西海岸最狂若手ラップ集団OFWGKTA(Odd Future Wolf Gang Kill Them All=通称オッド・フューチャー)を率いるリーダー的存在のラッパー/ プロデューサー/トラックメイカー。現在20歳。先行シングル「ヨンカーズ」 の過激なビデオが、カニエ・ウェストの「2011年最高のビデオだ」というツイ ートをきっかけに話題を呼び、約1,000万回再生される。音楽界以 外からも熱い注目を集める、今最も過激でヤバいMC。 暴力的でエキセントリックなリリックが物議を醸すがツイッター、SNS、音楽界、 ファンション界、アーティスト等が大絶賛!OFWGKTAとしてビルボード誌3/11 号の表紙を飾り、スケート・ブランドのシュプリームを常に着用する誰も無視 できない若干20歳の超期待の新人ラッパー。世界デビューアルバム『ゴブリン』は 全米チャート初登場5位を獲得(R&B/Hip-Hop1位、インディー1位、RAP2位)。

OFWGKTA、サマーソニック 2011出演!
日時: 東京8月13日(土)大阪8月14日(日)
More Info: サマーソニック公式サイト http://www.summersonic.com/2011