HMVインタビュー: Prefuse 73

2011年4月13日 (水)

interview

Prefuse 73

「女性」をテーマにBroadcastの故トリッシュ・キーナンほか、多数の女性ヴォーカリストをフィーチャー。これまでとは違った新機軸作品を完成させた Prefuse 73ことギレルモ・スコット・ヘレンに伺いました。

彼女たちは皆、僕の才能あふれた友達で、もっと多くの人間に知ってもらいたい人達だ。


--- 新作アルバム『The Only She Chapters』は「女性的なアルバム」との事ですがアルバムをつくろうと思ったきっかけを教えてください。

Prefuse 73: 「普通」とは違った手法を全て混合させた、新発見をしたかったんだ。女性の声のメロディーや声域には以前から音楽的に強い感動を覚えていたということもあるよ。

--- このアルバムはどのような手法でつくられたのですか?

Prefuse 73: アコースティック楽器を録音する小さなコンタクトマイクを沢山使用した。さらに普段使うようなマイクでも音を拾い、音響を合わせてサウンドパレットを作っていった。生演奏、ソフトかハード、様々な方法で作曲したよ。最終プロセスはヴォーカリストを起用し、そこからまたミキシングするような流れだった。

--- 全曲、曲名が「The Only...」から始まりますが、この「The Only...」という言葉には何か意味が込められているんでしょうか?

Prefuse 73: 今回の制作期間はとても長いものだったので、本を執筆しているような気分だった。このアルバムは本を読むように聴いて欲しい。章ごとに分かれていながらも、段取りを外さない本のように。だからThe Onlyの曲タイトルは「チャプター」、章として音楽を表しているんだ。

--- 今作はヒップホップ的なビートがほとんどありませんが、この方向性はどのようにして生まれたのですか?

Prefuse 73: ビートを作る他に、Prefuse73として探検するべき場所は他にもたくさんあると感じていた。自分に貼られたレッテルから逃げ出す方法なんだ。新しい「冒険」をせずに古いアイデアを「リサイクル」するのは嫌なんでね。このアルバムでは実現したかったコンセプトを長い努力の甲斐あって、叶えることができたんだ。

--- どんな時に歌詞や曲のテーマを思いつきますか?

Prefuse 73: 「いつどんな時に」曲のアイデアが来るかは予想できない。なるべく自然の成り行きに任せているよ。

--- ではそのアイディアはどこからくると思いますか?

Prefuse 73: 他愛もない思いつき、人生のその時の状況、人との関係、愛、失ったもの、思い出、家族、政治と自分の周りの文化。

--- そのアイデアやイメージをどのように楽曲に反映させますか?

Prefuse 73: 自分のアイデアは聴覚で味わう視覚的イメージとして反映したい。音楽やサウンドを通して雰囲気やヴィジュアルを造り出すことは自分にとって大事な事なんだ。

--- 今回のレコーディングではTyondai Braxtonとも一緒に仕事をしたそうですが、彼はアルバムに何をもたらしましたか?

Prefuse 73: Tyondaiは膨大な量の素材に目を通し、的確で筋の通ったアルバムになるようにトラックを厳選していった。全ての素材を肯定してくれたよ。

--- どんな雰囲気で作業をしていたんですか?

Prefuse 73: リラックスしたものだよ。色々な意味で兄弟のような存在だから、家族同然だ。もちろんミュージシャンとして尊敬しているし、いつも驚かされる。今世紀最高の音楽的頭脳を持った人物の一人だね。

--- 「The Only Trial 9000 Suns」には今年亡くなってしまったBroadcastのTrish Keenanが参加していますがこの曲はどのように録音されたのですか? 

Prefuse 73: 2001年あたりに一回目のAll Tommorow’s Parties(毎回、アーティストがキュレーションを務めるUK発のイベント:以下ATP)のパーティーで会った。あの歌は偶然できたものだが、彼女の声とトーンが聴こえてきそうな気持ちになりながら作曲していった。

--- 他に何か思い出があれば教えて下さい。

Prefuse 73: Trishは僕にとってはヴォーカリストで、ATPで自分の部屋の前でBroadcastのメンバーたちとガラスの皿でフリスビー遊びをしていたのを今でも覚えている。

--- 参加女性ヴォーカリストについても教えて下さい。

Prefuse 73: 彼女たちは皆、僕の才能あふれた友達で、もっと多くの人間に知ってもらいたい人達だ。彼女達の歌を聞いてほしくて、参加を頼んだんだ。Nika (Zola Jesus)は素材の多くに、まるでオペラのような感情高いタッチを吹き込んでいった。本当に、素晴らしい人だ。本当に、素晴らしい人だ。Nico Turnerは僕が去年Manimal VinylでプロデュースしたVoicesVoicesのメンバーだった。Adronはアトランタ州出身で、素晴らしい歌声を持っている。Faidherbeはフランスから来た魅惑の歌手だよ。

--- 本作をリリースしてからライブをおこなう予定はありますか?

Prefuse 73: もちろん、アルバムが発表されてからそっちに集中を移すつもりだよ。

--- 今後の予定、現在進行中のプロジェクトなどがあれば教えてください。 

Prefuse 73: 今はEPを制作中で、今作のChapter2、第2章になりそうな感じだ。The Flaming Lipsの次回作で一緒にコラボする予定だ。他にも色々...とても忙しいよ(笑)

新譜Only She Chapters / Prefuse 73

プレフューズ73 最新アルバムは、「女性」をテーマにBroadcastの故トリッシュ・キーナン、ニキ・ランダ、ゾラ・ジーザスといった多数の女性ボーカルをフィーチャー。今までにない新機軸サウンドを展開した興味深い一枚!


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PREFUSE 73
(プレフューズ73)

様々な名義で、その多彩な音楽性を表現しているギレルモ・スコット・ヘレンのメイン・プロジェクト、プレフューズ73。長きに渡ってヒップホップ、アヴァンギャルド・ロックの最先端に立ち、最近ではプロデュースを行ないツアーも共にするダニエル・ロパティンの作品や、TV オン・ザ・レディオ、ゴーストフェイス・キラ、バトルス、モス・デフ、ホゼ・ゴンザレス、ブロンド・レッドヘッド、ザック・ヒルなど数多くのアーティストとコラボレーションを重ねてきた。今作は、“女性”をテーマに、ゾラ・ジーザス、シャラ・ウォーデン(マイ・ブライテスト・ダイアモンド)、トリッシュ・キーナン(ブロードキャスト)等多くの女性ヴォーカリストとコラボレート。アート・ワークには日本人イラストレーター、ユウコ・ミチシタを迎える等女性にフォーカスした作品となっている。女性ヴォーカリスト達の、それぞれ全く異なったスタイルと魂を加えることにより、常に型破りだった彼の音楽性に、また新たな世界観が加えられた。

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