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【インタビュー】高城れに(ももクロ)×吉田豪 ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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HMVアイドル情報局

2011年2月24日 (木)

interview

白石晃士監督の映画『シロメ』に主演のももいろクローバーより、高城れに さんが初の単独インタビュー! そしてインタビューのお相手は、何とあのプロインタビュアー・吉田豪さん! 音楽×映画特集上映『MOOSIC LAB』のために録り下ろされたこのインタビューの現場に、我々HMV ONLINEがお邪魔させていただきました!
今回こちらに公開させていただいたのはインタビューのほんの一部。 約1時間に渡るトークの全貌は、2/27(日)に行われる『シロメ』上映イベントで配布される「インタビュー完全版」に掲載! イベントについてはご覧のページの最後、または『MOOSIC LAB』ホームページよりご確認下さい。それではドウゾ!


机とかが、こういうふうに思っているんだろうなぁとか



-- 単独インタビューは初ですか?

高城れに(以下、高城)  はい、初めてです。

-- やった! メンバー全員でのインタビューだと「高城さんがいかに面白いか」っていう話しか出てこないので、今日は個人で話したらどれくらい出るのかなという実験です(笑)。

高城  はい……キャーッ、緊張する!

-- 基本、雑談だから気にしないでいいですよ(笑)。今日は『シロメ』についてじゃなくて、恐いことをテーマにするつもりなんですけど、そっち系の話は一番持ってそうじゃないですか? 幽体離脱という定番ネタもあるし。

高城  あぁ……。でも、霊感はないんですよ。

-- 霊感があるのは早見(あかり)さんですもんね。

高城  ただ、見えないんですけど、気配がするんですよ。霊的なものっていうよりは、神的なもの?

-- つまり、神の気配を感じるんですか?

高城  はい。

-- どんな神様なんですか?

高城  それぞれにいるんですよ。机とかの感情が……。

-- 机の感情!

高城  机とかが、こういうふうに思っているんだろうなぁとか気になったり。

-- 机はどんなことを思ってました?

高城  「あー、今日もここから動けないんだな」とか。

-- それ、今日に限らずですけどね(笑)。

高城  電柱とかは、「あちーなぁ」とか……。

-- だいたいボヤいているんですか?

高城  ボヤいてます(キッパリ)。

-- 八百万の神的な意味で、無機物の心情を察するわけですね。

高城  でも、唯一ぬいぐるみだけは何考えてるのかわからないんです……。




すごい楽しいんですけど、苦手なんです。



-- 悩むタイプではあるんですか?

高城  落ち込みやすく、立ち直りやすいです。

-- 写真が苦手で、自分に自信がないとか言ってましたけど、そういうことにも悩むわけですよね。
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高城  写真も苦手だし、カメラ自体がもう苦手です。

-- それってシャッター音が怖いんですか?

高城  見られてる感じが……。

-- 見られる仕事ですよ!

高城  常に見られてるのが怖いんです。でも、ライブとかこういうお仕事はすごい楽しいんですよ。

-- それが、写真とかだとまた別になるんですね。

高城  すごい楽しいんですけど、苦手なんです。好きなんですけど、うまくできない。

-- 写真の上がりを見てヘコんだりとか……。

高城  それはない(あっさりと)。

-- あ、それはないんですか(笑)。現場がちょっと怖いだけ。

高城  怖いだけです。悩みとか……そこまで悩まないかな。なんだろう? 仕事とかでは……悩むけど忘れちゃいます。撮られるのは好きなんで。

-- 怖いけど好きなんですね(笑)。

高城  表情を作るのが苦手なんです。

-- それは可愛らしい表情みたいなものを求められるからですか? まだ馬の顔の真似でもしてる方がやりやすいとか。

高城  やりやすい。ただ、本番になると抵抗しちゃう癖があるんですよ。抑えちゃう癖があるから、可愛い表情なら可愛い表情、馬の顔なら馬の顔、すごい変な顔とかをカメラの前でやれってなると出し切れないんです。100パーセントを一気に出し切れなくて。何回も積み重ねて、最終的に100パーセント出せって言われたら出せるんですけど、一発で出せっていうと抵抗しちゃうんです。

-- 照れちゃうんですかね。

高城  自信がないんですよ……。本当にこれでいいのかなっていう戸惑いがどっかであるから出しきれない部分があって。でも、それじゃ駄目じゃないですか。だから、どうしたらいいんだろうなって。




学校でも絡みづらいって言われるし。



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-- 南海キャンディーズ山里(亮太)さん司会のイベントのときとか、すごい面白かったですよ。

高城  ああ、あのとき……。激しいんですよね、出しきれるときとの差が。

-- あのイベントのとき、ボクはバックステージで山里さんの隣にいたんですけど、終わったときメンバー全員が挨拶しに来て、高城さんが「私、ホントに絡みづらいのにこんなに全部発言を拾ってくださってありがとうございました」って感謝の気持ちを述べたんですよね。その後、メンバー全員が前を横切って握手会に行くときに、高城さんだけ山里さんの前で奇声を上げて変なポーズして行ったから、ホントに絡みづらいんだなと思って(笑)。

高城  そうなんですよ!

-- でも、そこでなんだか感動したんですよね。イベントでの発言も含めて面白かったから、ボクはそれから高城れに推しになって。

高城  ホントですか? ありがとうございます(笑)。意味もなく奇声を上げるのは好きです。奇声を上げたほうが発散できる。変な動きとかをしてたほうが楽です。

-- そのせいで絡みづらいってよく言われるんですか?

高城  言われます! あと私が言葉を発するとシラけます、すぐにシーンッてなります。

-- それは学校でもメンバー内でも?

高城  はい。学校でも絡みづらいって言われるし。あとわかりやすいってよく言われます。顔にすぐ出るタイプらしくて。楽しかったり怖かったり悲しかったりっていうのがすごい表情に出ちゃうらしくて、「れにってわかりやすいよね」とかよく言われます。

-- そこがいいんだと思いますよ。ライブやってても、すごい楽しそうなのが伝わりますからね。

高城  ありがとうございます。ライブは楽しいです!



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     夢見る頃はとっくに過ぎたのに、性懲りもなく少女アイドルグループにハマってしまうのは、ぬぐいきれない女子校オーラのせいだと思う。10代の少女たちが大人の事情に巻き込まれている感と、彼女たちがキャラを演じているようなしたたかさ、にもかかわらずひたすら一生懸命な様には、どうしようもなく女子校ライフの匂いを感じる。
     『シロメ』のヒロインはももクロことももいろクローバー。“週末ヒロイン”を名乗る彼女たちは中2から高2までの6人組(2011年4月10日のライブをもって早見あかりが脱退予定)である。みんなお菓子みたいな名前でカワイイ。
     ティーンエイジャーの女の子たちが願いごとを叶えるための冒険に挑む、という設定だけでもたまらない。メンバー全員でのお泊まり撮影はパジャマパーティーだし、紅白出場という目標のために「シロメ様」の洗礼を受けに行くミッションはまんま肝試しである。修学旅行の夜のノリがそこにはある。
     白石晃士監督といえば『ノロイ』(05)『オカルト』(09)など過激なフェイクドキュメンタリーの第一人者として知られるが、一方で『口裂け女』(07)で佐藤江梨子、『テケテケ』(09)『テケテケ2』(09)ではAKB48の大島優子を演出するなど、隠れたアイドル映画の名手でもある。そもそも都市伝説なんて思春期の女学生の大好物なので企画からして相性がいい。
     終盤のライブシーンを観ればわかるが、ももクロのステージの激しさは半端じゃない。楽曲のビートの熱さ、テンションの高さ、ダンスの運動量たるや動体視力の限界に近い。ものすごいスタミナを消費しつつも損なわれることのない笑顔を支えるのは可憐な見てくれを裏切るスポ根魂である。ももクロは秋葉原の路上や店頭でのライブを繰り返してメジャーデビューにこぎつけた叩き上げだ。そんな彼女たちが自分たちに与えられた使命を全力でまっとうしようとする健気な姿にはストレートに胸を打たれる。
     このももクロの女子力の高さは圧倒的だ。もちろん彼女たちもアイドルである以上、男性の視線は嫌というほど意識しているのだろうが、映画ではそこに収まりきらない天然の女子校オーラが炸裂している。『シロメ』の白眉は、男性である白石監督があの手この手で罠を仕掛けながらも、最終的にももクロの女子力がそれをふり切って突っ走った逆転劇にある。
     だが今の彼女たちに匹敵する人物が一人だけいる。ドリュー・バリモアだ。『ローラーガールズ・ダイアリー』(09)を監督した彼女ならももクロのありあまる女子力にも並走できるに違いない。ぜひドリュー・バリモアにはももクロ主演で映画を撮って欲しい。

    (文・那須千里)
profile



[高城れに (ももいろクローバー)]

93年6月21日生まれ / O型 / 神奈川県出身 / 身長158cm

百田夏菜子、早見あかり、玉井詩織、佐々木彩夏、有安杏果、高城れにの平均年齢15.3歳の6人組ユニット・ももいろクローバー。08年結成後、路上ライブ、石丸電気等のイベント会場等で様々なイベントを行なう。 09年「いま、会えるアイドル」というキャッチフレーズをもとに200本以上のライブを開催。09年に「ももいろパンチ」でデビュー。

profile



[吉田 豪]

70年、東京生まれのプロ書評家&プロインタビュアー。「HMVではローラ・チャンやK DUB SHINEのイベントで司会したり、HMV ONLINEの「TAO」という企画でインタビューされたりしてるから、そちら参照で。」
https://www.hmv.co.jp/news/article/809100069/