圧迫面接 =Salyu=
ブルースみたいですね<Salyu>
MySpace RECOMMEND
アーティスト名:S.L.A.C.K.
収録作名:『我時想う愛』 試聴曲:「いつも想う」
DAXで試聴(「夕方/夕方の風 Feat. YAHIKO」)
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宮崎:最近僕はこのアーティストばかりなんですが今日も持ってきました(笑)! S.L.A.C.Kという23歳のラッパーの曲です。とにかくカッコいい!
Salyu:声がいいですね。自分の声の魅力をわかっていて、ちゃんとコントロール→してる。音楽的なスィート・スポットを知ってる人だと思います。きっと勉強熱心なんだろうな。いろんな音楽を聴いてる感じ。
宮崎:実兄とPSGというグループを組んでいるんですけど、日頃からお兄ちゃんと“音楽的な筋トレ”をやっているそうです。彼らのお父さんが脱サラして、新たにインディでレーベルをはじめたらしく、今作はその新レーベルからのリリースとなります。このお父さんというのが、山下達郎マニアの音楽フリークで、彼らはその影響で小さい頃から様々な音楽を聴いてきたみたいなんです。S.L.A.C.Kも小学校6年からラップしているから、若いけどラッパーとしてはすでに10年以上のキャリアがあるんですよ。
Salyu:へぇ。あと聴いているとブルースみたいですね。地下で演奏している感じ。才能があるんでしょうね。これはイイ意味で言うんですけど、外になにかを取りに行こうとしていない感じがしました。自分の世界観を信じているというか。
宮崎:ダサいトラックを耳にしたときも“自分だったらこうする”って考えながら聴くって言ってました。
柏井:ちょっと聴いただけでそこまで分析できるなんてスゴい(笑)!
Salyu:世界から受けるいろんなモノを全部ヒップホップに落とし込めるなんて、素敵ですね。
ロックには居場所がない<Salyu>
HMV RECOMMEND
アーティスト名:BO NINGEN-棒人間-
収録作名:『BO NINGEN-棒人間-』
試聴曲:「Koroshitai Kimochi」
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堀田:ロンドンを拠点に活動しているバンド、棒人間です。最近話題になっていて、アルバムが日本逆輸入リリースされたんですよ。
Salyu:おいくつぐらいの方々かわからないけど、新しいなぁ。洋楽の影響は感じるんだけどヒロイズムはジャパンですよね。美意識、サービスとしてのポージング、精神性という意味で日本を感じます。
堀田:村八分とかああいう昔のジャパニーズロックの流れを汲んでいるんでしょうね。最近のバンドって上手いけど、こじんまりまとまってる印象があったけど、棒人間を聴いて、久々にロックのダイナミズムを感じました。
Salyu:イギリス在住って聞いて納得。日本を客観的に見ているんでしょうね。洋楽は神様みたいなのが昔の音楽の価値観だとしたら、新しい世代のスタンダードってこういう感じなんでしょうね。映画も字幕じゃなくてあえて吹き替えで観たりするのかな。
堀田:演っているのは70年代のロックサウンドなのに、新しい感じがでているのは、きっとそういうことなんでしょうね。ライブ衣装も和っぽい感じだし、「殺したい気持ち」ってタイトルで、あえて日本語歌っているところもいいですね。Salyuさんは、普段ロックを聴きます?
Salyu:あまり聴かないです。ジャンルは違っても音楽だから共通する部分はあるけれど、基本的にロックには居場所がないんです。でも、棒人間には居場所がありましたよ。聴けるかんじ!)
ボーカリストの男性とは同棲できない<Salyu>
CINRA RECOMMEND
アーティスト名:前野健太
収録作名:『ファックミー』
試聴曲:「ファックミー」
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柏井:Salyuさんと同世代の男子シンガーソングライター、前野健太を聴いてください。
Salyu:(アーティスト写真を見ながら)この写真、最高。このビジュアルとサウンドはすごく想像をかき立てますよね。
柏井:いいルックスですよね。松江哲明監督がドキュメンタリー映画を撮ったことでも話題になっている人です。自分のパーソナルなものを歌い続けていて、ライブで観るとドーンって響いてくるものがあるんですよ。物語を想像させるミュージシャンですよね。そういう音楽との接し方ってすごくいいですよね。完成されたハイクオリテイな音楽というのもいいけど、お金を出して自分が本当に買いたいなと思うのはこういう音楽だなと、最近思うわけです。この人の物語に恋をしていて、そこにお金を払う価値があると思うんですよ。
Salyu:(試聴しながら)確信犯だなと思うところもあるけれど、どうしようもなく優しい素な部分もあると思う。松江監督もどうやったらこういう優しい音楽ができるのか知りたくてドキュメンタリーを撮ったんでしょうね。自分のことを歌っているというよりは、誰かの代わりに歌っている感じ。“代弁する愛”みたいなものを強く感じました。たまらなく優しい人だと勝手に妄想してます。
宮崎:なるほどー。
柏井:Salyuさんは以前インタビューで「ボーカリストとしての自分は信じているけど、作詞家としての自分は信じていない」っておっしゃってましたよね? 同世代のシンガーソングライターの歌をどういう風に聞くのか知りたくて、今日この曲を持ってきました。
Salyu:シンガーソングライターに対してはライバル心みたいなのはないんですよ。私はたぶん生粋のボーカリストの男性とは同棲できないと思うんですけど、シンガーソングライターはOK。同じ生き物だと思っていないから「私のことをわかってよ!」みたいに依存しないし、お互いに理解し合えると思うんです。ミュージカル俳優とか、演歌歌手とか、絶対無理だろうな。お互いの自己顕示欲が膨らんでいって、相手の「絶対こうじゃん!」とか相手に自分のやり方を押しつけてしまって喧嘩になりそう(笑))
柏井:ほほう(笑)。
堀田:声で生きてるもの同士ぶつかっちゃうんだ(笑)。
高根:声僕の中で前野健太は理想の男性なんです。最高にモテるだろうなと。そう思いません?
Salyu:思います。ギターに愛されてるもん。信用できるいい男だと思いますよ。)
高根:マエケンを聴いてイイっていう女性は5人に1人くらい。大体の女性はしみったれたフォーク幻想みたいに聴いちゃって、すぐに「私はキライ」ってなっちゃう。フォークソングって女の人には響かないのかな。
Salyu:女の子によるだろうな。たぶんいっぱい傷ついてないとこの人の良さがわからないと思う。精神のヒダが細かくないとね。優しさとか苦しさとか切なさとかたくさん詰まっている楽曲だと思いました。)
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