Quiet Corner クワイエット・コーナー Vol.10

Quiet Corner クワイエット・コーナー

心地よい高揚感。 春のメロウ・ミュージック。

雪国育ちの私にとって、長く寒い冬の終焉はある種特別な感情を持って迎えられるセレモニー。モノクロームの情景に新緑という天然色が加わり一気に色彩が豊かになってくる。空が青かったことにも気づかせてくれる季節は心にゆとりをもたらせるのだろう。目にする全てのものが昨日までのそれとは異なって見えるから不思議だ。気持ちの高まりは身に纏うものも耳にするものも衣替えさせていく。瑞々しさと躍動感あるリンダ・ルイスの「Spring Song」はそんなスタートに相応しい。雲雀の囀りにも例えられる彼女のボーカルが全てをポジティブに変える。春の訪れは希望の歌声が開放感ある音連れてやってくるのだ。生命の息吹きには「Spring Rain」で潤いを。シルヴェッティのサルソウル第一弾アルバムに収録された楽曲ながらこのジャケのほうがしっくりくる。憂鬱な雨の日でもどこか柔らかな日差しを感じ取れる。雨上がりの穏やかな夕暮れに空を見上げながら聴くならアル・ジョンソンの「I've Got My Second Wind」だろう。次作収録バージョンよりも春らしい。ジャケも素敵。プロダクションン・デシネの丁寧な仕事で陽の目をみたのはコープランド・デイヴィス・グループ。マーヴィン・ゲイを彷彿とさせるメロウ・チューン「Morning Spring」が気分。様々なものが芽吹き、弾ける季節が“Spring”といわれるのは至極納得。そこにあるのは森羅万象のハーモニーだ。
文●内山貴文

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