HMVインタビュー: 村田大造

2010年1月18日 (月)

interview

村田大造

日本のクラブ黎明期にピカソ、Yellowといったクラブを立ち上げ、そのカルチャーの形成に大きく貢献、そして今回自身のレーベルを立ち上げその第1弾として あの言わずと知れたテクノ界のゴッド、デリック・メイの13年ぶりとなるミックスCDをリリースする事となった村田大造氏にお話を伺いました。

デリックのパーソナリティー(心や知識、技術)のレベルの高さを感じ、こんな素晴らしい作品を作って貰った事への感謝の気持ちで一杯になりました。


--- 90年代からテクノ/ハウスを聴き、そしてクラブに通っていた人にとってデリック・メイという存在は特別だとおもいます。デリック・メイのミックスCDがリリースされると知ったとき、彼らは最大級の驚きをもってそのニュースを迎え入れたはずです。かくいう自分もリリースインフォに目を通した瞬間、本当に鳥肌が立ちました。まずは今回の作品がどのような経緯で企画されたものかお聞かせください。

村田大造: 現在、代官山のAIR、渋谷、中目黒、代官山にカフェ FRAMES、渋谷にカフェ&ラウンジのMICROCOSMOSの4店舗を開業しています。今回のレーベルの発足は、そんな店舗の運営する中で生まれてきた、様々なアーティストとの関係をベースに、各店舗の雰囲気を自宅でも体験して頂きたい。なかなか来店できない地方の方にも、店舗の雰囲気を感じて頂きたいという意図で始まりました。ですから<Heartbeat>は、本物とかリアリティーとか、自然体などというキーワードをコンセプトに制作してゆくつもりです。クラブでのBeat、カフェでのBeat、ラウンジでのBeatは、そこにいる人達の心臓の鼓動に同調しているから楽しいのではないでしょうか?<Heartbeat>は、そんな店舗毎の鼓動と同調して頂けるアーティストの方々と、歩んでいけたら幸せだと思っています。

--- 今作は村田さんの新レーベル<Heartbeat>からのリリースですが、その第一弾としてデリックを選んだ理由とはなんでしょうか?

村田大造: もちろん、デリックが個人的にも友人であり、自分が手放しに信頼して任せられるアーティストである事も大きな理由ですが、様々な点でタイミングだったんだと思います。自分は、何事にも自然な流れ、水が高い所から低い所に流れる様な流れに逆らう事無く進む事が、自然で気持ちよい結果が出せるコツだと思ってます。

--- デリックに今回の作品の依頼をしたとき、その反応はどのようなものでしたか?

村田大造: もちろん、快く受けてもらいました。

--- デリックから作品が上がってきて音を聴いたときにどのようなことを感じましたか?

村田大造: レーベルのコンセプトである、「リアリティーの塊」だと感じました。同時にデリックのパーソナリティー(心や知識、技術)のレベルの高さを感じ、こんな素晴らしい作品を作って貰った事への感謝の気持ちで一杯になりました。

--- ミックスやイコライジングが、まさにフロアをそのままパッケージングした現場感溢れるものとなっていますが、これは意図してのものですか?

村田大造: もちろん、臨場感やリアリティーを高める為に、デリックが意図したものだと思います。

--- そもそも、村田さんとデリックとの関係はいつから始まったのでしょうか?

村田大造: YELLOWを行なっていた頃からで、既に10年以上の付き合いです。

--- 村田さんからみてデリックはどんな人ですか?印象深いエピソードなどありましたらお聞かせください。

村田大造: とにかく、優しい、いつでもパワフル、人を喜ばせたり、びっくりさせたり、笑わせる事が好き。音楽だけでなく、あらゆるアート(写真、絵、家具)に興味を持って、テクノロジーに対しても常に目を向けている。何に対しても「本物」「良質なもの」を見極める目をもって接している様に感じます。印象深いエピソードは、沢山ありますがプライベートな事が多いので、コメントは控えさせて頂きます。

--- <Heartbeat>レーベルですが、今後はどのような展開をされるのでしょうか?

村田大造: 現在、制作及び計画進行中です。

--- クラブシーン全体についてお聞きしたいのですが、これまでにいくつものクラブをプロデュースされてこられた村田さんからみて、現在のクラブシーンはどのように映っていますか?

村田大造: ディスコのクラブ化により加速したクラブの商業化。商業化による、新しいカルチャーを生み出すエネルギーやノウハウの欠如。新しいカルチャーが生まれない事からのクラブシーンの低迷。これらがデフレの様に連鎖する事への懸念をしています。

--- クラブのプロデュースという点に関して、今後予定されている展開がありましたらお聞かせください。

村田大造: 自社ビルによる、大型クラブの構想があります。

--- 最後にHMV ONLINEをご覧の方々へメッセージをお願いします。

村田大造: 店舗共々、<Heartbeat>も皆様に満足して頂けるものを作り続けて行きますので、今後とも宜しくお願いします!!

新譜Heart Beat Presents Mixed By Derrick May × Air
デトロイト・テクノ創始者の一人として知られ、今もなおTOP DJとしてその名を轟かせるテクノ界のゴッド、デリック・メイがなんと13年ぶり2枚目となる新作ミックスCDを村田大造の新レーベル<Heartbeat>よりリリース!生々しくエモーショナルな、魂のこもったグルーヴが炸裂する全世界ダンス・ミュージック・ファン渇望の必聴&必携盤!!
profile

日本のクラブカルチャーを代表するプロデューサー村田大造。伝説のClub P. Picassoを若干21歳で立ち上げ、渋谷のClub Caveのプロデュースにより、日本にハウス/テクノ/ジャズなど様々なジャンルの音楽をクロスオーヴァーに東京に定着させる。その後、世界的にも認知度が高く、東京のクラブ・シーンを常にリードし続けたSpace Lab YellowをOpen。クラブとライブハウスを融合させた新しい試みにより、常に東京クラブシーンの成長と発展を支えてきた。現在は“Air”のエグゼクティヴ・プロデューサーを行う傍ら、渋谷、代官山、中目黒の人気レストラン&Cafe、Frames、今年の春に渋谷にOpenしたラウンジスペース、Microcosmosのプロデュースを手掛ける。そして2010年!音楽レーベル「Heartbeat」を立ち上げる。

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