圧迫面接 【Salyu】

2011年3月30日 (水)


圧迫面接

     
 

圧迫面接

雑多な音楽業界の中でなかなか紹介しきれない曲やアーティストたちを、オピニオンリーダーたちに聴いてもらい、その感想を聞きたい、あわよくばプッシュしてもらいたい! という思いから生まれたHMV×MySpace×CINRA× DAX 4サイト合同企画「音楽圧迫面接」。
お招きしたゲストに4サイトの代表者(圧迫面接官)が持ち寄ったオススメ音源を聴いてもらい、その音源についての率直な感想や印象をぐいぐいと問い詰めます。

第15回目は、小山田圭吾さんとの共同プロデュースした新作『s(o)un(d)beams』が話題のSalyuさんをゲストにお迎えしました。
前半をMyspaceにて、後半をHMV ONLINEで掲載!


前半MySpaceへはこちらから!!

【圧迫面接】過去のARCHIVEはこちらへ !
 
   

圧迫面接 =Salyu=



ブルースみたいですね<Salyu>

MySpace RECOMMEND
The Ghorst Spardac
アーティスト名:S.L.A.C.K.
収録作名:『我時想う愛』
試聴曲:「いつも想う」

DAXで試聴(「夕方/夕方の風 Feat. YAHIKO」)
この作品をHMV onlineで購入する



宮崎:最近僕はこのアーティストばかりなんですが今日も持ってきました(笑)! S.L.A.C.Kという23歳のラッパーの曲です。とにかくカッコいい!

Salyu:声がいいですね。自分の声の魅力をわかっていて、ちゃんとコントロール→してる。音楽的なスィート・スポットを知ってる人だと思います。きっと勉強熱心なんだろうな。いろんな音楽を聴いてる感じ。

宮崎:実兄とPSGというグループを組んでいるんですけど、日頃からお兄ちゃんと“音楽的な筋トレ”をやっているそうです。彼らのお父さんが脱サラして、新たにインディでレーベルをはじめたらしく、今作はその新レーベルからのリリースとなります。このお父さんというのが、山下達郎マニアの音楽フリークで、彼らはその影響で小さい頃から様々な音楽を聴いてきたみたいなんです。S.L.A.C.Kも小学校6年からラップしているから、若いけどラッパーとしてはすでに10年以上のキャリアがあるんですよ。

Salyu:へぇ。あと聴いているとブルースみたいですね。地下で演奏している感じ。才能があるんでしょうね。これはイイ意味で言うんですけど、外になにかを取りに行こうとしていない感じがしました。自分の世界観を信じているというか。

宮崎:ダサいトラックを耳にしたときも“自分だったらこうする”って考えながら聴くって言ってました。

柏井:ちょっと聴いただけでそこまで分析できるなんてスゴい(笑)!

Salyu:世界から受けるいろんなモノを全部ヒップホップに落とし込めるなんて、素敵ですね。





ロックには居場所がない<Salyu>

HMV RECOMMEND
棒人間
アーティスト名:BO NINGEN-棒人間-
収録作名:『BO NINGEN-棒人間-』
試聴曲:「Koroshitai Kimochi」
マイスペースプロフでアーティストの詳細を チェック
この作品をHMV onlineで購入する


堀田:ロンドンを拠点に活動しているバンド、棒人間です。最近話題になっていて、アルバムが日本逆輸入リリースされたんですよ。

Salyu:おいくつぐらいの方々かわからないけど、新しいなぁ。洋楽の影響は感じるんだけどヒロイズムはジャパンですよね。美意識、サービスとしてのポージング、精神性という意味で日本を感じます。

堀田:村八分とかああいう昔のジャパニーズロックの流れを汲んでいるんでしょうね。最近のバンドって上手いけど、こじんまりまとまってる印象があったけど、棒人間を聴いて、久々にロックのダイナミズムを感じました。

Salyu:イギリス在住って聞いて納得。日本を客観的に見ているんでしょうね。洋楽は神様みたいなのが昔の音楽の価値観だとしたら、新しい世代のスタンダードってこういう感じなんでしょうね。映画も字幕じゃなくてあえて吹き替えで観たりするのかな。

堀田:演っているのは70年代のロックサウンドなのに、新しい感じがでているのは、きっとそういうことなんでしょうね。ライブ衣装も和っぽい感じだし、「殺したい気持ち」ってタイトルで、あえて日本語歌っているところもいいですね。Salyuさんは、普段ロックを聴きます?

Salyu:あまり聴かないです。ジャンルは違っても音楽だから共通する部分はあるけれど、基本的にロックには居場所がないんです。でも、棒人間には居場所がありましたよ。聴けるかんじ!




ボーカリストの男性とは同棲できない<Salyu>

CINRA RECOMMEND
ファックミー
アーティスト名:前野健太
収録作名:『ファックミー』
試聴曲:「ファックミー」
マイスペースプロフでアーティストの詳細を チェック

DAXで試聴
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柏井:Salyuさんと同世代の男子シンガーソングライター、前野健太を聴いてください。

Salyu:(アーティスト写真を見ながら)この写真、最高。このビジュアルとサウンドはすごく想像をかき立てますよね。

柏井:いいルックスですよね。松江哲明監督がドキュメンタリー映画を撮ったことでも話題になっている人です。自分のパーソナルなものを歌い続けていて、ライブで観るとドーンって響いてくるものがあるんですよ。物語を想像させるミュージシャンですよね。そういう音楽との接し方ってすごくいいですよね。完成されたハイクオリテイな音楽というのもいいけど、お金を出して自分が本当に買いたいなと思うのはこういう音楽だなと、最近思うわけです。この人の物語に恋をしていて、そこにお金を払う価値があると思うんですよ。

Salyu:(試聴しながら)確信犯だなと思うところもあるけれど、どうしようもなく優しい素な部分もあると思う。松江監督もどうやったらこういう優しい音楽ができるのか知りたくてドキュメンタリーを撮ったんでしょうね。自分のことを歌っているというよりは、誰かの代わりに歌っている感じ。“代弁する愛”みたいなものを強く感じました。たまらなく優しい人だと勝手に妄想してます。

宮崎:なるほどー。

柏井:Salyuさんは以前インタビューで「ボーカリストとしての自分は信じているけど、作詞家としての自分は信じていない」っておっしゃってましたよね? 同世代のシンガーソングライターの歌をどういう風に聞くのか知りたくて、今日この曲を持ってきました。

Salyu:シンガーソングライターに対してはライバル心みたいなのはないんですよ。私はたぶん生粋のボーカリストの男性とは同棲できないと思うんですけど、シンガーソングライターはOK。同じ生き物だと思っていないから「私のことをわかってよ!」みたいに依存しないし、お互いに理解し合えると思うんです。ミュージカル俳優とか、演歌歌手とか、絶対無理だろうな。お互いの自己顕示欲が膨らんでいって、相手の「絶対こうじゃん!」とか相手に自分のやり方を押しつけてしまって喧嘩になりそう(笑)

柏井:ほほう(笑)。

堀田:声で生きてるもの同士ぶつかっちゃうんだ(笑)。

高根:声僕の中で前野健太は理想の男性なんです。最高にモテるだろうなと。そう思いません?

Salyu:思います。ギターに愛されてるもん。信用できるいい男だと思いますよ。

高根:マエケンを聴いてイイっていう女性は5人に1人くらい。大体の女性はしみったれたフォーク幻想みたいに聴いちゃって、すぐに「私はキライ」ってなっちゃう。フォークソングって女の人には響かないのかな。

Salyu:女の子によるだろうな。たぶんいっぱい傷ついてないとこの人の良さがわからないと思う。精神のヒダが細かくないとね。優しさとか苦しさとか切なさとかたくさん詰まっている楽曲だと思いました。













 

今回のオピニオンリーダー

Salyu
今回のオピニオンリーダー
Salyu


2000年4月、Lily Chou-Chouとしてデビュー。Salyu名義ではシングル「VALON-1」が最初の作品となる。名プロデューサー小林武史とのタッグで数々の話題作を世に送り出した。

2011年1月よりSalyuがSalyu自身を見出しプロデュースしていくという新プロジェクト“Salyu x Salyu”をスタート。4月13日には、この名義で初の作品となるアルバム『s(o)un(d)beams』をリリースする。同作は小山田圭吾との共同プロデュースで制作された。


⇒official site

 


 


s(o)un(d)beamsCD
salyu × salyu /
『s(o)un(d)beams』


4月13日 発売

 

 
4社が誇る圧迫面接官達!!
 
 

高根順次
  スペースシャワーTVが運営する動画サイトDAXのプロデューサー。 スペースシャワーTVが運営する動画サイトDAXのプロデューサー。不感症な最近、ももクロに出会ってビンビンです。「やっと会えたね」by辻仁成  
 
 

宮崎敬太
  MySpace
MySpaceの編集担当。結局のところ、カンパニー松尾の作品は、自分にとってのファイナル・ウェポンである、と認識しました。
 
 
 

柏井万作
  CINRA
(http://www.cinra
.net/)WEBマガジンCINRA.NETや入場無料マンスリーイベントexPoP!!!!!やってます。東京生まれ HIP-HOP育ちの28歳。
 
 
 

堀田祐介
 
HMV ONLINE (www.hmv.co.jp)ジャパニーズポップス担当。中学1年の時になぜかHANOI ROCKSにはまり、そこか らずっと音楽漬けな36歳。
 
 
ライターご紹介!!
 
 
圧迫面接書記長
REALGOLD$


編集&ライター。
REALGOLD$文筆系何でも屋NIKO¥ON PRODUCTION代表。“近所のスナックのチーママ”程度の器量を活かし、ECD「ホームシック 生活2〜3人分」(フィルムアート社)発売中。
>>>REALGOLD$Weblog〈炎上〉


『ホームシック 生活(2〜3人分) 』

発売中

 
 
 
 
 
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