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【HMVインタビュー】 トクマルシューゴ3

2010年4月9日 (金)

interview

トクマルシューゴ

とにかく自分にしか出来ないものっていうのは、みんなにとって新しいものじゃないかなっていうのは、確信になっていた。

--- 実際『EXIT』から、2年半という時間が経っていますが、トクマルさんのCDは口コミ等で広がり続けているので、その時間経過を感じさせないというか。とてもいい形で広がってきてますよね。

それは自分でも感じますね。ちょうどいいタイミングで、ちょうど時間もいい具合に経ってくれて。僕もその中でいろんなことをやっていたので、あっという間でしたけどね。

--- その間に、海外での評価も高まってきて。そういう周りの反応はどう感じてますか?

単純にすごく嬉しいですよね。もちろん自分で望んだことでもあるんですけど、それが一人歩きしている部分もやっぱりあるんで。口コミでバーっと広がってくれたのが本当に嬉しいですね。それだけを信じてずっとやってきたので。もともと本当に全然誰も知らないようなところから出て、全然無名の状態から日本でもやって、一からだったんで。お金をかけてバーっとやるやり方じゃなく、口コミで広がったことは、凄く嬉しいですよね。

--- 凄く音楽的な感じしますよね。そういう広がり方は。

そうですね。もちろん時間はかかりましたけどね。ようやく。

--- 海外でライブもやってらっしゃいますが、その反応はどう感じてますか?

温度はやっぱり違いますけどね。観る環境とかそういうのもあるし。お客さんの声もでかいし。ただ本質は変わらないかなって言う部分は凄くありますね。音楽を凄く好きな人が見に来てくれて。それは全く同じですね。

--- 海外でお客さんが集まるっていう状況は本当にすごいことだと思うのですが、自分の未来がこういう風になることを想像していましたか?

海外でっていうのは想像していなかったんで、それは凄くびっくりはしてます。

--- 海外での評価も獲得しているトクマルさんの作品ですが、メロディーにしても節々に日本的なものを感じます。これは日本人にしか出来ない音楽だと思うのですが、その辺の意識はどうですか?

日本人だから出てしまうというのが近いかも知れないですが、誰かの真似をしようと言う気がもともとないですし、その辺は気質かもしれないですね。昔から作り方は変わらなくて、昔作ったものと雰囲気も変わってないので。こうなっちゃったって感じですかね。もちろん、〜っぽいっていうのもやろうと思えば出来るんですけど、別にやる気もなかったんで。

--- 僕らが慣れ親しんだ、「童謡」だったり「みんなのうた」だったりっていうテイストも感じたりするんですが、そういうところから影響を受けている部分はありますか?

そうですね。それはあると思いますね。やっぱり子供のころから聴いてた音楽とか、いまだに大切にしているので。それは大いにあると思います。やっぱり普遍的なものを今回取り入れたくて。それプラス新しいものって言うのを今回心がけていた部分はあります。

--- 新しいものっていうのは具体的には、どういったところで意識していたのでしょう?

とにかく自分にしか出来ないものっていうのは、みんなにとって新しいものじゃないかなっていうのは、確信になっていたので、それはそのままやれば出来るかなっていうのはありました。とにかく、普遍的なものを取り入れていけば、それに近づくんじゃないかなっていう意識はありましたね。自分にしか出来ない環境というか、こうやって一人で全てをやって、いろんな楽器を使ったりして。その上で普通の歌モノを作るっていうのは、他にやっている人を僕は知らないっていう感覚はあるので。それに普遍的なもの、例えば、昔の「みんなのうた」みたいな良いうたなんかの要素も入ってたらいいなっていうのはあります。

--- トクマルさんのように一人で音を重ねて作るというスタイルだと、自然の流れでインストになることの方が多いと思うのですが、「うた」を入れるという選択をしたのは何故ですか?

インストって言うものももちろんいっぱい作ってるんですけど、逆にここにうたを入れちゃったらどうなるかなっていう感覚もあって。それをやってみたら 意外と面白かったっていうのもありますけどね。それと、もともとは、いずれ僕が好きな人が見つかったら、その人に歌ってもらおうと思って作っていた部分もあります。

--- もしかしたら今後、好きなヴォーカリストに出会って、その人に歌ってもらうって言うこともあるんですかね?

そうですね。やってもらいたい気持ちはありますね。

--- そういうのも楽しみですよね。

そうですね。いろいろまた面白い事、出来そうだなと思います。

--- トクマルさんは自分自身が面白い、と言うところに対して貪欲ですよね。

そうですね。自己満足かもしれないですけど、自分にとっては一番大切です。

--- 最後にトクマルさんが今、興味があることについて伺ってもよろしいですか?

そうですね・・・何かをやろうと思っては止めてを繰り返していて・・・意外と続かないんですよね。

--- いろんなことに興味を持ってやってみて、違うなと思ったらどんどん切り捨てていくような感じですか?

音楽以外はなかなかずーっとは続かなくて。 UFO映像を探すのは、ずっと好きですね。それを集めるのはたまにやってますけど。

--- それは宇宙に対する興味というよりもUFO?

UFOですね。地球上にいるUFOに対して凄く関心があるというか、面白いですね。

--- そろそろ時間になってしまったので、お客さんへのメッセージで締めましょうか?

是非聴いてください。

おしまい

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  •  Port Entropy / トクマルシューゴ
    超ロングセラーとなったサード・アルバム『EXIT』以来、2 年半ぶりとなる待望のフル・アルバムが遂に完成! 同名ミニ・アルバムに収録された「Rum Hee」を含む全12 曲の中にトクマルシューゴのエッセンスを余すところなく凝縮し、トクマルシューゴ以外には成し得なかった新しいポップ・ミュージックの形がここに。圧倒的な傑作にして、長く聴き継がれるマスターピースになることに疑いの余地がない、今年最大級の話題作。
  • 2010年04月21日発売
profile

東京都出身。
2004年5月、米ニューヨークのインディ・レーベルMusic Relatedより、1stアルバム『Night Piece』をリリース。無名の日本人、日本語歌詞であったにもかかわらず、各国のメディアで絶賛を浴び、世界中から注文が殺到して初回プレス分は瞬く間に売り切れる。このアルバムは日本でも同年8月、音楽雑誌mapのレーベル、Compare Notesより発売される。

2005年、Compare Notes より2ndアルバム『L.S.T.』をリリース。翌2006年には、ヨーロッパやニュージーランドでも相次いでリリースされ、とりわけフランスでは雑誌、新聞、ラジオ等で大きく取り上げられる。同年秋、そのフランスとスペインと北欧を回る初のヨーロッパ・ツアーを敢行。

2007年10月、サード・アルバム『EXIT』をPヴァイン・レコードよりリリース。日本でも大きな反響を呼び、ロングセラーとなる。この頃より、国内でのライヴ活動も旺盛に展開。翌年には、フジ・ロック、NANO MUGEN FES.‘08といった大規模なフェスにも相次いで出演を果たす。

2008年9月、Sony / Columbia 傘下のレーベル、StarTime Internationalより『EXIT』を北米リリース。同月、初の北米ツアーを行い、出演した4公演全てがソールドアウトとなる(NYではBeirutやThe Nationalのメンバーを伴ったバンドを編成)。10月に再渡米し、The Magnetic Fieldsのサポートアクトとして2000人規模のホールツアーを行う。また、同年、萩生田宏治監督作品『コドモのコドモ』で、初めて映画音楽の作曲も手がける。

2009年4月、ミニ・アルバム『RUM HEE(ラムヒー)』を発表。同年7月にはヨーロッパ最大級の音楽フェス、ロスキレに出演、6カ国にまたがる欧州ツアーも行う。日本でも、アラバキ、ROCK IN JAPAN、SUMMER SONIC、朝霧JAM、COUNTDOWN JAPANなど、多数のフェスに出演し、ライヴ・アクトとしての評価も飛躍的に高める。

2010年3月、シンガポールのフェス、MOSAIC MUSIC FESTIVALに出演。