小鳥のさえずりのような歌声に耳を傾ける。ブロッサム・ディアリーが７０年代に自身のダフォディル・レーベルに残した作品にはSSWにも似たメロウで温もりのある空気が漂う。

カナダのダイアナ・パントンはブラジルへの思いを馳せてしっとりと囁く。ヴィニシウス＆バーデンやマルコス・ヴァーリ、そしてアンリ・サルヴァドールまでも彼女色に染める。

トニー・タンブレロのくつろいだピアノ・タッチに寄り添うビヴァリー・ケニーの甘い歌声。微笑みさえも歌にしてしまう彼女のキュートで飾らない魅力に誰もが恋に落ちる。

まるで60年代のフレンチ・ポップスの7インチをイメージしたような洒落たジャケット・デザインをそのままに、小粋で軽やかなブラジリアン・ジャズを聴かせる若き歌姫。

ジアナ・ヴィスカルヂとギタリストのミッヒ・フチシュカによるコーヒー・ソング集は、ジャズ、フォーク、ポップスなど涼しげなボサノヴァ・アレンジで軽妙にカヴァー。

ナチュラルな風を吹かせるアメリカのジャズ・ヴォーカリスト、サラ・ガザレクとドイツのピアノ・トリオ、トリオセンスの共演盤にはヨーロッパ特有の透明感に満ち溢れている。

ノルウェーのポップ・グループ、ロイヤリティーズの紅一点マリ・ペルセンの麗しい歌声と、優雅なストリングス・アレンジに胸締め付けられるロマンティックなソロ・アルバム。

瑞々しいコーラス・ワークと70年代らしいメロウなサウンド・テイスト。ヴァグネル・チゾやトニーニョ・オルタなど街角クラブの面々も参加したミナス産ソフトロック。

マジック・アワーに佇むシルエットも美しい静謐なジャジー・ソフトロック。ペリー・ボトキン・Jrによるドリーミーなボサ・アレンジに天使の歌声が黄昏にゆらめく。

悲しみを乗り越えた彼女の歌声には滲み出る母性のやさしさが宿っている。まさにフェアリーのような存在感、その神秘的でメロウなサウンドがエヴァーグリーンな輝きを放つ。

プロデュースにマリオ・カルダート・ジュニアを迎えたマレーシアのシンデレラ・ガールの2作目は、フォークにジャズやソウルのフレイヴァーを効かせたオーガニックな味わい。

グルーヴィーに刻まれるピアノとアコギに抑えた感情がこみ上げるビター・テイストな歌声。ジム・オルークのアレンジが映える「Conceived」に雨上がりの虹が架かる。

ピアノにヴァイオリンやチェロを加えたオレゴンのフォーク・グループによる穏やかな田園風景。室内楽アレンジと切ない歌声がテキサスのバルモレイに通じる郷愁感を醸し出す。

ヴァシュティ・バニヤンやフアナ・モリーナのサポートでも知られるイギリスのフォーキーな吟遊詩人。夢の中を彷徨うアンビエントな歌と音色が瞑想にも似た感覚を呼び起こす。

カリブ海から届いた美しきクレオール・フォーク。亜熱帯に揺らめくメロウ・アコースティックな質感と、艶やかでしなやかな歌声はコリーヌ・ベイリー・レイを彷彿させる。

グリニッチ・ヴィレッジの街角から聴こえてくる乾いたギターと素朴な歌声。ローチェスも参加をしたポール・サイモンの名曲「America」のカヴァーに思わず口笛を吹く。

優れたメロディー・センスに淡いアコースティック・サウンドが胸を震わせる、ネブラスカの孤高の詩人。カントリーとソウルを程よくブレンドしたサウンドにラムチョプを想う。

色褪せない青春の記憶に流れるのは街角で聴いた彼女の歌声。甘酸っぱくてノスタルジック、いつもより苦めのコーヒーが飲みたくなる月夜のアコースティック・スウィング。